170回の伝統
今年の三冠レースが全て終了した。牡馬は三冠全てを分け合い、牝馬はチェルヴィニアがオークス・秋華賞の二冠を達成した。
レース内容から、この世代の牝馬は本当にハイレベルだと感じる。特に桜花賞馬ステレンボッシュ、二冠馬チェルヴィニア、2歳女王アスコリピチェーノ。特にこの3頭は抜けているのではないか。年長馬や古馬、そして海外馬との戦いにおいて、その実力を遺憾なく発揮してもらいたい。
牡馬三冠に関しては「最も速い」皐月賞馬ジャスティンミラノ、「最も運のある」ダービー馬ダノンデサイル、「最も強い」菊花賞馬アーバンシックという分け方をしたことになったが、なんだかピッタリである。アーバンシックはセントライト記念、菊花賞ともに圧巻の勝ちっぷりだった。次走はおそらく有馬記念か。この勝負服で3歳有馬といえばブラストワンピースである(シルクジャスティスである、とは言わない。さすがに生まれていない)。彼のようにグランプリ制覇なるかどうか。ちなみに、(シルクに限らず)菊花賞→有馬記念連勝は2016年サトノダイヤモンド以来である。
ジャスティンミラノの屈腱炎は本当に残念だ。レコードで皐月賞を制したダメージがやはり蓄積していたか。また元気な姿を見られるよう、治療に専念してもらいたいところである。
ダービー馬ダノンデサイルは皐月賞をレース直前に回避。鞍上の横山典弘騎手が僅かな違和感を察知し出走を断念することとした。もしあのレースを走っていたら……ダービーを勝つどころか、ダービーで走ることすら叶わなかったかもしれない。そういう意味では本当に運の良い馬である。
ただ、菊花賞に関しては全く運がなかった。道中、可哀想なぐらいポジションが下がってしまった。正直この馬の力はこんなものではないはずである。次走以降の巻き返しを期待したい。
さて、私としては既に来年のクラシックに目が向いているが、期待したいのはマスカレードボールである。新馬戦は着差こそ小さかったが、マジメに走ることなく余裕の勝利。菊花賞の前日、2戦目のアイビーステークスでは新馬戦7馬身差圧勝のピコチャンブラックやノームコア産駒シルバーレインを抑え優勝。勝ちタイム1:45.8,上がり3F33.4は優秀と言わざるを得ない。しかもラスト3Fは11.8-11.3-11.2と加速。素晴らしいパフォーマンスだった。
私はこの馬をPOGで指名し応援している。先日この馬の姉であるマスクトディーヴァが故障で電撃引退した。姉の果たせなかったG1の夢を叶えてもらいたいという意味でも応援したいところである。
また、パレスルーマー産駒のキングノジョー(父シルバーステート)も指名しているが、この馬は新馬戦を快勝。非常に嬉しい話が続く。
菊花賞当日、この日行われる芝1800mの新馬戦は後の名馬が集う事が多く「伝説の新馬戦」と呼ばれることが多い。今年は武豊騎乗のキタサンブラック産駒、ヤマニンブークリエが勝利。前半はかなり行きたがり、直線は物見をしていたが、大外から差し切り勝ち。中々の勝ち方ではなかったか。この日、ゼミの同期と共に競馬場に行ったが、初馬券で見事に的中。「ハマってしまいそう」と笑顔で言っていたが、そりゃもう大いにハマっていただきたいところである。この馬が推しになったということなので、これからの2025年クラシック戦線について語り合いたい。
秋古馬混合G1戦線いよいよ開幕
菊花賞が終われば秋の天皇賞である。昔は天皇賞が先で菊花賞が後だった。親父世代は(ダビスタでのレーシングカレンダーが染み付いていることもあり)秋華賞の次の週に「来週ってもう天皇賞か?」と聞いてくる事が多い。もう菊花賞→天皇賞の順番になってから20年以上経つはずであるが。FruitsZipperがアップデートしろとブチギレるレベルである。
さて、その天皇賞で一番人気となりそうなのは、やはり三冠牝馬リバティアイランドである。
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昨年、秋華賞をとんでもない早仕掛けで制し三冠達成。鞍上の川田騎手が、勝つために最善の策をとったと話していた。マスクトディーヴァに外国人ジョッキーが乗っていたら差されてたんじゃないか?とも思うが、彼女の後ろにもっと迫っていたらまた伸びていただろう。
その後ジャパンカップに出走したが、世界最強馬イクイノックスに歯が立たず4馬身差の2着。今年に入って初戦のドバイシーマクラシックではスローペースに泣き、後方から猛烈な追い込みを見せるも3着に終わった。その後、怪我で休養に入り、この天皇賞が復帰戦。思えば、もう1年以上勝利から遠ざかっている。オークスを圧勝したこの府中で再び「これほどまでに強いのかああ!!」と言わせるような、そんなパフォーマンスを期待したい。
ドウデュースはこの秋3戦を最後に引退となる。昨年の天皇賞当日、ドウデュースに騎乗予定だった武豊騎手は5R終了後に馬に脚を蹴られ負傷。まさかの乗り替わりとなった。1年ぶりに挑む秋の盾の舞台。春の悔しさを晴らし、逆襲の末脚炸裂なるか。
重賞連勝中のレーベンスティールにはルメール騎手が騎乗。G1連勝中であり、毎週のように重賞を勝っている名手が乗るのは心強い。2016年の天皇賞(秋)では大外から豪快に差し切ったモーリスの後ろで2着だった父、リアルスティール。父の届かなかった天皇賞を掴むか。また、母父はトウカイテイオー。テイオーの血を後世に繋ぐべく、絶対に勝ちたい舞台である。
他にも昨年の皐月賞馬ソールオリエンス、ダービー馬タスティエーラ、今年の大阪杯を制したベラジオオペラといった4歳世代のG1ホースであったり、昨年2着のジャスティンパレス、悲願のG1制覇を狙うダノンベルーガなど好メンバーが集う。
果たして、伝統に名を刻むのはどの馬か!!