ルメール考 2024秋

「クリストフ・ルメール」

Wikipediaの冒頭にはこうある。
「クリストフ・パトリス・ルメール(Christophe-Patrice Lemaire、1979年5月20日 - )は、フランス出身の騎手。京都府京都市右京区在住。日本中央競馬会 (JRA)所属。」
実はファッションデザイナーのクリストフ・ルメールさんもいるが、最近は騎手のルメールも自らのブランドを立ち上げており、混同が加速している。

私はこの人が大嫌いである。正直自分は誰とでも仲良くしてきた方だしあんまり人を嫌いにならないんだけども、ルメールのことは嫌いである。なぜなら、うますぎるから。そう、うますぎるのである。日本に来てからG1を50以上も勝っている。

ただうまいだけなら良いんだけども、うますぎるのだ。自分が「絶対来ない。消し。」とか言うた馬でも関係なく持ってくるのである。競馬ファンは単に馬券で勝つことだけが喜びなのではなく、外しても納得のできる外し方というのがある。一つは「人気馬を消して、その馬が実際に飛ぶパターン」もう一つは「絶対に買えない馬が来るパターン」。
しかし、ルメールが乗る馬はそもそも人気馬なので「絶対に買えない」なんてことは原理的にない。その上、自信満々に消したのに馬券外に外れるどころか、勝っちゃうのである。競馬ファンにとっては腹立たしい存在だ。

でもそんなルメールの買いどころが分かれば「気持ちよく」なれる回数が飛躍的に増えるんじゃないか??そんな想いで仮説を立てて過去のレースを振り返り、9月の競馬を見ていた。

ルメール騎乗馬の不安要素を炙り出せ

競馬に絶対はない。どんな馬にも負ける可能性はある。その敗因は一つに特定できるものではないが、予想をする際には「こういう理由で来ない」みたいなことをある程度決めつける必要がある。
あなたはルメール騎乗馬をどのような理由で消してますか?本当にそれは適切ですか?振り返りましょう。

①距離が長い
この馬にとって2000mは長すぎる、みたいなやつである。これは条件付きにはなるが、あまり気にしなくてよい。
では、気にしなくてよいのはどんな時なのか?
それは、「気性が原因」の時である。そういう場合はルメールは折り合わせてしまう。または多少掛かっても我慢させてしまう。ルメールの真髄は無駄な消耗を抑えながらポジションをとる騎乗にある。
逆に、血統などから来る距離不安はズバリ的中することが多い。また、ワンターンばかりの馬が急に一周競馬を走る場合も疑うのが良い(古馬の場合。今年ならクイーンSウンブライルとか。3歳馬は初体験である場合が多いので気にしないこと)。

②距離が短い
逆にこの馬にとって1200mは短すぎる、みたいな時は結構来ない
ルメールの真骨頂は前述したように、無駄な消耗を抑えながらポジションをとる騎乗である。反対に、馬を急かさなければいけない状況の時は持ち味が出ない。
短距離重賞の成績が長めの距離に比べると物足りないのもこの辺りにあると思う。

③いつも後方からになる
これも、無駄な消耗を抑えながらポジションをとる騎乗と関係する。
気性難が理由でポジションを下げざるを得ない馬の場合は、他の騎手だと後ろから行っている馬でもすんなり前で折り合わせることがある。逆に、押しても反応が悪い馬ではルメールでさえ為す術なし。というかシュネルマイスターとかはルメールに合わなかったはず。こういう馬は武さんの方がうまい。というのもルメールはこういう馬では仕掛けが遅れがちなのである。追い出す時もじんわり追い出すので、反応が悪い馬では仇になることがある。この9月だと前者タイプはアーバンシックとレーベンスティール。後者タイプはレガレイラ。この対比は非常に分かりやすかった。(だからこそ有馬記念で反応が悪いスターズオンアースに乗って強引に前に行ったときには想定外だった。「ルメールの外枠は内枠」はガチかもしれない)

④前走着順が悪い
これは気にしなくて良い。全然余裕で勝つことがある。
やはりノーザンの外厩は望みのレースを狙い澄まして勝つのがうまい。逆に言うとG1でも叩きに使うことがある。ルメールはノーザンの馬に乗ることが多いので、「実績馬×前走大敗」みたいなやつは美味しいことが多い。オークスのチェルヴィニアとかは絶対に狙うべきだった。

⑤調教が(目に見えて)悪い
これはいくらルメールでも無理。狙い澄ましてレースを勝ちに行かなければならない役割の調教師・外厩がそれを全うしてないということだから。つまり、一括りに「最近の調子が悪い」といっても、近走なのか調教なのかによって意味が変わる。今年だと宝塚ジャスティンパレスは調教最悪で見事ぶっ飛び。

⑥経験が浅い
キャリア◯戦目とか初の◯◯m以上とか。初の重賞出走・G1出走とか。マジで関係ない。ルメールは大体良い馬に乗ってるんだから能力は間違いなくある。馬の能力に関係なく、単に経験だけで切ろうとしたら痛い目を見る(ブレイディヴェーグなど多数)。

⑦コース不適
逆に経験豊富でも、乗る馬にとって合わないコースだと一気に怪しくなる。サウスポーが右回りを走るとか、その逆とか、普通に結構無理である。
もちろん、「東京コースは初めてだから……」とか言って、経験の無さを理由にして無印にするとまた失敗する。そういうのは馬券に来うる(⑥参照)。

⑧ クソ暑い・クソ寒い
来ません。ルメールは気温の変化に敏感です。以上。風邪ひかないようにしてほしい。

⑨ 普通に馬が弱い
これも来るわけありません。そりゃ多少足りない馬なら勝たせることはできるかもしれんが、ノーザンの期待馬でもあまりにも能力が低いパターンがあるのでそういった馬はごめんなさい(最近の3歳G2G3はこのパターンが多い。なぜなら本当の期待馬はその辺の使わないから。今年ならフェアリーSに京成杯にチューリップ賞)。ルメールでも無理です。

これを読めばあなたもルメールマスター。来週からいきなり爆勝ち間違いなし!!