人気同様に徳も高い田中芳樹先生
日本文学史に名を残す某大物作家の作品に惚れ込み、父は編集者になった。
期待に胸を高鳴らせ、憧れの大先生と対面すると、本人には尊敬できる要素が全く見られず、怒りと絶望に襲われたりもした、そんな作品と作者の乖離に虚しい思いをした事も少なくなかったようだ。
父が出版社に入社した時代は現在のようにコンプライアンスを重く捉える風潮がない。
売れてさえいれば作者の人隣りなど重要視されていなかった。
しかし、失望するばかりでなく、作品と同様に人格も素晴らしいなと感嘆させられる作家も確か