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親切のダイナマイトを投げつける

上記の過去記事では「ペイフォワード」という映画の感想とペイフォワードという仕組みについて述べた。その仕組とは、例えばAさんがBさんに親切にしてあげたら、BさんはAさんにその恩義を直接返す(ペイバック)のではなくて、自分の周りのCさん、Dさん、Eさんの3人に自分のできる親切をしてあげるということである。そして、Cさん、Dさん、Eさんにもそれぞれ「次の3人」に親切を渡していくことを期待する。

この仕組みが私にとって魅力的なところは、なんといっても指数関数的な親切の連鎖、掛け算で親切が増えるという希望、親切な行為それだけでなく信頼関係が広がっていくというイメージである。ペイフォワードの連鎖の根本か、根本に近い部分に自分がいられるとしたら、大いにドヤ顔ができるし、またドヤ顔で誇りたいと私は欲する。ドヤ顔が指数関数的に増えることに私は興奮する。だから、ペイフォワードは私にとって魅力的な仕組みである。

もうひとつ、人助けについて或る自己啓発本に書いてあった「Add Value」というフレーズが、ありふれたフレーズではあるけれども私には忘れられない。というのは、それは誰かを手助けすることによってその人の値打ち Value を増大させようという意味だからである。別の言い方をすれば、魚をあげてその人が満腹になるだけよりも、釣りの仕方を教えてあげてその人が自分自身の力で魚を釣り、お腹が空いているまわりの人に分配したり、その人がさらに別の人に魚釣りを教えられるようになる方が、助ける側としてはずっとうれしく誇らしい。なぜならば、その人自身の価値、あるいは人的資本(=スキル+ナレッジ)を増大させることができたからである。ただ give したり donate するのではなく、Add Value することができれば、或る意味私は与えた以上のものをその人から返してもらったような満足感に浸れるかもしれない。そして実際浸ってみたいのである。だから、私は「Add Value」というフレーズもずっと憶えている。

ペイフォワードもAdd Valueも、機会をみつけて実践していきたい。なぜならば、私は爆発するものが好きだからだ。爆発的・連鎖的・かけ算的に増えるものが好きだからだ。小さな元手から大きなリターンが得られるのが好きだからである。例えば私自身という一個人もまた、ちっぽけなものに過ぎない。できることや手持ちの財産や道具も大して多くはない。ただ、それでもそばにいる複数の人に影響を与えるチャンスがある。きっかけがある。だから、そこを起点として「爆発」を起こしてみたいのである。まあ、敢えて悪く言えば「炎上商法」やネットワークビジネスに近い欲望ではあるのだが、自分自身の力と天から授かった才能、運、時間を何に傾けるべきかと自問自答するとき、やっぱり「爆発」するものにそれを賭けたいのである。爆発はロマンである。だから、人助けは爆発なのである。

(1,215字、2024.02.19)

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