
カルタヘナ国際映画祭 4日目後半 コロンビアプレミア
そして、夜。
いよいよやってきました。
『莉の対』コロンビアプレミア🇨🇴

審査員の仕事もあるけれど、この映画をコロンビアに届けることが僕の仕事なのです!!
っていうか、夜の20時からの上映でお客さんは来るの!?と一抹の不安を抱えながら会場に行ってみると
「Toshi、チケットほぼ完売だよ!!」
って教えてくれました。
完売ちゃうんかい!!とも思いましたけど、オランダの時のようにメインコンペに入っているわけでもないですから、全然上々だよ!!

スクリーンも写真で見るよりずっと大きかった
そして、開幕。
上映の前に皆さんの前でご挨拶をさせて頂いて、そして僕も客席に座って観客の皆さんと3時間の長旅に出航しました。
果たしてこの映画を理解してもらうことはできるのだろうか・・・
ドキドキ。
とか心臓をドキドキさせてたら
さすが南米!?!?なのか、みんなホンマ自由に観るねw
携帯の音は鳴りまくるわ、普通に携帯見まくるわ、ご飯食べるわ、喋るわ、日本だと多分怒られるで!って事をみんな平気でしてて。
最初は俺も「おーーーい」と思いながら観てたけど、途中からもうマジどうでも良いいや!って思えるくらいみんな自由でした笑
だけどね、どんどんみんなが映画にのめり込んでいったのが分かるんですよ。
ちょっとでも沈黙があるシーンだったり、長い会話があるシーンになる度に
「みんな、もうちょっとだけ我慢して!もうちょっとだけここ耐えて!!」
とみんなの気持ちが離れない事を心の中で何回も祈ったりしながら観ていました。
僕は今だにオランダのワールドプレミアの時のお客様の反応が忘れられないんです。僕が全く想像していなかったところで笑いが起き、心で感じていることが声として音として感嘆や驚きがお客様から出てくる。映画は静かに見るものという日本での常識みたいなものが思いっきり覆されて、本当に楽しかった記憶があります。
そして、まさかなんですか・・・
コロンビアでのお客さんの反応はなんとそれ以上で
そんなに!?
ってくらいみんな一つ一つのシーンに素直にリアクションを取ってくれて、笑ったり、溜息が出たり、ドキドキしたり、ヒヤヒヤしたり、そして泣いたり。一緒に観ていた僕もこんなに新鮮に楽しめるものかと思った3時間でした。だって俺もうこの映画100回は観てるんよ?
自分が何に感動してるのか分からなかったけど、後半はなんか泣きそうになっていました。
そして、上映が終了すると客席から一斉に大きな拍手と歓声が湧き上がりました。
みんな口々に僕に向かって「Congratulations!」「Great movie」「Beautiful」と言ってあたたかい拍手を送って下しました。
なんかね。むちゃくちゃ感動しちゃったんです。
なんて言葉で表現したらいいのか分からないけど、浮遊感?を感じるくらい心動かされました。
もうオランダでワールドプレミアも終わってるのに
こんなに感動する?ってくらい。
映画の感動とお客様のあたたかい空気のダブルパンチで、バチバチに感動しちゃいました。
この瞬間を、クルーやキャストのみんなに見せたかった。本当に見せたかった。マジで見せたかっった。なんで俺一人しかいないんだよ。
その後のQ&Aセッションは、オランダ以上のハードルの高さでした。
通訳がいなかったのでね。
日本語ですらこの映画を語るのは難しいのに、果たして英語で全て伝えきることができるのか。
こういう時、彰夫からサクッと言われるんですよ。
「他の日本人の監督では無理っすね。じゃあトシくん、頑張ってください」
「はい」
頑張るしかないんだよな笑
だから戦いましたよ。
そしたらいっぱい笑いも取れたし、「こいつおもろいな」くらいには思ってもらえたんだと思います。10分くらいで終わるはずのQ&Aが30分以上も続きましたから。終わったら0時でしたから。
みんな本当に沢山質問してくれました。僕が英語で話すと、それを観客の誰かがスペイン語に通訳してくれる。観客の半分くらいはスペイン語しか分からないから。だから自然発生的にスペイン語の通訳者が客席から生まれた訳です。こんな事ってある!?ってくらいおもしろ空間でした。
Q&Aが終わった後はみんな僕のところに来てくれて、一人ずつ写真を撮るという謎のイベントタイムが始まりました笑 みんな!もう12時回ったよ!早く帰ろ?って感じでした。
あまりにも沢山みんなと写真撮ったので、逆に自分のを撮り忘れてしまいました笑
ホテルに着くとすぐに彰夫に電話しました。
マシンガンのように話したので、きっとよっぽど興奮していたんだろうなぁ。
そして、こんな事を相方に伝えました。
今日初めてね
『莉の対』
いい映画だなぁって思ったよ。
これからスペインに莉の対を持って行きます。
その後、ジャパンプレミアも待っています。
莉の対さん。
もう少しだけ、僕と一緒に旅をしましょう。