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5得点快勝のFC岐阜に問われる「実行力」

 5月11日、第29回岐阜県サッカー選手権大会の決勝が開催され、FC岐阜はFC. Bomboneraと対戦した。

岐阜のスターティングメンバーは、これまで出場機会を伸ばせなかった選手が中心。GKは後藤大輝が務め、DFラインは右から羽田一平、遠藤元一、萩野滉大、生地慶充。ボランチに北龍磨と西谷亮が入り、右サイドに松本歩夢、左サイドに上野輝人。2トップはイ・ヨンジェと横山智也の並びになった。

岐阜は可変したビルドアップで攻撃を組み立てようとする。前半は右肩上がりのような構図で、生地が内に絞って羽田に高い位置を取らせる。中盤は北がアンカー気味の配置を取り、時より西谷が左サイドに張り出し、空いたスペースへ横山が下りてくる形を作った。

FC.Bomboneraは守備のスイッチを入れ、猛然と最終ラインまでプレスをかけてくる。プレッシャーを受けた遠藤が、ボールを引っ掛けるシーンこそ何回か見られたものの、素早い切り替えでなんとか対処する。その中で 先制点を奪ったのは岐阜。5分、左サイドを上野が突破すると、中央に流れてきたボールに横山が反応。シュートはGKに防がれてしまうが、こぼれ球をゴール前に詰めていた羽田が押し込んだ。

しかし、その後は攻めあぐねた岐阜。カウンターを受けると背後のスペースを突かれて2度ほどピンチを招いたが、シュートは枠外へ。相手に勢いを与えかけた33分、萩野から供給されたロングボールの処理をDFが誤ると、そのボールを拾ったイ・ヨンジェがゴール左に流し込み、追加点を奪った。 前半は2-0で終了。相手の精度に助けられた側面はあったが、しっかりとリードして折り返すことができた。

後半もビルドアップ時は立ち位置を工夫。生地が中盤まで入ったり、イ・ヨンジェを頂点に松本や横山がシャドー気味に連動したりと、DFの的を絞らせない。 60分には横山のスルーパスを受けたイ・ヨンジェがターンして、冷静に沈め3点目。その後は終始主導権を握り続けた。連携ミスや精度に課題が出て決定機を逃すシーンもあったが、76分に北のミドルシュートが決まって4点目を奪うと、終了間際には途中出場の田口裕也が倒されてPKとなり、キッカーの北がGKの逆を突き5点目。ここでホイッスルが鳴り、5-0で岐阜が勝利。見事岐阜県代表の座を勝ち取った。

天皇杯予選とは言え、その雰囲気は本戦さながら。相手がチャレンジャーの精神で挑んできて、「勝って当たり前」と思われる難しい状況だったが、終わってみれば快勝。公式戦では久しぶりの勝利となったが、個々の判断力、実行力に課題が出た。チームとしての共通理解ができていた場面ではチャンスを作ったが、フィニッシュの精度や最後の連携でミスも目立った。決定機をしっかりと決めきれていれば、2桁得点も狙えた試合だった。

上野優作監督は「個人の戦術を上げていかないといけない。基本的なところの課題も色々見えてきたので、細かいところも含めて整理していきたい」とコメント。まずは勝ったことに一安心だが、この勝利をリーグ戦に生かすために取り組むべきことは多い。

(齋藤弦)

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