業績書を書こう(4) 教育上の能力に関する大学等の評価編
では、残った、
3.教育上の能力に関する大学等の評価
について。
3.教育上の能力に関する大学等の評価
簡単にいえば、「教育機関自体から受けた評価」と「教育に関して受けた評価」について書けばいいと思います。
とはいえ、院生やオーバードクター、専業非常勤のひとが教育機関から教育内容について評価を受ける、ということはさほど機会がないと思います。
なので、この欄に書くことができるのは「教育に関して受けた評価」ということになります。
最近は大学はもちろん、中学や高校でも、学生・生徒による授業評価アンケートがほぼ必ず行われます。
内田樹さんは、ある本の中で、教えを受ける側からのアンケートにたいして強い疑義をとなえられてました。私も、授業評価アンケートの有効性については、あまり肯定的な考えをもっていません。母数の大きく異なる授業の評価を対比させることに意味があるとは思いませんし、平均を出したところでどんな意味があるのかもよくわかりません。最頻値を出して、分布を示して…というデータを出さなくてはならないでしょうが、そうすると、今度はデータが煩雑なものになりすぎて、なんのためのデータ提示なのかわからなくなります。
唯一、学生のガス抜きという意味では、多少の有用性を認めることもできそうですが。
と、私見はともかく、業績書の内容に戻りましょう。
「評価」の書き方
もしも、あなたが「平均」よりも高い評価を得ているのであれば、平均を示した上で、どれくらい肯定的に評価されたかを書けばいいでしょう。
ですが、実際のアンケート結果は、平均が4/5くらいで、自分の結果もせいぜい誤差の範囲内におさまる程度になってしまうかと思います。
そういう場合は、重要と思われる項目、たとえば「学生の満足度」などについて、最大ポイントがいくらであるかということと、あなたのポイントがいくらであったのかを示しておけばよいと思います。
これまた私見に過ぎませんが、多くの教員はアンケートの結果なんてほとんど気にしていないと思います。せいぜい、大学評価の際のFD項目に関すること、くらいの認識ではないでしょうか。
なので、あなたの業績書を審査するひとたちも、この項目がそんなに重要だと考えていない可能性があります(無責任に放言します)。
だとすれば、あなたの授業がおおむね平均値の程度の評価を得ている、ということを示しておけば、ネガティブに評価されることはないでしょう。