論文に添付する要旨に思うこと


今回のテーマは「論文に添付する要旨」です。
まさか、公募に送る論文に、要旨をつけてない、なんてことはありませんよね?
最近の公募書類は、最初から要旨を記入する欄が設定されているので、そんなこともないと思いますけれど。

さて、わたしが公募書類を送るときにいつも気にしてきたのは、「読み手のことを考える」ということです。
気遣いをする、というよりは、どうしたら自分の公募書類をしっかり読んでもらえるか、そして面接に呼んでもらえるか、ということを考えてきました。
応募するときには、公募先のウェブサイトでどういう研究をしているひとがいるのかを考え、そのひとたちが読むことを念頭に置いて、書類を作ってきました。

当たり前の事実ですが、応募先に自分と同じ専門分野の研究者はいません。大枠のくくり、たとえば、英文学・言語学等の専門家はいるかもしませんが、まったく同じ研究対象の研究者はいないでしょうし、場合によっては大分類でも同じ分野のひとがいないかもしれません。
そうすると、自分の論文を読むのは、その論文についての知識が全くないどころか、学術的な位置づけすら知らないひと、ということになります。

そうすると、要旨も、同じ分野の人向けに書くのではなく、その分野の大学院生、あるいは学部4年生くらいにもわかるように書かなければなりません。

にもかかわらず、公募書類に添付する要旨に、専門家にしかわからない(専門家ですら読むのが辛い)ものを書く人の、なんと多いことか。

もう一度申し上げます。
論文の要旨は、専門家以外にもわかるように、平易かつシンプルに書きましょう。その上で、自分の研究の価値がどこにあるのかもわかるようにしなければなりません。

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