RedBull BCONE NAGOYA優勝したよ
まずはじめに
2022年8月14日(日)に愛知県で行われた、RedBull BCONE NAGOYA CYPHERにて優勝できました。
素直に嬉しいです。
頑張ってきたものの、10代や20代が活躍するこのブレイクダンスの世界で、36歳の自分が本当に優勝できるとは思ってませんでした。
今までの数年間、BCONE FINALに向けた数々の予選に出てきましたが、優勝したのは初めてのことです。折角なので、今回のBCONEに向け、考えていたこと、始めたこと、やめたことなど、簡単に書いていこうと思います。
また、当日の記憶が確かなうちに、自分の気持ちを書き綴ることで、しっかり思い出として残していきたいと思います。
出場までのきっかけ
出場に至るまでのきっかけは一言で表せないくらい沢山あります。というか、今回BCONEを終え、優勝をしてみて初めてわかったことは、この出場までのプロセスが優勝を掴むためにとても大切なんだと分かりました。
・先輩たちの頑張り
自分はありがたいことに、色んな地域のイベントで先輩方とお話するタイミングが良くあります。昔から可愛がってくれる方は勿論、意外と最近話してみた方もいらっしゃいます。
自信が持てなかった自分の踊りや、自分の目指すスタイルとバトル文化との折り合いの付け方など、様々なことで喝を入れて下さいました。
悩んでることを思い切って声に出して、誰か経験者に相談することが、自分を奮い立たせる為の良いきっかけだったと思います。
色んな価値観やその人の突き詰め方を知ることで、自分はどうやって突き詰めていくべきかを知ることができるし、自分の現状も良く知ることができました。
兵庫で行われたTHE JAM FINALや青森で行われたShirofesなんかは自分にとって大きなそのお手本で、背中を見せられた以上は自分も言い訳は出来ないわけです。
・後輩の力
自分にはありがたいことに沢山の後輩がいます。後輩だけでなく、生徒やその親御さんなど、ダンスで自分が責任を持たなければならない立場は多い方だと思います。
そういった周りの人達の頑張り、活躍は自分を鼓舞するための充分な理由になりした。
「昔少し活躍したから」とか「前は〜だった」なんていう過去の栄光だけではなく、『今、自分はどうなのか』っていう進行形の自分の背中を見せるのは、結果を目指していく過程が一番伝わりやすいと思いました。
後輩達や未来を支えていくには、自分がどうあるかがまずは一番たいせつだと、ここ2年で深く感じています。ここで一つの形が出せたことは今後も大きな力になりそうです。
・アスリートと文化
最近もはやBBOYもアスリートになりつつあります。その考えや過程は多いに賛成であり、寧ろその流れの後押しもしてるつもりです。
でもやっぱり自分はそうではありません。
タバコも吸うし、過度なトレーニングもしません。ジムにいってトレーニングもしないし、生活の中でBBOYINGと向き合います。
皆さんと同じように、生活の中では自分の仕事や奥さん、子どもたちの事など様々なことがありますが、その一つにBBOYINGもあります。
BCONEを目指すからといって、自分でない表現や、文化の中での戦いから逃げたくはなかったです。フィジカル、スタミナの優越で勝敗がつきやすい事も実際多く感じるのですが、自分はその混沌からいち早く離脱し、違う形でのアプローチが出来るのうになりたかった。
負け犬の遠吠えではなく、そういった向き合い方をしてる人たちと、真っ向勝負した上で自分のあり方をまた見つめ直したいと思っています。
勿論、これからまた、たくさん葛藤し、多くの負けも味わうつもりですが、少なくとも自分がそういった考えと自分自身が戦った経験は大きな糧となると信じています。
後輩や未来の子どもたちは、自分にあったやり方やペースで表現を続けてもらいたいし、その上で、勝敗の世界にも自信をもって飛び込めるようにしていきたいですね。
・レペゼン
名古屋で予選が行われると知って、ここに向けてきました。
ここだけの話し、今回は審査員として呼んで頂いていたのですが、お断りさせて頂き出場を決めました。
僕の記憶が正しければ名古屋で正式なBCONEのCITY CYPHERが行われるのは2回目です。1回目は審査員として参加していて、とても良い経験をさせてもらったにも関わらず、出れなかった自分をとても悔やみました。
次、名古屋で予選があれば必ず出ようと思っていたので、この日のためにかける思いは人一倍強かったと思っています。
バトル当日の思いと向き合い方
・マインド
バトル当日まで、沢山のことを考えました。
もちろん自分は天才肌のBBOYではないので、何も考えずに踊ったり、かといってブレずしっかり準備できるほどの確信も持ち合わせていませんでした。
色んなイメージを持って準備はしていたつもりですが、それでもイベントが近づくにつれて良くないイメージや、違う方向のインスピレーションに惹かれてしまったりもしました。
ブレている自分自身を正す方法は、経験の中でいくつか持ち合わせてはいるのですが、やっぱり最終的には理想の自分でなくダサい自分を受け入れることでした。
バトル当日の踊りは自分では見れないほど、完成度は低いと思いますし、周りから何を思われるのか恥ずかしいです。
しかし、今回はそれでもいいやと、開き直れて踊れたことが、今回BCONEに出ることで得た一番の経験だっと思います。
普段から気持ちが強く、自信を持って踊る人たちが眩しくてカッコいいと思いますが、自分はまだそのステージにはいけていません。
しかし、今回のバトルをきっかけに、自分も強く自信を持ちながらも、楽しく踊れるようになりそうです。
・ネタ
今までも、ネタ帳というのはあるんですが、今回は初めて自分のネタをバトルに向けて精査しました。
感覚で引き出しをあけてバトルをしていた自分にとっては新しいやり方でした。
勿論、最終的には自分にあった直感的なネタの使い方ではあったんですが、そこに向かうプロセスを今までと変えたことで、より直感的な部分が研ぎ澄まされたと思います。
ぐちゃぐちゃな引き出しからものを探すのではなく、綺麗に整理整頓した引き出しからものを出すような感覚です。
正直なところ、自分はぐちゃぐちゃな引き出しから出した踊りのほうが、よりグルーヴがあり、よりディープだとは思うので、これからはその部分をしっかり出せるようにまた楽しくやりたいです。
・スタミナ
当日一番の課題ですね。
こればっかりは普段からしっかりトレーニングしている人たちには勝ち目ありません。
じゃあどうするかって言ったら普段のダンスの向き合い方を変えるってことですかね。
トレーニングして出せるような踊りを基本的には離れつつ、その状態でいかに勝敗の世界でみせれるのかってところで。
スタミナをつけ、しっかりトレーニングすれば、BCONEの予選なら優勝できる可能性の人って実際沢山いると思うんです。それくらいスタミナは重要な割合を占めてると思います。
だからこそ僕はそこにあまり重きをおきたくはなかったです。
・口に出す
今回はあった人にできる限り、BCONEに出ることを公言しました。心許せる人には、「優勝します」と宣言もしました。
自分を追い込みイメージを持つことで、良い緊張感を保つことができました。
裏付けのない自信ではなく、しっかりと自分で確信に近づきつつある公言は悪いプレッシャーではないことが、今回は良く分かりました。
自分のことなんて興味ない人が沢山いる世の中で、どう自分を奮い立たせ、這い上がるか、年齢や性格に似合わずトライしてみて良かったです。
バトル終えて
その日は何も思い出せないくらい疲れました。
それくらいいっぱいいっぱいでした。
とにかくタイトなスケジュールは36歳のおじさんにとって相当ハードでした。
ジャッジがどっちにあげたのかとか、ほとんど思い出せないです。
色んな事考えてやってきたものの、実際バトルになると、勝敗とかどうでも良くなって、精一杯自分のやるべきことをやるって感じですね。これが本当にバトルの良いところだと思います。普段分からなかったことが、対峙してみると凄く良く分かったり、相手の方にも本当に敬意が持てます。
決勝は負けたと思ったので、手が上がった瞬間は頭真っ白になって、何考えたかも覚えてません。優勝コメントも何話したか覚えてないし、気づいたら終ってました。恥ずかしい。
バトル次の日からSNSや自分のスタジオで色んな人と話すことでようやく実感が湧いてきて、今回頑張って良かったなと改めて思えるようになりました。
ただ、今まで負け続けて、今回の一回たまたま勝てただけなんで、またマイペースに頑張りたいと思います。
今回頑張れたのは、ともに戦うみんなや、支えてくれる皆さんがいてくれたからです。
心から感謝です。
ファイナル
9月25日に山口県で行われるJAPAN FINALへの出場権を手に入れることができました。
今は全然実感がないです。
7年前?に一度JAPAN CYPHERにでたけど、その時よりは遥かにリラックスできると思います。
自分で掴み取った切符なんで、誰に何を言われようが勝敗なんてまるで気にせず楽しくやりたいです。
山口県に行くのも楽しみだなぁ。
余談
最後に宣伝になってしまいますが、、、
この度、私はBASE FOODさんの公式アンバサダーに就任致しました。
恐らくダンサーでは初?だと思います。自分みたいなダンサーを応援してくれる企業さんには頭が上がりません。
都市部のコンビニとかなら気軽に買えるスーパーフードです。
たんぱく質いっぱいで、BCONEに向けたこの一年、大変お世話になりました。(これは宣伝の為の嘘じゃなくマジです。笑)そんなに値段も高くもないし、自分的の生活スタイルにはかなり合ってたと思います。
いや〜ダンス頑張ってきて良かったな。
また頑張ろう!
余談2
あと、最近犬を飼いはじめました。
犬がいる生活は、幼少期からずっとそうでしたが、いずれ自分で家族を持ち、家を持ったらまたそうしたいと思っていました。自分の奥さんや子供達が犬と遊んでるのを見るだけでも、夢がかなって嬉しい気持ちになります。
思春期の頃、実家の愛犬に色んな事を相談したように、今回BCONEに出るにあって沢山心の支えになってくれてました。
外は少し暑いけど、庭で一緒に走り回るだけでも毎日が楽しくて、やっぱり犬っていいよね。
最高だよ、ほんと。
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