地方と都市の間で|#2 島根と都会、私はその「間」を生きたい。
前回からはじめた「地方と都市の間で」。大学時代に、地域活動や就職活動を経験して変化した私なりの考え方や、地元のとらえかたについて書いています。
2回目の今回は、なぜこの題名にしたのか、また、地域活動で何を感じてきたかを振り返ってみました。
影響を受けた一冊の本
「地方と都市の間で」というタイトルは、小松理虔さんが書かれた「新地方論」から影響を受け、参考にさせて頂いたものです。
就職活動をしていたころ、「都会で働くか、地方で働くか」と悩んでいた私は、たまたま書店で本を見つけ読んでみました。
「私が知りたかったのはこれだ!!」と衝撃を受けるくらい、本書との出会いは大きかったです(笑)。
本書では、地方と都市での暮らしを経験してきた著者が、「自分なりの地方論を見出そう。」という提示をしています。地方か都市かの二択ではなく、その間で生きる選択肢もあるという考えが、私にとって共感の連続だったんですよね。
本を読み終えてから次第に、「私も全国や海外を行き来して、その間をまたぐような働き方、暮らし方をしてみたい。」と思うようになりました。
「それって具体的にどうするの?」と思うかもしれませんが、私もまだ抽象的なイメージでいます。
ですが、自分にとって解決の糸口が少し見えた気がして、すごく心が高まりました。
きっかけになった長期インターン
3年生に上がる前の春休み、私は地元にあるコワーキングスペースで長期インターンをしていました。
当時の管理人さんのお手伝いをするとともに、「自分で企画を立てて実行する」ことも行いました。
その中で、利用者さんにインタビューをし、記事を書いたり実際の現場に連れて行かせて貰ったり、親子向けの料理教室イベントを開催したりしました。
どれも私にとってすごく貴重な体験で、色んな人と出会って沢山の刺激を受けた期間となりました。
出会った人の数だけ教えて貰ったことや、学んだことは沢山ありますが、その中でも特に私が重要だと思ったのは、次のことです。
こうしたことがきっかけで、「自分は傾聴するのが得意なんだ!」とか、自分に協力してくれる人が周りにはいるんだ、という実感を得ることが出来ました。
地元なのに”地元じゃない”感覚
そしてもう一つ大きかった収穫は、インターンを行ったことで、ある1つの感覚を得たことです。
それは、「地元なのに、地元じゃない」みたいな感覚。高校生までずっと住み続けていた場所なのに、大学を機に離れて再び戻ってきたら、「あれ?」ということが多かったんですよね。
例えば、思ったよりも人通りが減っていると思っていたけど、お祭りになると大勢の観光客が来てくれているなとか、なんでもない風景だと思っていた場所がノスタルジックで撮影とかに使えそう!と思えたり。
この、「あれ?」という違和感は何だろうとしばらく考えていたのですが、ある結論を出すことにしました。
というのも、私は大学に入学してから地元に中々帰られず、オンラインなどで地元の活動に参加していました。オンラインでも良さがあるけれど、やはり五感を使って現地で体験することは何にも代えがたいことだと思います。
また、大学の経験を通して、勉強をしたり自分から本を読んで調べるようになったことで、「地元でなぜこうした課題が生まれるのか」という原因や仕組みについて興味を持つようになりました。すると、同じと思っていた地元の風景や現状も、ちゃんと時間が経っていて、変化しているんだと自覚するようになりました。
そうしたことが重なり合って、「地元なのに地元じゃない」感覚は生まれたのだと思います。
その「間」を生きていこう
「地元なのに地元じゃない」感覚は、就職活動の際にも大きく自分を支えてくれた気持ちになりました。
島根にUターンするという選択肢をとるか、都心に出るか、「無数のパターンを考えて、人に話して、また振り返って…。」という作業を何度も繰り返してきましたが、最終的に決めたのは、「どちらにでも行ける、私になりたい。」ということ。
島根に軸を置き、自分の目標を叶えるために働きつつ、さらに可能性を広げるために外の世界を行き来する。それが出来ればとても理想だなと今は思っています。
「どちらか」ではなく、「どちらも、または、その間で」。こんな選択肢が次の世代の子達に提案できたなら、私は絶対に嬉しいと思う!(笑)
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
次回は数年ぶりに訪れた東京・下北沢で考えたことをつづっていけたらと思います。