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【展覧会レポ】ポール・ケアホルム展 @ パナソニック汐留美術館

パナソニック汐留美術館で開催している『ポール・ケアホルム展』に行ってきました。

※本展は撮影が禁止です。

◆公式サイト


ポール・ケアホルムという人

・約30年程しか活動していない
・デンマークの家具デザイナー
・手法:ミニマリズム
・石や金属などを取り入れた厳格なデザイン
・画家を目指していた
・木工家具工房に弟子入し、19歳でマイスターの資格を取得
・コペンハーゲンの美術工芸学校で工業デザインを学ぶ


ケアホルムは日本ではあまり有名ではないのですが、シンプルさと素材そのものの良さを追求した家具デザイナーです。日本では、1980年に織田憲嗣が椅子の研究を始め、その行き着く先にケアホルムのデザインを取り上げました。

北欧家具は普通、木調の温もりあるデザインが主流です。しかし、ケアホルムは、硬質素材を採用して、素材の率直をデザインに表したシンプルさの奥に、一人ひとりに向けられた根源的な価値を問いかける作品を創出しました。

まるで建築物のような構造美の椅子やテーブルなどの家具デザインをぜひ体感してみてください。


作品と向き合う展示室

今回、特に特徴的なのは、展示室です。展示室の構造が独特で入口と出口が同一なんです。メインとなる椅子やテーブルが陳列する展示室は、真っ暗の壁紙で覆われた部屋は、作品と本質的に向き合うことができる空間になっています。

出口に向かう際に再度この展示室を通りますが、2周目には、展示室の下の方に注目してみてください。1周目では気づかなかった、ケアホルムの言葉がプレートで展示されています。椅子に座り、視線を低くした視野を意識したのか、かなり低い場所にあります。

また、常設のルオーギャラリーではケアホルムの椅子に座って展示を堪能することができます。特に縄で背もたれ等が作られた椅子に座ってほしいです。思ったよりもしっかりしています!独特の形状の椅子に座るときの、あの「大丈夫か?」となるドキドキ感が個人的には好きです(笑)。


唯一無二の家具デザインを残したケアホルムの作品たち、現在では、各地の大学、図書館、そして美術館等に設置されています。その場所に根付いた家具デザインの数々をぜひ生で観てみてください。

本展覧会は9月16日まで、パナソニック汐留美術館で開催されています。


※執筆にあたり解説パネルやチラシ、公式サイトなどを引用、参照しています。

※記載の考察や感想は個人によるものです。あらかじめご容赦ください。

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