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【展覧会レポ】 空の発見 @ 松濤美術館

こんにちは!現在、渋谷にある松濤美術館で開催中の『空の発見』展に行ってきました。

◆公式サイト


日本では、西洋文化が取り入れられる明治時代の頃まで"空"が主役となる絵画作品が実はあまりありませんでした。それまでの日本における"空"のあり方と、西洋のそれを比較しながら、私たちの身近にある"空"という存在に関して作品を通じて再認識してみよう、という展覧会です。

見えているけど、見えていない、空。

その表現の変遷を通じて、映し込まれる意識の変化を見ていきましょう。


※撮影はすべて著者によるものです。
※会場内は撮影禁止でした。

まずは日本における"空"がどんな風に明治以前の作品に反映されているのかを見ていきます。そして、西洋絵画における"空"の描き方と比較しながら、日本にどうやって"空"が受け入れられたのか探求していきます。

個人的に面白く感じたのは、浮世絵での"空"の描き方でした。"一文字(いちもんじ)ぼかし"という方法で江戸時代に空は描かれていました。グラデーションのかかったような太い一本線で空を描いていたんですね。これを青に刷れば日中、黒に刷れば夜、オレンジっぽく刷れば夕焼け、と使い分けられる仕組みだったようです。めちゃくちゃ機能的ですよね!以下がわかりやすかったのでご参照ください。

◆参照リンク

西洋文化が日本に根づくと、それまで余白として活用された"空"は、画面の半分を収める主役になっていきます。

西洋のそれと比較しながら、その変遷を体感してみてください。


リアルに"空"を描くことから、次第にその解釈や捉え方は拡大していきます。

信仰や神聖さとしての"空"や、宇宙を見通す見えない世界への憧れ、そして震災や戦争のカタストロフィーなどなど。

そして、"空"には何があるんだろう。見えているのに、見えていない存在。そんな捉え方で"空"はいわゆる現代アートのテーマになっていったんですね。

これまで観てきた風景画や浮世絵の見方が変わってきましたし、今後もより着目できる視点が身についたように感じます!皆さんは、その"空"に何を想い、何が見えますか??

展覧会は11月10日まで渋谷の松濤美術館で開催中です。


※執筆にあたり解説パネルやチラシ、公式サイトなどを引用、参照しています。

※記載の考察や感想は個人によるものです。あらかじめご容赦ください。

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