【展覧会レポ】マティス 自由なフォルム @ 国立新美術館
みなさん、こんにちは。
現在、国立新美術館で開催中の『マティス 自由なフォルム』展に行ってきました!
◆公式サイト
早速レポしていきたいと思います。
※撮影はすべて著者によるものです。
※一部消しゴムマジック等の加工をしています。
※撮影可能な場所のみの撮影です。
マティスの後半生
以前に東京都美術館で開催された『マティス展』。本展はその内容を個人的に補填してくれるものとなりました。
本特別展は、マティスの後半生に焦点をあて、中でも切り紙絵の作品を中心に構成されています。日本では初めての試みなんだとか。
「デッサンと色彩の永遠の葛藤」を解決し、新たな芸術表現を切り拓いたマティスの作品たちを観ることができます。
とは言え、冒頭にはしっかりとマティスがマティスになるまでの道のりが展示されています。彼が絵を描き始めたきっかけが、幼少期に療養中、母親から絵の具箱を贈られたことだったとは知りませんでした。
マティスと言えば【フォーヴィスム】なイメージですが、その過程では様々な作風に挑戦していたことが本展を通じて実感できると思います。
モローの元で教育を受け、アカデミックなタッチから始まった画業。やがて印象派に影響を受け、光の表現に没頭します。セザンヌの手法に感化され、そしてフォーヴィスムの開祖へと至ったのです。夜学で彫刻も学んでいたというので本当に熱心ですよね。
アトリエ
そんな彼の作品が生まれる場所、アトリエ。マティスにとって、アトリエは絵画の創造の場であり、中心的な主題の一つでもあったようです。実は、彼の画業が節目を迎える(作風が変わる)ごとにアトリエが変わるんです。アトリエ自体が彼の想像力を目覚めさせる精神的空間だったのでしょう。
マティスが使った絵の具箱やパレットの展示もあるのでお見逃しなく!また、その時々のマティスの写真が飾られているのも、当時の雰囲気を彷彿させてくれて良かったです。
切り紙絵
晩年、フランスのニースをアトリエにしていたマティス。リディア・デレクトルスカヤという女性を助手兼モデルにしていました。作品を観ると、彼女は青い珊瑚礁柄の服を着ていたようです。
そうした中で、アルバム『ジャズ』の制作で切り紙絵の手法に出会います。解説の中で、彼は作品の中心と周縁という区別、図と地は相互に入れ代わり、自由なフォルムとしてデッサンと色彩の永遠の葛藤を解決した、と語られていて、往年の絵画に対する葛藤を克服したのが切り紙絵だったことがわかります。
切り紙絵シリーズ『ブルーヌード』に着手したマティス。写真を観ると、切り絵はアトリエなどよ壁に貼られていたらしく、ウォールステッカーのような役割を果たしていたのでしょうか。額縁に入っているそれとは、またイメージが変わってきますね。
この作品を観て、私が想起したのは、青い服を着ていた助手兼モデルだったリディアでした。このシリーズのモデルも彼女だったのでしょうか。
その他にも圧巻の花束シリーズなど、多くの切り紙絵作品が展示されていますのでお気入りの作品を探してみてください。
ヴァンスのロザリオ礼拝堂
東京都美術館の時にも触れられていた、マティス晩年の一大プロジェクトがこの礼拝堂建設。本展ではその内容について、さらに踏み込んだ展示がされていました。その様子をいくつかご紹介します。
そして、クライマックスには、礼拝堂の 完全再現がされています。内部空間の再現は見事で、時間の移ろいと共に変化するステンドグラスの光の演出も感じることができます。
いかがでしたでしょうか。マティスのことを知っていても、そうでなくても、彼の創造に触れられる特別展となっていますので、ぜひ足を運んでみてください。
展覧会は、5月27日まで国立新美術館で開催中です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※執筆にあたり、チラシや解説パネルなどを参照しています。
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