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【展覧会レポ】憧憬の地ブルターニュ @ 国立西洋美術館
みなさん、こんばんは。whipです。
国立西洋美術館で開催中の『ブルターニュ展』に行ってきましたのでレポをしていきたいと思います!
◆公式サイト
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ブルターニュ地方とは
皆さんはブルターニュ地方と聞いてピンときますか??フランス最北西端に位置する場所で、豊かな自然に溢れ、海岸や断崖、古くから残る宗教的遺構などひとつのエリアとは思えないくらい多岐にわたるロケーションを持っているようです。行ってみたい、、、。
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フランスに統合される前は、独立国だったとのこと!最果ての地:フィニステールという名がつけられていたんだとか。
この展覧会では、19世紀後半〜20世紀はじめに画家たちに魅了されたブルターニュ地方に焦点をあて、様々な画家の作品とともにこの地の魅力を体験できる内容になっています。さぁ、ブルターニュ地方への冒険に出発しましょう!
ポンタヴェン派とナビ派
イギリスでピクチャレスクツアーとして、絵になる景観が求められた19世紀後半、ブルターニュ地方は画家たちに魅力的なエリアとなりました。ブーダンやモネ、シニャック等がこの地の作品を多く残しています。彼らの作品を堪能しながら、次に登場するのがゴーガンです。
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ゴーガンのイメージといえば、タヒチ、ゴッホ、、、そんなところでしょうか。彼はタヒチに旅立つ前、パリからこの地へ移り、綜合主義を完成させたようです。
綜合主義とは、単純化したフォルムや色彩こそ現実の外観と内包的イメージを画面上に表現できる、としたもので、要するに【細かく描かない方がそのままの見た目とイメージを融合できる】と言いたかったのかなと思います(多分)。これが後に【クロワゾニスム】に繋がっていくんですね。
今回の展覧会では、ゴーガンの筆触分割から様式の変化を見ることができました。細かく印象派的だった作風が次第に、"ゴーガン"となっていく様子をお楽しみください。
そして、ゴーガンを筆頭にベルナール等と共に【ポンタ=ヴェン派】を結成し、太い輪郭で平らな表現を特徴とするクロワゾニスムが誕生します。綜合主義を具現化する技法として作品が展開されていきます。
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やがて、ポンタ=ヴェン派だったセリュジェが、ゴーガンの教えをパリに伝え【ナビ派】を結成します。
正直、ポンタヴェンとナビがいつも混同していたので、今回の展覧会でパズルのピースが埋まったようでめちゃくちゃ爽快になれました(笑)!
クロワゾニスムの作風が結構好きなのと、セリュジェの神秘主義的な作品もとても魅力的なのでぜひ注目してみてください。
観光地としてのブルターニュ
やがて鉄道が発達し、ブルターニュは観光地、別荘地としてさらに注目されていきます。
モーリス・ドニなどの作品や、【バンドノワール】というレアリスム的なポスト印象派の作品群と共に、ブルターニュ地方での独特な風習や民俗性を体感してみてください。
そして、日本からも黒田清輝や藤田嗣治などの画家がこの地を訪れていたことも終盤の展示でわかります。日本人画家達の当時の憧憬でもあったなんて凄すぎるな、ブルターニュ!
撮影可能なエリアも多く、作品数も多いのでたっぷりブルターニュ地方疑似体験を満喫できると思います!ぜひ、今度の週末は西洋美術館でブルターニュ地方への冒険に旅立ってみてはいかがでしょうか。
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展覧会は6月11日まで開催中です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※執筆にあたり、チラシや公式サイト、解説パネルを参照しています。