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ーDANGEROUSー

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ライトノベル的な小説
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血桜姫の想い②

(寒さなど感じないはずなのに…)

嗚呼勢いよく飛び立っただけなのに、空がいつもより暗い。
身体の芯が温まる事ができていないせいか、着物をきていてもすっと風は入っていく。

(羽織る物を装っていけばよかったかもしれぬ、すでに遅いが仕方ない。)

むしろあのままでは我の方が気がおかしくなるのだからその場にいては…悲劇的な展開が起こるのは避けたい。

我は家臣まで手を出すつもりなど毛頭ないのだ

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血桜姫の想い

ーーーーードサッ…

…不味い、血がこんなにも不味い物だとは思わなかった。

生きていくためだとはいえ、美味しくもないこの味に嫌気がさす。嗚呼、口の中が苦い、口の中に広がる人の血が不味くて堪らない。何度も何度も味わう人の味、肉の感触、匂いがこんなにもまとわりつくとは思わなかった。

(虫酸が走る、こんなにも苛つくのは何故だ)

自分の足元には無数の亡骸が、一、二、三…と数え仕切れないぐらい

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