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【創作リンク】Lifriend【カクヨム】

 まだ18禁を書くことに抵抗があった頃の。吸血シーンはつまり比喩。
2017年の1月に過集中を起こして短期間で仕上げた覚え。見返すのがちょっとはずかちい。
 読みは「Lifriendライフレンド」。

あらすじ

自称「死神」の男と契約し、見ず知らずの瀕死の青年を助けるために寿命を半分にされた、ある悲しみを拭えない女の話。
全13章
 吸血/悲恋/年下男/人外/現代ファンタジー/

***
 目の前にモンシロチョウがいる。羽ばたいている。跳ねている。胴の部分が本来の姿の半分になって。まだ空を舞おうとしているのか。すでに羽根も傷付いている。もう諦めていいよ、もう無理しないでいいよ。踏み潰そうとした直前で躊躇する。まだ生きようとしている。


 目の前に男がいる。崩れてきた建物の一部を背に。呼吸している。血の湖の中で泳いでいるみたいに。頭の中は真っ白で、口の中はカラカラだ。脚が震えて気を抜けば立っていられなくなりそうで。何故とか、どうしてとか、疑問が浮かぶのはまだ余裕のあるうちだ。目の前に広がる事実、それをひとつずつ確認することしか出来ずにいる。苦しいよね、痛いよね、もう無理しなくていいよ。現実を受け止めきれない逃避と自己完結に吐き気がした。

「生かしてやる。ついでになかったことにしてやる」

 幻聴と幻覚だ。宙に浮かんだ男。見ず知らずの男。無意識にどこかで見た顔が脳内で処理されているのだろうか。それとも気が狂ったか。

「選べよ。支払うのはお前だ」

 周囲の人間がいつの間にかいなくなっている。空間が、止まっている。

「支払うって何を」

 無意識に訊ねていた。借金地獄にでもなるのか。けれどもう、自分には関係ない。そんなつもりでいた。

「選べ」

 高圧的な態度に求めているものは与えられないのを察した。好きにしたら、いいのではないか。

「契約成立だ」

 男が厭らしい笑みを浮かべた。


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