#105 何を読み解くか【書評】MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣
◾️はじめに
第4週はビジネススキル。決算を読む習慣です。
作者はシバタナオキさん。noteでもお馴染み。
◾️要約
決算には企業の成果が現れており、決算説明資料には組織としての意図が表現されている。
ビジネスモデルに応じたキーポイントを抑えて比較することで評価が可能となる。
世の中がどう変わっていくのか、どう変えようとしているか。それを把握することはビジネスパーソンとして必要なスキルである。
◾️感想
業界の戦略は年々変わる。
2016−2017当時でも目まぐるしく変わっており、現在ではさらに混沌としている。
新しい概念、エコシステム、急成長企業により業界構図が変わっている。
ECであれば、というかECはリアルと統合されOMO、アフターデジタル、UXとなっており、流通、物販含め激化の一途。
個人課金は当たり前、サブスク、オンラインサロンも。
本当にダイナミック。
その中でただ事象に流されるのではなく、線で、ストーリーを炙り出して流れを把握できるかどうか。
それが問われているんだろうと思う。
◾️要約(詳細)
◆第1章 決算が読めるようになると何が変わるのか?
決算内容から企業の勝ち筋・戦略をみえるようになることはビジネスパーソンとしての力を上げることになり、自己実現に近づける。
◆第2章 ECビジネスの決算を読むコツ
ECビジネスは取扱高をどれだけ売上にできるかのテイクレートが大切。
Yahooショッピングは出店料と売上手数料を無料にして店舗による広告出稿料だけで稼ぐ戦略を出した。
これは検索事業を持つヤフーならではの取り組み。
取扱高=購買頻度 * 購買単価なので頻度の多い日用品もECで買うことを狙っている。
AmazonはもはやEC事業よりAWSの会社。
フリーキャッシュフローを最大化し、巨額の投資を行い、テクノロジーカンパニーとして最先端をいっている。
◆第3章 Fintechビジネスの決算
金融系はストックかフローで注目すべきポイントが変わる。
フローつまり、取扱高が必要な決済系は個人間送金でレンディングリスクを見極めることでストックビジネス 貸付系に持っていく。
クレジットカードビジネスのためには預金が必要であり、銀行業をHDに含めて多角化するやり方もある。
◆第4章 広告ビジネスの決算
コンテンツを能動的に閲覧しているアクティブユーザー数がポイント。
テレビもSNSも同じでユーザ数とARPUで評価する。
LINEはタイムライン型の広告、パフォーマンス広告が(当時)今後の成長の鍵。
動画配信が次の広告の勝負の舞台。
◆第5章 個人課金ビジネスの決算
売上は広告のほか、課金の売り上げもある。
ユーザーあたりの売上ARPUについても広告と課金に分けられる。
Netflixはキャッシュフローがマイナスになってでも投資を進めている。
広告型より有料課金型の方が上回る。
クックパッド、食べログはそれらを統合した成長戦略をとっており、それぞれ海外事業やレストラン予約といった点を伸ばしていこうとしている。
◆第6章 携帯キャリアの決算
キャリアでは音声+データ+サービスの合計がユーザーあたりの売上となる。
それぞれ「エンタメのドコモ」「金融のKDDI」「Yahoo任せのソフトバンク」という差別化戦略を取っている。
規制産業だがユーザあたりの売り上げは大きい。
MVMOを傘下に収めユーザーが他社に流れるのを防ぐ。
MVMOは売上だけでなく原価を見極めていく必要がある。
海外ではT-mobileがUN-Carrier戦略を打ち出し成功している。
◆第7章 企業買収M&Aと決算
売上マルチプル(買収金額が売上の何倍か)、営業利益マルチプル(買収金額が営業利益の何倍か)。
買収金額と買収対象の純資産の差ののれん代を見ることがポイント。
IFRSでは暖簾代を減価償却する必要がない一方、価値評価をし直す必要があり、巨額の損失になる可能性もある(減損リスク)。
実際の買収では刻一刻と状況が変わる。
それが公開されている。
大手とベンチャーで買収時の戦略は異なる。
◾️アクション
毎日何かの決算を読もう。
◾️読みやすさ
★★
◾️ハッシュタグ
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