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予定通り進まないプロジェクトの進め方

みなさま、おはようございます 渡辺です。
週末は、比較的過ごしやすい日でしたが、今日は雨降りですね。
さて今週は、「予定通り進まないプロジェクトの進め方」- 前田考歩・後藤洋平 を紹介します。

この本のメインは、「プ譜」と呼ばれるプロジェクトの状況を可視化するツールを用いたプロジェクトマネジメントの本なのですが、これはテキストで紹介し辛いので、その手前の部分、プロジェクトへの向き合い方を中心にご紹介します。


プロジェクトとは

そもそもですが、プロジェクトとはなんでしょうか?会社でも「〇〇プロジェクト」だったり、「ここは、組織変更でなく先ずはプロジェクトで・・」なんて言い方をしたりもしますね。PMI(プロジェクトマネジメント協会)が制定しているPMBOK(Project Management Body Of Knowledge)によると、以下のように書かれています。

プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務である

「独自の」「所産を創造」「有期性」あたりが重要で、まだやったことが無い新しいことを、期限を決めてやる。ということになります。

そういう意味ですと、ビジネス同様プライベートにおいてもプロジェクトは存在します。例えばで言うと、結婚する、家を買う、車を買う、旅行へ行く・・・などもプロジェクトの一つではないかと思われます。

そして、新しいことをやるが上に、ノウハウや知識が不足しているが、それを決められたリソース(人、期限、お金)内で実現するというものがプロジェクトである。ということになりますね。それゆえに、事前に計画は立てつつも計画通りに進むことなど、大抵なく、「順調に遅れている」中で、取捨選択を行いつつ、軌道修正をしながら、なんとか形にしていくものとも言えますね。

というわけで、今週はプロジェクトについて考えていきます。明日はプロジェクトのコミュニケーションロスについて考えます。
それでは、今週もよろしくお願いいたします!

プロジェクトのコミュニケーションロス

みなさま、おはようございます 渡辺です。
今週は、プロジェクトについて考えています。2日目の今日は、コミュニケーションロスについて考えます。プロジェクトが計画通りに進まない要因を本に書かれている「リンゴが欲しいから買ってきて」の例を元に考えてみます。

相手との関係が親密なものであれば、「了解!」とスーパーに行ったついでに、適当なりんごを買ってくれば良いかと思います。しかしながら、難しいのは依頼側と受ける側の考えが一致しない場合だったり、一致しているつもりで暫く進んだ結果、「え?違うの!」ってなるようなことが発生するのがプロジェクトです。

赤いリンゴかと思いきや青りんごだったり、1個で良いかとおもいきや4個パックだったり、どこ産でも良いかと思いきや青森県産に強いこだわりがあったり、、、そのままむいて食べるのかと思いきや、アップルパイを作りたいのか、カレーの隠し味にしたいのか?などです。

はたまた、たまたまなんとなく、リンゴといっただけで、そもそもに立ち戻ると、お腹を観たいしたいのか?ビタミン補給をしたいのか?デッサンをしたかったのか?を明確にしていくことで、「リンゴ」以外の提案も可能になってきますね。

とはいえ、受ける側が「今の時期は生で食べるよりも煮た方がおいしい」と考え提案することは自由ですが、依頼側に了解を得ることもなく、勝手にアップルパイを出したら、びっくりしてしまいますね。一方で依頼する側も大した知識もないなかで、リンゴの袋掛けはいついつまでにしたものをといったピンポイントの指定をするのもやりすぎですね。

というわけで、認識の食い違いや手戻りにつながらないためにもいくつか整理するポイントについて明日は触れていきます。
それでは、本日もよろしくお願いいたします!

プロジェクトにおける各レイヤーの言葉の整理

みなさま、おはようございます 渡辺です。
今週は、プロジェクトについて考えています。3日目の今日は、プロジェクトにおける各レイヤーの言葉の整理をあらためて行っていきます。

要望・・・プロジェクトを開始する根本となる動機

どんなプロジェクトも要望ありきですが、この要望が往々にて、「リンゴを食べて、お腹を満たしたい」など、手段とセットで語られることが多いです。手段と目的という話をよくされると思いますが、「Aを通じて、Bしたい」という要望において、重要なのは、「Aを通じて」ではなく、「Bしたい」の方です。何か問題が起きた場合には、なりたい結果に立ち戻ることが大切です。

要求・・・要望をもとにして、正式に依頼する側とされる側の間で明示される情報

「言わなくてもわかるだろう」と熟年夫婦のようなスタンスは要注意です。当たり前を相手に求めず、丁寧に「要求」として定義することが必要です。

要件・・・要求をかなえるために、製造・実現する内容を明確にする

「何が欲しいか」と「どう作るか」の境界線です。アップルパイにするのか、リンゴを生のまま提供するのかですね。ここでの解像度が低いと着手した後の手戻りの影響範囲が大きくなります。(せっかくパイ生地を作ったのに、使わなくなったりとか、、)

仕様・・・製造するものに要求する計上、構造、寸法、精度、性能、製造、試験方法等の規定

生のままでとなったとし、皮はむくのか、よく洗ったら切らずに提供すればよいかなど、大分詳細なところまで内容が詰まってきました。

設計・・・仕上がりの形や構造を図面などによって具体的に表現する

要件は曖昧な割には、やけに詳細に詳しく設計に口を出したいという依頼主もいるかと思います。「リンゴの皮はうさぎの形にむいて」みたいなリクエストがあるかと思いますが、アップルパイを作るのに、その工程をはさむのは、無駄な工数が発生するということを吟味しなくてははなりません。その為にも、「何が要件だったか」を考え直すことで回避できるとよいですね。

それでは、本日もよろしくお願いいたします!

プロジェクト工学

みなさま、おはようございます 渡辺です。
今週は、プロジェクトについて考えています。残りの2日は、プロジェクト工学を紹介します。

このプロジェクト工学という言葉を初めて聞いたかたも多いかと思います。僕も初めて目にしました。うまくいかないプロジェクトというものを如何にして前に進むようになるのか?という問いに対する一つのアンサーとのことです。

第一法則「やったことのない仕事の勝利条件は、事前に決められない」

はじめて部屋を借りるという経験をするときには、判断が中々難しいかと思います。家賃が適当、広い方が良いとか、収納が多いと便利とか親のアドバイスを元に限られた候補からなんとなく一つに絞りこんだことでしょう。しかしながら、住んでいく中で交通の便がもう少し良い方が良かったなとか、西日がきついなとか。友人の家に遊びに行ったりすることで、自分なりの「基準」というものが出来てきたかと思います。しかし、プロジェクトとは、初めて部屋を借りるにあたってのいきなり「基準」を明確化するようなものです。

これをプロジェクト工学では、最終的な目標を「獲得目標」、成功判断の基準を「勝利条件」と呼びます。先の例でいえば、獲得目標は「部屋を借りる」ことなので明確ですが、勝利条件は事前に定義できなかったり、状況に応じ変化したりします。そこが、プロジェクトの最大の難関ですね。

第二法則「こうあれかしと考えて立案した施策が想定を超えた結果をもたらす」

引き続き、部屋の話で考えてみましょう。何件か物件を見た結果、結構気に入った物件は見つかったが、決定打にかける気がして、他の物件もいくつか見ることに。数件回ってみたけれども、やはり前の候補が一番だなと思って、戻ってみると、一足先に他の人に契約されてしまった、こんな具合です。人は、発生している課題への対処は行うものですが、それがもたらす意図せざる結果については、どうしても検討が甘くなります。とはいえ、なんでもかんでも熟考に熟考を重ねていてはちっとも話は進まないので、ここだというポイントをズラさないことが重要ですね。

また「想定を超えた結果」は、ネガティブなものばかりではないですね。物件を幾つか見て回った結果、ちょっと疲れたので、頭の整理に喫茶店にでも入ろうと喫茶店を探していたら、喫茶店の横に、不動産やがあり、そこで店先に掲出されていた物件に一目ぼれしてしまうなんてことも無きにしもあらずですね。

明日は、第三法則について紹介します。
それでは、本日もよろしくお願いいたします!
今週は、プロジェクトについて考えています。最終日の今日は、プロジェクト工学における第三法則を紹介します。

第三法則「プロジェクトの過程における諸施策の結果もたらされる状況は、即座に次の局面における制約条件となり、ときにプロジェクトの勝利条件そのものの変更すらも要求する」

塞翁が馬という言葉あります。知らない人の為に簡単に説明すると、「おじいさん(塞翁)が飼ってた馬が逃げちゃったけど、暫くして他の馬を連れて帰ってきた。その馬に孫が乗って、落馬して足を折ってしまったけど、おかげで兵役を逃れ死なずに済んだ。」といったものです。良いこともあれば、悪いこともあるし、その局面では判断し辛いという意味ですね。

そして、プロジェクトの個別の局面は以下の4つの要素で構成されています。

1.その時点で設定している獲得目標と勝利条件
2.制約条件
3.現状ターゲットにしている課題
4.課題に対する解決施策

ここで、ポイントとなるのは、4の解決施策を実施し、それが招いた結果が次なる局面の制約条件としてビルトインされてしまうということです。

昨日の部屋探しの例で行くと、「物件は見つかったが、決定打にかける気がする」→「他の物件もいくつか見る」→「そうしてる間に他の人に契約される」→「第一候補が無い中で、残り時間も少なくなった」という具合です。

ここでの解としては、今まで見た候補の中で折り合いをつけるか、日を改める(時間を延ばす)かとなりますが、高度な判断が求められますね。

以上、今週はプロジェクトについて考えてきました。思い通りにいかないプロジェクトをいかにして前に進めるか?ということが大切なことだったかと思います。本にはこのように書かれています。

当初考えていた目的地にたどり着かないことが問題なのではありません。出発したことによって、その目的地が果たして適切だったのかを知る。そのほうが大事です。それを考えるにあたっては、何が得られ何が得られなかったのか、当初の目的をひとつ上の次元に読み替えることが有効です。

そのうえで、本来実現したかったことに立ち帰り勝利条件を更新する。そこでの問いは

「何をどのように考えれば、
 プロジェクトの局面を好転させる知恵が生み出せるのか?」

です。そこで、「プ譜」と呼ばれる著者が提唱するプロジェクト管理ツールの説明へとつながっていきますので、興味を持った方はぜひ読んでみてください!それでは、今週も最終日。本日もよろしくお願いいたします!
(2024.06.10-06.14)

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