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外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

おはようございます。渡辺です。
今週は、先日読んだ「外資系コンサルが教える プロジェクトマネジメント」-山口周 を紹介します。

著者は、言わずと知れた独立研究家、著作家、パブリックスピーカーの山口周さんです。この本では、今後あらゆる仕事が「プロジェクトマネジメント型」に変わっていく中で、どのようにふるまっていくべきか?山口周さんのいうところの、「すべし」と「すべからず」について書かれた本になります。


メンバーの力量をスキャンする

「ほとんど人となりを知らない」メンバー構成において、どのようにメンバーの力量や特性をスキャンすればよいのか?ということについて書かれています。具体的には、以下の2つとなります。

担当直入にインタビューする

会議室にはいり、「好き・嫌い」「得意・不得意」のマトリックスを作成し、これまでの仕事経験を振り返って、具体的にどんな仕事をやってきたか、担当したタスクは何だったかを棚卸してもらうということです。

ここで重要なのは、出来上がったマトリクス自体というよりも、それを語る表情や声色ということです。そんな様子から、その人の「仕事への向き合い方」や「姿勢」について感覚的な理解を深めるということです。

注意点としては、事前に任せたい仕事についてのイメージを持っておくことで、具体的なタスクについての出来そうか、難しそうかについて相手に尋ねてみるということです。

試験的なタスクを任せる

もう一つは、初期段階において2,3日で出来そうで、プロジェクトに決定的な影響が出ないタスクを任せてみるということです。取り合えず打席に立たせてみせて、アウトプットが「まあ許せるか」という範囲であれば、引き続きそのタスクを担当してもらうということです。

プロジェクト序盤に注意すべきこと

さて、続きましてプロジェクト序盤での注意点です。

期待値を超え「貯金」をつくる

初期段階での進捗が重要ということになります。初期段階での進捗が芳しくないと、「このプロジェクトは危ない」と思われてしまい、マイクロマネージされてしまいます。そうなってくると、途端にプロジェクトが「つまらなく」「辛い」ものになってしまうもの、そのためにも最初期段階で期待を超えるというのが、重要なファクターとなります。

ことあるほとに「目的」に立ち返らせる

判断に迷うとき、判断に必要な優先順位や立脚点がぐらついてしまうときこそ、「目的」に立ち返ることが重要です。しかしながら、重要なのは答えを教えるのではなく、質問を通じて、「自分で答えに至る」感覚です。

複数プロジェクトオーナーと個別に会わない

これは、序盤に限らず大事な事でもありますし、こっちがその気でなくても、呼び出されて「渡辺くん、例の件なんだけどね・・・」となることも多分にあります。そんな時も、簡単に「承知いたしました!」などとは云わずに、話を聞くだけに留め、プロジェクトオーナーが一堂に会する場を設定し、その中で優先順位を明確にするような合意形成を図っていくようにしましょう。

プロジェクトをうまく「着地」させる

プロジェクトオーナーの仕事はなんなのか?と考えたときに、一言で言い表すとすると、以下の通りとなります。

それは、資源配分である

P155

リソースの適切な配分に留意する

本人は、至って真面目で真剣に仕事に取り組んでいるのは、確かなのですが、筋が悪いアクションをしてしまっている。ということは往々にして存在します。やり過ぎだったり、やり方が古かったり、、、そういうものが積み重なるとメンバーの貴重なリソースが失われてしまうので、方向性を提示してあげることも必要になります。但し、やり過ぎてしまうとマイクロマネジメントになってしまうので、要注意です。

キーマンの時間は最初の段階で押さえておく

キーマンもプロジェクトにおける貴重なリソースです。そして、こういう人はとても忙しい。そのため、直前になって時間を確保してもらうというのは、至難の業です。プロジェクト開始の段階で、定期的なMTGを確保させてもらうことです。意外と、これを甘く見ている人が多いです。例えば、30分なり、1時間確保させて頂いた中で、その時点での結論、分かった事を共有したり、判断を仰いだりする。最悪何もなければ、キャンセルしても大きな問題になることもないでしょう。

「魔の十一分」を意識する

航空事故の多くは、離陸後の三分と着陸前の八分の合計十一分のあいだに集中している

P164

プロジェクトマネジメントにおいても、離陸時=プロジェクト開始 と 着陸時=クロージング時 が最も難しいといえます。なので、プロジェクト中盤では、各メンバーそれぞれに自由に動いてもらいながらも、このタイミングでは、メンバーからコントロールを奪い、しっかり自分がコントロールすることが重要となります。

計画を成功に導くリーダーシップ

さて、最終章はリーダーシップについてです。

いつも上機嫌でいる

もしぼくが、たまたま道徳論を書かねばならなくなったとしたら、ぼくが書くべき第一のものは「上機嫌」についてであろう
ーアラン 「幸福論」

P190

僕的にも話しかけやすいというのは、比較的気にしていることです。自分自身かつての上司を思い出しながら、話しかけようにも、機嫌を伺ったり、あまりにも忙しすぎるとタイミングを失ってしまうことも多々あったからです。良いことも悪いことも適切なタイミングで相談を受けることができるようにするためにも、常に話しかけ易いように上機嫌でいるというのは大切なことですね。

リーダーの仕事は「目的」を決めること

「率先垂範」というのは、僕が大切にしていることのひとつではあるのですが、多くの研究によると、以下の通りだそうです。

「率先垂範」によって、組織は活性化するどころか、むしろ停滞する

P207

リーダーの仕事は、必ずしも先頭に立って物事を成し遂げることではなく、言葉によって、ゴールを示すということです。なぜやるのか?という目的を明確にするということが重要になってきます。一方で、手段まで決めてしまうと、メンバーモチベーションが下がってしまうので、要注意です。

「犯人捜し」より「原因探し」を

これは、キングコングの西野さんも言っているのですが、ミスが起きるというのは、ミスを起こした人に問題があるのではなく、ミスが起こるシステムに問題があるということです。ここでいう「システム」とは、必ずしも機械的なプログラム的なものに限らず、組織体制だったりを含めた「システム」ということです。なので、誰がミスを発生させたか?を捜すよりも、何故ミスが起こってしまったか?を探す方が建設的な議論が出来ますね。

というわけで、今週はプロジェクトマネジメントについて考えてきました。皆様の何かしらのお役に立てば幸いです。

それでは、今週末は3連休ですね。よい週末をお過ごしください。
(2024.10.11)

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