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私労働小説 ザ・シット・ジョブ_20240323

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者であるブレイディみかこ氏の自伝的小説を読了。

タイトルの「シット・ジョブ」はキツイ労働なのに報われないクソのような仕事という意味で、イギリスの労働者階級の人々の常套句だそうです。

人類学者デヴィッド・グレイバーがその著者で、「ブルシット・ジョブ」としてあってもなくてもどうでもいい不必要な仕事のことをクソどうでもいい仕事と定義しましたが、それとは真逆の必要不可欠な仕事なのに低賃金だったり、ある意味リスペクトされなかったりする仕事であり、英国で様々なシット・ジョブに従事したり、従事している人々と関わったりした経験をベースにしたフィクションでした。

短編集で、どれもが終わりがハッピーではない感じですが、特に第四章で保育園の実習生の子が階級差別に晒されるシチュエーションがあるのですが、義憤に駆られながらも何にもしない著者の歯切れの悪さには、なんか労働者階級の代弁者みたいなアピールしてる割にはただの傍観者に過ぎないんだなぁと辟易とされました。

現実を知るという意味ではノンフィクションとして読めますが、それ以上の学びはあまりないかもです。

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