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フェイク・マッスル_20241104

こちらも新聞の書評欄に掲載されていた作品で、筋トレ好きが思わず手に取ってしまいそうなタイトルに惹かれて図書館で借りてみました。(別に筋トレ好きではありませんが・・・)

第70回江戸川乱歩賞を受賞したという本作、人気アイドルが突然筋トレ初めて3ヶ月で大会入賞を果たしたことに端を発し、SNSでドーピング疑惑を指摘され炎上、当の本人は否定しつつ六本木に自らプロデュースするジムを立ち上げる。そこに潜入取材を命じられた新人記者がその秘密を暴いていく中で・・・というお話。

伏線を随所にちりばめつつ、「おっ、そう来たか!」という結末にいたる展開はミステリーの王道な気がしますが、主人公の新人記者の筋トレを通じた成長物語として応援しながら読めて面白かったです。

元ハードヒット系スポーツ選手だった人間としては、彼がぶつかる筋トレの壁に同感しつつ、あくまでトレーニングは競技のための手段だった人間ですので、日々筋トレに勤しむ方々のマインドセットはそういうところにあるんだなぁと納得しました。

ちなみに、こんな筋トレ小説(失礼!)どんなマッチョが書いとんねん!と思って作者のことをググったら、めっちゃ普通の肉体の人、というか東大の工学系で大学院でてて、起業したり、企業に勤めながら脱社畜ブログ書いたりして、実用書数冊出してる変わった人でした。

文中に出てきた「マッスルメモリー」、確かに筋トレのコツ的なものは脳に刷り込まれているから思い出しやすいでしょうから、そろそろメモリーが消える前にちゃんとトレーニング再開しようかしら・・・

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