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「鉄」を知るシリーズ②-鉄/2-

第二回目は前回の続き、「鉄」について語っていこうと思います。
前回は「鉄」の言語的意味と歴史的な流れを書いた上に予告として製造方法をまとめると宣言していたけど、今回は「鉄」という物質についてまとめていきます。何故なら「鉄」を製造すると「鉄」ではなくなってしまうからです。詳しくは次の段落をどうぞ。

早速ですが、一般的に「鉄」と言う時、多くは「はがね」を示すそうです。「鋼」とは「鉄」に含まれる炭素量の割合によって区別され、主に工業加工用としての物質として流通していますね。特徴はずばり伸縮性と強靭な性質です。この特徴的な性質のおかげで、「鋼」は様々な物に変化することができるんですねぇ。車や建築資材と言った大きなものからスチール缶やネジと言った小さなものまで、変幻自在に加工されています。つまりですね、「鉄」を製造するために炭素とかをいれてしまうと「鋼」という物質に変化してしまうので、製造については次回に、多分やります。

さてさて、「鋼」のお話はこれぐらいにして「鉄」のお話に移りましょうか。「鉄」とは金属元素のひとつで、原子記号Fe、原子番号26で表現されることもあります。主に地中や鉄鉱石(磁鉄鉱・赤鉄鉱・褐鉄鉱・菱鉄鉱)とよばれる岩石、また食物や人体にも「鉄」が含まれています。本当にいろんなところに鉄はいますね。

化学的特徴の一つとして、酸素に対する化合力は大きいことがあげられます。湿気(H2O)があるだけで錆が生じてしまうのはこのためですね。ちなみに鉄を取り扱う企業の大半はこの錆との闘いと言っても過言ではないと私は信じています。基本的には酸素がなければ錆びることはないのですが、その状態というと純水や蒸留水の中か真空の中ともいえるので、実用には難しそうですね。「鉄」を扱うには錆と共に共存するしかなさそうです。

人体に含まれる「鉄」はというと、こちらは血中のヘモグロビン内に体内の二分の一から三分の二を、0.5~1.0グラムは貯蔵鐵として肝臓、脾臓、骨髄に存在し、残りは血漿鉄けっしょうてつとなって体内を循環するものと酸素成分として全身に存在するものがあるようです。食べ物からの鉄は十二指腸と小腸上部で吸収が行われるようです。食べ物に含まれる鉄には二価鉄(Fe2⁺)と三価鉄(Fe3⁺)がありますが、二価鉄(Fe2⁺)の方が吸収されやすいそう。それってどんなのよと調べたところ肉や魚に含まれているものが該当するみたい。動物を通して血液が作られてるからかなと思ったり思わなかったり……。

ちょっと怖い妄想が出始めてきたところで、今回はこの辺にしておこうと思います。次回は鋼について書きつつ、宣言通り製造のお話まで行けたらいいなーと思います。
それでは皆様、ご安全に!

参考文献
秋庭隆,日本大百科全書16,小学館,1995
菅野照三・鉄と生活研究会,今日からモノ知りシリーズトコトンやさしい鉄の本,日刊工業新聞,2008


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