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SS ネギ 【要望枠作品】

 ネギを畑で抜いて家に戻りながら旦那の体が心配で急ぎ足になる。

(ネギを入れる……)

 旦那から頼まれたが半信半疑はんしんはんぎのままで、太く青いネギを持って家に戻った。土間どまには囲炉裏いろりがありぐつぐつとおかゆが煮込まれている。旦那は、すぐ横で布団ふとんに入って寝ていた。

「旦那さん、もってきましたよ」
「嫁か、ありがとう」

 色白で百姓に似つかわしくない旦那の家に嫁いだのは半年前で、見た目通りに体が弱く、季節が変わると病気をした。旦那の額に手をやると、熱い。でも汗が出ていない。

「熱ありますよ」
「うん、苦しい」
「ネギをナベに入れますよ」
「根の所は少し、残してくれ」

 ネギを包丁で切る。トントントントン
 青い部分も切る。トントントントン
 ぐつぐつ煮たおかゆにどっさり入れて、まぜる。

「おいしいですよ」
「ありがとう、ありがとう」

 旦那はわんを空にすると、私をじっと見つめている。

「まだ苦しい?」
「頼みがある」
「もっと食べる?」
「入れてくれ」
「畑から抜いてきます」

 立ち上がろうとする私の手首をつかんで、ネギの根の部分を突きつける。

「入れてくれ」
「これも入れるの? ちょびっとしかないけど」

 頭をゆっくりとふると、股間をゆびさした。

「入れてくれ」
「どこに?」
「尻だ」

 旦那は真剣だ、熱に浮かされたように顔を真っ赤にして恥ずかしいのに、眼が決死の覚悟だ。

「どうすればいいの」
「ネギの先端の白い部分を少しだけ尖らせて、ぐっと入れる」
「入るの?」
「母にされた事はある」
「わかった、入れてみる」

 ショリショリとネギをとがらせて、むきだしの肛門を見る。*のようなシワだらけの穴にとがらせたネギを力一杯ねじこんだ。


「熱はすっかりいいわね」
「嫁よ」
「なんですか?」
「あんなに長くなくていいんだよ……」

 熱も下がり元気になった旦那は、なぜか女の子のように横座りをしながら恥じらっていたのが、かわいい。

#ねぎ

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