フェデリコ・フェリーニ監督 『道』:粗暴な男の話(ネタバレあり)
シンクロするように、フェデリコ・フェリーニ監督 『道』の記事を見つけたので書いてみます。
参考にさせていただきました。
かなり前に、NHKのBS放送で見ました。その時は実況しながら見てましたが、大道芸人のザンパノへの憐憫みたいな書き込みがあって、それがテーマなのかな?と思ってました。
自分が興味が薄かったのは、リァリティが無いからです。
粗暴な男は昔の女の事で泣いたりしません。すぐ忘れます。別の女を見つけてよろしくやってます。まぁ父の事です。
映画はドラマチックに描くために虚構で飾りつけます、感動するための線路を作ります。列車はその線路を走りながら、客を終着点へ安全に連れて行くのが名作です。
フェデリコ・フェリーニ監督の『道』は、名作です。客が見たかった虚構の「かなわなかった愛」を提示しています。それは歪んでも愛なのです。だから愛の映画と解釈しても良さそうです。
自分がオチを作るなら、酔っ払ったザンパノが、どこかの墓地で酔い潰れて死んでしまう。墓石が近くにありジェルソミーナの名前が刻まれている。そのままENDの文字が浮かぶ。みたいな淡泊な作りで良いと思う。
ザンパノは、死ぬまでジェルソミーナの事なんて思いだしもしないし、記憶から消えている。自分の事しか考えない薄情な男が愛した女の横で、のたれ死ぬ。
それくらい突き放した方が、ザンパノの醜悪さを描けたと思う。
でもそんな映画は誰も見たくないのです。醜悪で自分勝手な男にも、愛情があったと嘘で固めたいのです。