【企画参加】#夏の想い出note
夏と言えば海でしょう✨
2009年。
専業主婦の私は毎年夫の夏休みに合わせて
家族旅行を計画する。
今年は南伊豆に行き先を決めた。
南伊豆に行くルートは限られるので、道が混む。
我が家はの遠出はだいたい
朝4時台に起きることから始まる。
途中のコンビニで運転を交代しながら
朝7時にはかなり近くまで来た。
子供連れの移動は大変なので
早めに浜近くの駐車場へ車を入れてしまう。
場所は静岡県下田市多々度浜。
450メートルの白砂ビーチは透明度が高くて
とてもきれい。
国道から少し入るのでそれほど人はいない。
売店は1つ。
静かに海を楽しむのにぴったりの場所。
午前10時 朝早くから移動し
疲れが出てくる時間。
浅瀬で下の娘と遊んでいると
水温が上がってきた海水と
波のゆりかごに揺られ
海と一体化してしまいそう。
見上げると浜の先端にある高台に
趣のある大きな建物がひとつ。
お金持ちの住む豪邸かな。
窓が多いからホテルかもしれない。
高いところに立っているから
遠くの海までよく見えるんだろうなぁ。
私もあんなところに行ってみたい。
2020年3月
小田原 午前11時。
会社の仲間との鉄旅は2度目。
今回は伊豆クレイルと
スーパービュー踊り子に乗る旅。
ついでに小田急ロマンスカーにも乗ってきた。
終点の伊豆急下田は伊豆半島の南端。
行くだけでも結構時間がかかる。
電車に乗ることだけを考えたら
着いてすぐ折り返しのように
帰ってくるのもアリだ。
でもさすがにそれは味気ない。
仲間のNさんが、下田に着いてから
スーパービュー踊り子までの時間にできる
アクティビティを考えてくれた。
日帰り温泉に入るらしい。
Nさんは1つ年下だけれども上司だ。
鉄旅2回目にしていきなり
裸の付き合いとなった(ちなみに女性)
朝から電車に乗りっぱなしなので
駅から散歩がてら下田海中水族館まで歩く。
観光はしない。
入り口にタクシーは待機していなかったけれど
電話で現在地を告げるとすぐに来てくれた。
車は坂を登りながら次の目的地へ向かう。
「いらっしゃいませ」
半纏を着た番頭さんが
タクシーの日帰り客にまで
お迎えに来てくれた。
エントランス横の駐車場は
高そうな大きい車ばかり。
なんだかすごいところに来ちゃったな。
予約したNさんが、日帰り入浴の
手続きをしてくれている。
全室オーシャンビューのホテルは
ロビーもオーシャンビュー。
高台から海を見ていると
気持ちまで大きくなってくる。
手前に視線を移すと浜が見える。
プライベートビーチなのかな。
季節柄サーファーしかいない、素朴なビーチ。
なんだかここ見たことある…
あの時とは見る場所が違う。
それでも一目でわかった。
今いるのは間違いなく
10年以上前に見上げていた、あのホテル。
あの頃からは想像できない変化が
私の人生にもあった。
ここで死ぬんだと思っていた故郷を離れたり
両親とも癌になったり(寛解したけど)
専業主婦だった私は仕事場の仲間と
こうして遊びに来ている。
ただ分かっているのは、あの時の私は
未来の自分と繋がっていたということだ。
この記事は創作室🌈マガジンです。