PFAS
有機フッ素化合物(PFAS)とは、
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、国内で規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。(環境省)
健康への影響
これまでの研究結果から、PFOSおよびPFOAの血中濃度が健康被害をもたらしている可能性があることがわかっています。ATSDRのウェブサイトは、脂質異常(コレステロール値の上昇)、肝酵素の変化、新生児の出生体重の減少、子どものワクチン接種の効果減、妊婦の高血圧リスクの上昇、腎臓がん・睾丸がんのリスク上昇につながる可能性を挙げています*9。
これらのうち、発がん性については、世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)が、PFOAを「グループ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)」に分類しています。
ただ、「どの程度の量が体に入ると影響が出るのかについてはいまだ確定的な知見はありません」*10とされ、現在も国際的に研究が進められています。
米EPAは世界一厳しい基準設定し義務化
世界保健機関(WHO)は2022年9月、PFOS、PFOAそれぞれ飲み水1リットル当たり100ナノグラム、全てのPFASで同500ナノグラムとの暫定的な基準値を提案した。
●PFASを巡る規制強化は世界の潮流だ。特に米政府は4月に飲み水に含まれる代表的2物質の上限はそれぞれ1リットル当たり4ナノグラムという世界一厳しい基準を設定して国際的に注目された。米国では以前は2物質合わせて70ナノグラムが基準値だったので大幅な強化だ。米EPAの発表では、ヒトの疫学データを基に規制値を検討した結果を受けての措置で、全米の水道事業者に基準値を下回るよう義務化した。(科学技術振興機構)
●東京・多摩地域で水道水に利用していた井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFASピーファス)が検出された問題で、住民の血液検査を実施している市民団体が7日、273人分の分析結果を発表した。居住地域別にみると、国分寺・立川両市の住民の血中のPFAS濃度が高く、全体でも6割以上が米国で健康被害の恐れがあると定める指標を超えていた。(東京新聞)