三世一身法とふるさと納税
まもなく大学入試試験のシーズンが始まる。まずは大学入学共通テスト。そういえば、小生の時代は名前が違ったような気がするが、ここで旧名を書くと世代がバレるので書くことは控えておく。
大学入学試験にむけて、社会科は日本史を選択していた。むかしから歴史は好きだったが、勉強してパッとしなかった(丸暗記していたが)項目が、古代から中世の土地制度、いわゆる「荘園制度」だ。
荘園を簡単に説明すると、「寺社や貴族が財力で開墾し、自分の領地とした大規模な農園のこと」。 奈良時代に人口が急激に増えたり、朝廷が支給した土地から逃亡するものが増えたりしたことを受け、朝廷は食糧を確保するため、「三世一身法」や「墾田永年私財法」を発布して開墾を奨励した。
「開墾してもいいけど、税は納めてねえ」ってノリだったが、開発領主たちはあれこれ手を打って(大規模寺院や有力中央貴族に寄進したりして)、なんとかそれを逃れようしていた。
それにより、中央の収入は減少。地方では財をなす開発領主が生まれ、自分たちの土地や財を守らんがため武装するようになり、それが武家の発生の一因となった。
現在、「ふるさと納税」が流行っている。
寄附した人も寄附された自治体もメリットがあるこの制度。寄附した人は返礼品もらったり税金が控除されたり、寄附された自治体は歳入が増えて自治体でのサービスを向上できたりする。
しかしその反面、いろいろ問題も起きているようだ。住民がほかの自治体に寄附することで当初予定の税収に届かない自治体も出てきている。そのため、ふるさと納税の抜本的見直しを国に求める知事も現れるほどだ。
地方創生を旗印に始めてみたものの、問題山積みのふるさと納税。あれこれ問題やトラブルが起き、国はその火消し役に徹するのみで、自主的に策を講じて対応にあたっている自治体もあるようだ。
時代は繰り返すと言われる。「中央に言われるようにやってるだけではダメだ」「自分たちで自分たちの生活を守らなくては」と、地方自治体が力を蓄えた先には何があるのだろうか。国は徳川幕府のように知事に参勤交代を命じたりするのだろうか笑