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『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』にみる、フィルム・のわーる・ガーリッシュ

 シリーズ第3弾。完結(たぶん)。 
宮崎出張にやって来たちさと(髙石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は到着早々仕事をこなし、気分はすっかり観光モード。
そんな中、追加ミションの命令を受け、ターゲットのいる宮崎県庁へといやいや向かった2人だが、同じターゲットを狙う謎の男と鉢合わせしてしまう。
男の正体は、たった一人で150人殺しの達成を目指している史上最強の殺し屋・冬村かえで(池松壮亮)だった。
一匹狼の怪物を前に絶体絶命のピンチに陥るちさととまひろだったが―

いつもの二人がいつにない危機になぜか宮崎で襲われる!
この日はまひろの二十歳の誕生日だというのに!
組織に属さない孤高の野良・冬村かえでを倒すまで、宮崎牛でのお祝いお預けで死闘を繰り広げる二人をサポートするのは、宮崎支部のみなみ(前田敦子)と七瀬(大谷主水)だった。
この大谷主水氏をスリムクラブの真栄田さんと思い込んで観てたけれどひどく違った、彼は地元宮崎県出身の元テコンドー選手だそう。

余りにも池松壮亮氏の仕上がりが素晴らしくて、無敵のれでぃ・アサシンズの魅力が霞みかねない!と本気で心配するほど。
しかも強い。日記をつけるマメさと誠実さ、心根に優しさをしのび持つ冬村かえでに出会って、まひろがちょっぴりいつもと違う内省へと向いていく演出が憎い。
二十歳になったノー天気まひろにとって殺しはお仕事、そこに美学なんて持たずにきたけれど、向き合った敵との命懸けのファイトは精神を嫌でも研ぎ澄ます。
同類観秘かに抱いてしまった冬村かえでとラストバトルに滲む、”深川まひろ”の神髄がとてもいい。
彼女のピンチを鬼の形相で守り抜く”杉本ちさと”の強靭もまた痺れるほどいい。
そうして二人との最期の死闘に見合うキャスティングが池松壮亮氏以外にない気持ちに至福を味わう。

ほんとうにこれでお終いなの、テレビドラマ版で寂しさをごまかしつつ、もう暫くれでぃ・アサシンズの栄光を噛みしめてようとおもう。   (112min)

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