わたしの理想
高校生くらいの頃、常々世界を一番広いところから見たいと思っていた。今でも一番嬉しい種類の発見は、不可思議だと思っていたことがわたしと地続きなんじゃないか、と思うことだ。例えば浮いていると思われる人の心の動きを推測することだったり、性欲に溺れる人の話だったりが、人の心の働きとして少しも変ではなく想像できるものだと気づいたときだ。
この理想は今では直接的には思わない。ただ頭の中で繰り返して言いすぎて、文章にしなかったけど思い出せる状態になってしまった。けれどこの理想がなくなることは生涯ないように思う。しばらく時間をおいて、またこの理想を風化させよう。