英検®準1級ライティング・トレーニング問題001
〔おことわり〕
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◆問題 (目安120-150語)
TOPIC
Is it better for employees to work from home than to work at the office?
POINTS (→準1級では使用が必須)
・Work-life Balance
・Productivity
・Communication
・Costs
◆Plan例
◇YES
【Work-life Balance】
例)・子育てとの両立
・通勤時間が浮く
【Productivity】
自分に合った働き方の方が
生産性が上がる
【Costs】
企業=広いオフィス不要
(その分 労働者に還元?)
◇NO
【Communication】
対面=スムーズな意思疎通
【Work-life Balance】
仕事のオンオフが切り替えやすい
【Productivity】
・仕事場の方が集中できる
・容易に助け合える
◆答案例1 (YES版)
In my view, working from home is more beneficial for employees than working at the office.
Firstly, remote work enables workers to maintain a better work-life balance. Not having to commute to work means they can sleep longer, spend more time with their family and so on. Also, in some cultures, workers tend to feel forced to stay at the office longer than their supervisors and sacrifice their private time, which seems less likely to happen when working at home.
Additionally, remote work can lead to increased productivity. Some might argue that people work better in the office, but the best environment differs from person to person. For instance, some may be more productive when wearing casual clothes and listening to pleasant music, which can be challenging to do in a formal office setting.
Therefore, I believe that working from home is more advantageous than working at the office. (149 words)
【解説】
◆INTRODUCTION◆
In my view, working from home is more beneficial for employees than working at the office.
(私の意見では、職場勤務より自宅勤務の方が従業員にとってより有益だ。)
・問題文の “better” をパラフレーズするために違う表現を用いています。
・Main bodyに語数を多く割けるように、Introductionは簡潔にしてあります。
◆MAIN BODY 1◆
Firstly, remote work enables workers to maintain a better work-life balance.
(第一に、リモートワークのおかげで労働者はより良いwork-life balanceを維持できる。)
・無生物主語を用いて、幅広い表現ができることをアピールしています。
Not having to commute to work means they can sleep longer, spend more time with their family and so on.
(職場に通勤しなくて良いということは、より長く眠ったり、家族ともっと時間を過ごしたり等できるということだ。)
・For exampleなどの転換語を使っていませんが、実質的には具体例を挙げている部分です。workに対して、どうlifeを充実させられるのか具体的に述べて説得力を増します。
Also, in some cultures, workers tend to feel forced to stay at the office longer than their supervisors and sacrifice their private time, which seems less likely to happen when working at home.
(また、文化によっては、労働者は上司よりも長く職場に残り自分のプライベートな時間を犠牲にするよう強いられているように感じがちだが、職場勤務の際はこれが起こる可能性はより低いのだ。)
・コンマwhich(関係詞の継続用法)を用いて「文法」面での加点を少し狙っています。コンマwhichは非常に便利なのでマスターしたいところ。
◆MAIN BODY 2◆
Additionally, remote work can lead to increased productivity.
(さらに、リモートワークはより大きな生産性につながりうる。)
・もっとシンプルにworkers' productivity will riseなども可能。
Some might argue that people work better in the office, but the best environment differs from person to person.
(職場の方が人々はより良く働くと主張する人もいるかもしれないが、最良の環境というのは人によって異なる。)
・Some might argue that は、「反対意見をいったん紹介した上でそれに反論する」時の常套手段。もっと長い文になるなら、一旦 Some might argue that SV. と区切って、However, SV. と次の文で反論しましょう。
For instance, some may be more productive when wearing casual clothes and listening to pleasant music, which can be challenging to do in a formal office setting.
(たとえば、カジュアルな服を着て心地良い音楽を聞いているときの方がより生産性が高い人もいるかもしれないが、これらはフォーマルな職場の環境で行うには困難だろう。)
◆CONCLUSION◆
Therefore, I believe that working from home is more advantageous than working at the office.
(ゆえに、職場勤務よりも自宅勤務の方が有利であると私は信じている。)
・Introductionと同様、Main bodyに語数を使いたいので、Conclusionは抑え気味にしました。
◆答案例2 (NO版)
I do not think that remote work is more beneficial for employees than working at the office.
First, the office setting promotes communication among workers. It is true that we can interact with others online as well, but face-to-face communication is often more efficient. For example, when dealing with a complex issue that requires collaboration among multiple individuals, discussing it together in the same room is clearly more effective.
Furthermore, employees’ productivity will increase when they work at the office. Working from home, people tend to feel less pressure to stay focused on their tasks, and some may even procrastinate. In contrast, being observed by colleagues in the office can motivate people to work effectively, which will lead to higher performance.
It is for these reasons that working from home does not seem advantageous than working in the workplace. (139 words)
【解説】
◆INTRODUCTION◆
I do not think that remote work is more beneficial for employees than working at the office.
(私は職場勤務よりもリモートワークが従業員にとって有益だとは思わない。)
・やはり問題文の “better” をパラフレーズすべく別の表現を使いました。
◆MAIN BODY 1◆
First, the office setting promotes communication among workers.
(第一に、職場の環境は労働者の間のコミュニケーションを促す。)
It is true that we can interact with others online as well, but face-to-face communication is often more efficient.
(たしかに、オンラインでも他者と交流はできる。しかし、対面のコミュニケーションの方がしばしばより効率的だ。)
・It is true that は「譲歩」を用いるときに使える表現。文が長い場合は、It is true that SV. However, SV. と2文に分けましょう。
・「対面の」と形容詞で使うときはface-to-faceとハイフンを入れましょう。「対面で」と副詞で使う際は、ハイフンはあったりなかったりします。
For example, when dealing with a complex issue that requires collaboration among multiple individuals, discussing it together in the same room is clearly more effective.
(たとえば、多数の個人間での協力を必要とする複雑な問題に対処するときは、同じ部屋で一緒に議論する方が明らかにより効果的だ。)
・対面コミュニケーションの方が優れている場面を具体的に描写しています。
◆MAIN BODY 2◆
Furthermore, employees’ productivity will increase when they work at the office.
(さらに、職場で働くと従業員の生産性は上がるだろう。)
・もっとシンプルにworkers' productivity will riseなども可能。
Working from home, people tend to feel less pressure to stay focused on their tasks, and some may even procrastinate. In contrast, being observed by colleagues in the office can motivate people to work effectively, which will lead to higher performance.
(自宅で働いていると、人々は仕事に集中するようにというプレッシャーをより感じなくなりがちで、ぐずぐずと先延ばしする人さえいるかもしれない。対照的に、職場で同僚から観察されていれば、人々は効果的に働こうという動機をもち、そのことがより高い成果につながるだろう。)
・procrastinateは案外よく聞く単語なので、スペリングごと覚えてしまって良いでしょう。
・in contrast「対照的に」は、対比するときの代表選手。
・解答例1と同様、コンマwhich(関係詞の継続用法)を用いて少し「文法」力をアピール。
◆CONCLUSION◆
It is for these reasons that working from home does not seem advantageous than working in the workplace.
(これらの理由により、自宅勤務が職場勤務よりも有利なものだとは思われない。)
・「これらの理由によりSVだ。」は For these reasons, SV. ですが、これを強調構文にして It is for these reasons that SV. としています。本番で使いたければ丸覚えしてしまうのもアリな表現。
コラム ~減点主義 vs. 加点主義~
英検の評価基準のうち、「語彙」と「文法」は、受験英語に慣れ親しんだ人であればどうしても「ミスをしない」に視点が向きがちです。
たしかに、学校のテストで「s抜けでマイナス1点」、「スペリングでマイナス1点」…のような採点をされればなおさら、「ミスをゼロに」と意識してしまうのは当然です。そしてもちろん、ミスを極力減らせればそれに越したことはありません。
ただし、準1級レベルともなると、それだけでは少し寂しい気もします。たとえミスがなくても、非常に簡単な単語のみ、そして全て同じ単純な文構造では、準1級ライティングで高評価を得るのは難しくなってきます。
そこで意識したいのが、「減点主義」に加えて、「加点主義」の視点です。たとえば普段英語を読んでいるときに、「あれ、この単語、自分でも使えたらかっこいいな」と思ったら、インプットしておいて、あとでライティングで使ってみる。文法の勉強で、「こんな文を書けたら英語力をアピールできそうだな」と感じれば、ただ「読んで分かる」レベルを超えて「自分でも使える」レベルにもっていくつもりで頭に入れる。そうすることで、単にミスが少ない人ではなく、色んな表現を駆使できる人へと変身していくことができます。
練習するときは、多少自信がなくても、幅広い表現に挑戦してみます。練習ならリスクはありません。復習時に直せばOKです。そうして自分に使いこなせる英語の範囲を広げておいて、いざ本番では、少し保守的に、ミスをせず自信をもって書ける範囲で書く。これぐらいのバランスが良いかもしれません。
・ミスを減らす
・それだけじゃなく、使える表現の幅を拡大していく
この両方の視点をもつと、さらに英語力が上昇していくはずです!
まとめ
COVID-19でにわかに増えたリモートワークの話題でした。そうなるとコロナ関連の話題も書きたくなってきますが、2級と異なり、準1級は問題文に書かれた"POINTS"の使用が必須なので、書くにしても、これらのPOINTSと絡めるように気をつけましょう。
このPOINTSの使用、好みが分かれると思いますが、準1級を突破するためには慣れておく必要があります。4つのうち2つがYES・残り2つがNO向けの内容というわけでは必ずしもなく、「どちらの視点からでも使えるPOINTSもありうる」というのも面白いところです!
〔おことわり 2〕
上記の問題は過去問からの引用ではなくオリジナル予想問題です。ただし、実際に出題された問題と類似・一致している可能性が否定できません(特に英検S-CBTの問題は公開されていないため)。また、内容には十分注意していますが、万が一ミスがあった場合に試験結果などへの責任は負いかねます。ご了承ください。
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