新TOEFL iBT®の"Academic Discussion"問題 [01]
前回の記事で紹介したように、TOEFL iBT®を実施するETSが、新版のTOEFLテストの概要を公開しました。(An Enhanced TOEFL iBT® Experience)
実施は2023年7月26日から。
特に目を引くのが、ライティング問題からIndependent Taskが姿を消し、新たにWriting for an Academic Discussionという新タスクが登場したこと。
まだサンプル問題は多くありませんが、今回は公開されている情報をもとに少し書いてみます。
◆どんな問題なのか
サンプル問題を確認するのが一番早いでしょう。
An Enhanced TOEFL iBT® Experience
↑
ページ中段に、2種類の問題へのリンクが貼られています。
① TOEFL iBT Free Practice Test – Updated
② TOEFL iBT Practice Sets – Updated
◆問題構成
画面はこんな感じ。
online discussionという状況設定です。
教授があるトピックに関してquestionを提示しており、
それに対してクラスメイト(2人)が各自のideasでrespondしています。
その上で、このdiscussionにcontributeするresponseを述べるのがここでのタスクです。自分の言葉を使って、10分間(※読む時間も込み)で目安100語以上を書くことになります。
具体的には、「自分の意見を述べ、それをサポート」して、discussionにmake a contributiionするようなresponseを作っていくことになります。(完全にルー大柴さんみたいな文章ですみません…)
「サポート」と書きましたが、評価基準のRubrics (PDFです) を見ると、
◇explanations (説明)
◇exemplifications (例示)
◇details (詳細な情報)
といったワードが登場するので、要はこれらを使って自分の主張を支え、説得力をもたせるということでしょう。(この辺りはIndependent Taskと同じ考え方ですね)
◆どんな答えを書けばよいの? 1
とりあえず全くの手探りで一度書いてみました。
まず戸惑ったのが、クラスメイト2人の意見をどこまで絡めればよいのか? という点。
2人を無視すると、online discussionという場面設定の意味がなくなってしまうかもと思い、無理やり2人の意見に触れてみます。
でも、2人、全然違うこと言ってるんですよ。だから、答えもめちゃくちゃに。
「自分は〇〇だと思います、理由はこう。そういう意味では、Xさんの意見に近いかもねー。でもYさんの言ってることも一理あるよね、分かるー」
みたいな、八方美人でまとまりのない答案が出現…。
そこで、上記①②のサンプル問題で、最高スコアの答案例を見てみると…
①…
片方のクラスメイトの意見にのみ触れている。
ただし、冒頭で言及はしつつも、そこを足掛かりにして自分自身の意見を展開している。もう1人は無視。
②…
どちらのクラスメイトの投稿も無視。
・・・絡めなくてええんかーい!
まあ、画面に表示された2人だって互いの意見に触れているわけではないので、自分自身も、2人の意見を無理やり取り入れて書く必要はないということなのかもしれません。
ただ、この辺りはまだ油断できません。テスト実施前なので、安定して高く評価されるresponseの型が現段階ではまだ固まっていません。特に、ETSが公表する「満点の答案例」って、これまでも、いかにも模範的っていうものが少ない印象なんです。
「これは皆さんが思っている満点答案の形に沿っていないかもしれませんが、こういう書き方だって満点になるんですよ。暗記したフォーマットに沿って書くだけがライティングじゃないですよ」みたいなメッセージを感じることがあって、だから今回紹介されているresnponseも、これを代表的な型として覚えるのは少し待った方が良い可能性があります。
いずれにしても、2人の意見をそのまま繰り返すような内容は評価されなそうではあります。
ひとまず
・「クラスメイトの意見を絡めるなり、絡めないなりして、自分の意見を明確に述べる」
・「クラスメイトと同じ意見を議論の場に放り込むだけみたいな内容にはしない」
あたりが方針の一部になるかもしれません。
◆どんな答えを書けばよいの? 2
もう1つ気になったのは、特に②の方の満点サンプルなんですが、online discussionの投稿というより、Independent Taskの答案みたいなんです。
つまり、普通のライティング問題のエッセイっぽい書き方になっています。
これで許容されるなら、そりゃ難しい語彙も使いやすいし、複雑な文構造を駆使したりもできるし、そうやって評価を押し上げるためのアピールをしやすくはなります。
そうなると、あんまりonline discussionっていう状況を気にしなくても良いのか…? という気がしてきます。
でも、それって、「クラスメイトを無視して、そしてonline discussionという場面設定も気にせずカタイ文章で押し切る」みたいな答案が可能だということになりますね(笑)
ただ、その②の答案を、ETSは "a fully successful response" と評しているんですよ。ってことは、online discussionだからといって、日常的な語彙を用いた自然な感じのresponse(要は"ちょっと芝居じみた感じの投稿")にしなくてもOKということかもしれませんね。
◆ひとまずまとめ
一旦ここまでにしておきます。
まだまだ未知数のAcademic Discussionなので、上記の内容は特に不確実性が多く含まれます。参考程度にしておいてください。もっと多くの情報が早く公開されてほしいところですね。
気が向いたら自分なりの答案も書いてみようかなと思います。では :)
他の "Academic Discussion" 関連の記事はこちら
TOEFL iBT® is a registered trademark of ETS. This product is not endorsed or approved by ETS.
#toefl #toefl_writing #英語 #英語学習 #語学 #語学学習 #writing #english_writing #chatgpt