「コピーライティング技術大全」紹介・ブックレビュー!コピーライターの教科書降臨!!
コピーライティングに関する本は数多くありますが、その中で一から学べる「教科書」と呼べるものはいくつあるでしょうか。
今回レビューするコピーライティング技術大全は、
コピーライティングの考え方
理論
再現性あるテンプレート
実例サンプル
がふんだんに盛り込まれており、それでいて読みやすい本です。まさに「教科書」としてふさわしい一冊となっています。
あなたの作ったLP・広告コピーが
「正しい理由」を説明できますか?
あなた「ふう…やっとLP作り終えた…。さて納品しよう!」
数分後・・・
プルルルルル(電話の音)☎️
「はい、もしもし」
『お世話になっています。○○(取引先)です。』
「お世話になっています!」
『納品いただいたLP見ました』
「あ、ありがとうございます」
『これはちなみに…
なんでこのキャッチコピーにしたんですか?
この構成にした理由は?
ここの文章にはどんな目的があるんですか?
なぜここに改行・空白行があるんですか?』
「え?え?えっとそれは・・・・」
「正直、感覚でLPを作っていました…」
こんな夢にうなされたことはありませんか?(無い)
私たちライターがLPや記事を組み立てていく際には、クライアント側が求める
新規集客
商品購入
イベントへの来場
といった結果にコミット(結果を約束)しなければいけません。
そのため、文章の構成や内容、場合によってはデザインに至るまで、「それが結果を導く根拠」が必要になるのです。
あなたはクライアント側の
なんでこのキャッチコピーにしたんですか?
この構成にした理由は?
ここの文章にはどんな目的があるんですか?
なぜここに改行・空白行があるんですか?
という質問に答えられますか?(またはクライアントの「間違った方法」を指摘できますか?)
“コピーライティング技術大全”で
胸を張って提案できるライターへ!!
私も今までただ感覚に頼ってライティングしていました。というより、自分ではコピーライティングの勉強をしているつもりでした。
しかし、このコピーライティング技術大全を読むと、いかに自分の考えが浅かったかを思い知らされます。
人を動かす言葉には「法則」があって、それを知っているのは一握りのライターなのかもしれません。
そんなライターが多くの優良案件を受注して、私のような一般のライターからすれば目が飛び出るほどの高額の報酬を受け取っているのでしょう。
(そんなライターほど、あまり表には出てこない…)
本書でコピーライティングを本質から学ぶことで、そんなトップ層のライターの仲間入りができるかもしれません!
著者は日本一の
マーケティングコンサルタント
本書は神田昌典氏(※)と衣田順一氏、2名の共同著書です。
※神は旧字体。
特に神田氏は、海外の先進的なマーケティングを日本に持ち込んだ、マーケター&コピーライターです。
プロのコピーライターなら、神田氏の監訳した「ザ・コピーライティング(ジョン・ケープルズ著)」や「伝説のコピーライティング実践バイブル(ロバート・コリアー著)」は必ず読んでいるでしょう(後半で本書との違いも解説します)。
コピーライティングを勉強しだすと、必ずと言って良いほど神田昌典氏の著書に触れることになります。そんな神田昌典氏が、満を持してコピーライティングの教科書として制作したのが、本書「コピーライティング技術大全」です。
★ちなみに編集者も「寺田庸ニ氏」というすごい人! ベストセラーを多く編集している「伝説の編集者」です。
“コピーライティング技術大全”で
学べること(概要)と感想
ここでは本書の大まかな概要を紹介します。私の個人的な感想も入っているので、読む人によっては印象が違うかもしれませんが、参考にしてみてください!
第1章 コピーライティングで売上が上がる理由
この章では「ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)」の解説を始め、マーケティングに関する重要な考え方や、セールスコピーに関わる指標について記載されています。
特徴とベネフィットの違い
ニーズとウォンツの違い
LPとホームページの目的の違い
DRMの構造や仕組み
マーケティングの効果を計測するための指標
今までは単純に“点”としてターゲット読者を考えていた人は、この章を読むことで、顧客を生み出す全体の流れ、つまり“一本の線”が見えてくるでしょう。
一般客から顧客に、
顧客から優良顧客へ、
優良顧客から超優良顧客へ〜
という大きな流れがあり、自分の書いた記事は次のステップへとつなぐバトンとなるのです。
自分がどの段階のターゲットに向けた執筆を任されているか、目的を自覚する大切さを知ることができるでしょう。
第2章 インパクトのある見出しをつくる
8要素「BTRNUTSS(バターナッツ)」
この章では見出しを作る際の考え方と、見出しの型について紹介されています。
感覚に頼らない再現性のある見出しの作り方と、豊富な見出しの型(しかも66種類!!)を紹介してくれているため、かなり実践的な内容となっています。
さらに、「BTRNUTSS(バターナッツ)」という作った見出しを評価する判断基準があるのも秀逸な点です。
今まで曖昧だった「何を持ってして良い見出しなのか?」ということも客観的に評価できるようになるため、見出しの修正・改善に役立てることができます。
第3章 LP・セールスレターは
組み立てるもの
LPやセールスレターの構造について、この章ではより深く踏み込んでいきます。
LPがどのようなパーツで組み立てられているのか
パーツごとの目的は何か
何をどのように伝えていくのか
これらのことを事例付きで解説してくれています。
執筆する際に、何も考えずにいきなり書き出すライターはいません(いないよね?)。最初は全体の骨組みから考えていくものです。本章はそんな骨組みの部分を知ることができます。
第4章 刺さるコピーの正体は
PMM(Product Market Matching)
第4章は他の章と比べると分量は少ないですが、私たちライターが陥りがちな大きな罠について触れられている、かなり重要な章です。
あなたはこんなふうに思っていませんか?
「良い文章・良い言い回しを書けば反応が上がる」
「SEOキーワードさえ抑えれば売上になる」
「うまくいっている文章・LPを真似れば結果が出る」
しかし、このような考え方は本質からずれている、と本章では指摘しています。
本当に反応があるコピーは「どう言うか(言葉)」より先に「何を言うか」というアイデアが存在するというのです。
個人的には、ライティングする上でこれが一番重要なんじゃないかな?って思います。
第5章 人を動かす文章の構造「PASONA」が
ウェブ時代に深化した
「PASBECONA(パスビーコーナ)」
この章からは、いよいよ「文章の構造・書き方」に関して学ぶことができます。
読者が抱えている問題を明確にする段階から、行動を呼びかけるまでの文章の流れがPASONAやPASBECONAテンプレートとして紹介されています。
この章で重要なのは、WEBページ、特にLP(ランディングページ)に対応したテンプレートだという点です。
セールスライティング・コピーライティングと一言に言っても、それが紙媒体なのかWEBページなのかで、書き方や見せ方は変わってくるでしょう。
本章で紹介されているPASONAとPASBECONAは、現代の主流となりつつあるLPにも対応した優秀なテンプレートです。
また、フリーランスになると案件を獲得する際に、提案文や企画書を書く場面も出てくるかと思います。そんな時にもPASBECONAのテンプレートを応用できるでしょう。
ライターとして(一生ものの)武器になるテンプレートを学べるのが本章です。この章だけでも本一冊分の価値がある内容です!
第6章 PMMを見出す
「PMMサーチシート」
第4章ではアイデアの大切さについて概念的に解説されていました。この章ではそのアイデアを発見・研ぎ澄ます方法について具体的な提案がされています。
第5章のPASBECONAテンプレートでLPの流れはほぼ完成しているように思えますが、この章では「さらに訴求力を上げる方法」について学ぶことができます。
特に「PMMサーチシート」というアイデアをカテゴリー分けしたシートはとても有益です。
PMMシートを見ながら作ったLPを精査することで、
・要素として足りない部分
・読者に混乱を招く余計な部分
がはっきりと見えてきます。
どんなに文章がうまくても、「何を言うか」というアイデアが弱ければ、読者を訴求するには不十分だと本書では一貫して語られています。そのアイデアの部分を整理して、活用をする方法をこの章で学ぶことができるでしょう。
第7章 成約率を高める
32のライティング技術
この章ではより実践的な現場で生かせるノウハウが、これでもかというほど盛り込まれています。
文章の書き方だけでなく、
・画像の見せ方
・スマホとPCとの見せ方の違い
・リサーチの方法
・書くスピードを上げる方法
・改行や空白行の入れ方
など、「なるほど! (実績を上げる)プロのライターはこうやって仕事しているのか!」と納得できます。
「守破離(しゅはり)」とは良く言ったもので、私たちライターがプロの領域に入るには、まず現場で実績を上げているライターの考え方や仕事の仕方を真似ることから始めるべきではないでしょうか。
本章は、プロの現場の空気感をつかめるので、読んで学んで行動に移すことで、プロのコピーライターへ(飛躍的に)成長するきっかけになりそうです(←すごいことでしょ?!)
第8章 インターネットで活用する
コピーライティング技術
LPだけでなく、
・メール(メルマガ)
・動画
・リスティング広告
・バナー広告
といった、オンラインプロモーションの戦略がざっくりと学べます。
基本的には第7章までを応用した内容ですが、オンラインが主流になっている現代では欠かせない知識です。
オンラインプロモーションに関する知識を持っているライターは強いです。
与えられた案件をこなすだけではなく、
「動画広告を出してみませんか?」
「このバナー広告はこういう文章と写真で試してみましょう!」
「メルマガをやってみませんか?」
と、自分から提案ができるので、クライアントから重宝されるライターになれるかもしれません。
第9章 神田昌典
コピーライティング至言29
この章では、神田昌典氏が過去に出版した書籍の中から、ライティングをする上で大切にするべき姿勢について語られた至言を引用・解説しています。その一言一言に今後の仕事に生かせる気づきがあるでしょう。
どの至言も心に響くものがありますが、私が個人的に感銘を受けたのは21番目の以下の言葉です。
自分自身、ライターをしながらやる気が出る案件と、どうしても気持ちが乗らない案件があります。
その違いは何なのかと考えると
・読者の困っていること
・解決したいこと
・抱えている問題
が見えた時に、自分の頭がクリエイティブになるのだと気づきました。そのような経験があるからこそ、この至言が心に刺さったのだと思います。
ライティングが行き詰まった時にこの章を読むことで、新たな突破口が見えてくるかもしれませんね!
他のコピーライティング本との関係
もしもあなたが本屋のマーケティング・コピーライティングコーナーでこの記事を読んでいるのなら、似たようなタイトルがあってどれを購入するべきか迷うのではないでしょうか。
そこでここでは本書「コピーライティング技術大全」と、代表的なコピーライティング系の本を比較しながら、どのような違いがあるかについて(私なりに)解説していきます。
購入する際の参考にしてみてくださいね!
ザ・コピーライティング
コピーライティングの本の中では割合“古典”に分類されるのが「ザ・コピーライティング」です。
コピーライティング技術大全の著者でもある神田昌典氏が海外から持ち込んだ本で、「伝説のコピーライティング実践バイブル」という本と合わせて、現代の広告業界に大きな影響を与えた本と言えるでしょう。
ただし、「ザ・コピーライティング」と「伝説のコピーライティング実践バイブル」は、紙のセールスレターが主流だったころに書かれた本という点から、現代のWEB主流の広告とは少し見方が変わることは認識しておきましょう(今ほどそこら中に広告がなかった時代背景も考慮するべき)。
また、この2冊に限ったことではありませんが、いわゆる古典系の本は、スキルを学ぶというよりは、広告やコピーの「原則」を理解する目的で読むと良いでしょう。
セールスコピー大全
同じ「大全」という名前が付いているからややこしいですが、個人的にコピーライティング技術大全とは別に持っておきたいのが「セールスコピー大全」です。
両者の位置づけをざっくり言うと、
コピーライティング技術大全は「教科書」
セールスコピー大全は「実用書」
となります。セールスコピー大全は現場でガンガン使うイメージです。
どちらもWEBページ・LPに対応している点から、個人的に現代のコピーライティング本のツートップだと思っています!
セールスコピー大全については別でレビュー記事を書いたので、そちらも参考にしてくださいね。
10倍売る人の文章術
文章のテクニックや心理戦略にフォーカスした名著として、多くのライターの支持を得ているのがこの「10倍売る人の文章術」です。
コピーライティングに関することはもちろん、
・文章のリズム
・順序
・フォント
・心理テクニック
など、ライティングテクニックのかなり細かい部分まで触れられているので、文章の書き方を手取足取り教えられている感覚です(そういう意味では読む人を選ぶ本とも言えます)。
ただし、テクニックに傾倒しないように、コピーライティング技術大全で一度本質から学ぶのも良いでしょう。
おまけ
コピーライティング技術大全を購入したことをtwitterでつぶやいたら、わざわざ編集者の「寺田庸ニ氏」が返信してくださいました!
寺田氏によるとPUR製本という強度やめくりやすさのほか、熱にも強いPUR糊を使った特殊な製本方法で作られているそうです。かなり力の入った一冊になっていることがわかります!
本書の購入を検討する際に
・紙の本
・電子書籍(Kindleなど)
のどちらで買うか迷うこともあると思います。
情報の価値としては紙でも電子書籍でも同じですが、「形あるもの」としての価値で考えるなら、1冊は紙の本で持っておきたいですね(それか1冊保管用、1冊記入用とか・・・・・・欲張り?)。
※余談ですが、2021年12月現在。私が住んでいる家の近くにある本屋ではまだ本書は置いていませんでした。私は発売されてすぐにほしかったのでAmazonで注文しましたが、後日大きな本屋に行くと見つけることができました。