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メタバースとライターの未来。新しいライターの働き方について考えてみた

突然ですがライターの皆さん。

「メタバースライター」になる
準備はできていますか?

WEBライターとして活動している人は、もしかしたらメタバースでの仕事を請け負う日が来るかもしれません。

メタバースは今後どんどん拡大していく市場です。
そこに先駆けて参入できれば、多くの活躍と収入を得られる可能性もあるでしょう。

今回はメタバースが発展した世界での「ライターの働き方」について一緒に考えていきましょう。


メタバースとは

メタバースとは、

アバターを使って活動できる仮想空間(バーチャル空間)

のことです(他にも定義はさまざまあります)。現在、メタバースは黎明期と言われており、中小から大手までさまざまな企業が参入し始めています。

アバターとはネット上に作られた自分の分身のようなもので、仮想空間で生活する際に使われます。

手前にいるのがメタバースclusterで作った私の「アバター」
仮想空間上で活動する自分の分身
外見は自分で自由にカスタマイズできる

メタバースには膨大な世界が広がっていて、そこではさまざまな活動ができます。
私が行ったこのclusterというメタバースでも、

  • ギターで弾き語りをしている人

  • それを周りで応援している人

  • 誰かが作ったゲームで遊ぶ人

  • メタバース内で設置されたステージでスピーチをしている人

などなど、さまざまな人がいました。


技術の発展により現実に近い景色も再現できるようになっている
トイレ?


仮想空間では現実世界では不可能なこともできるようになります。
例えば、

  • 断崖絶壁の場所を旅行する

  • 現実には存在しない動物を飼う

  • 世界中の人とアバターを使って交流する

  • ゲームをプレイして報酬を得る

  • 建造物を好きに設計して自分の家にする

  • 音楽コンサートや講演を開催する

  • メタバース上のオフィスに出勤して仕事をする(職場への出勤が不要になる)

  • メタバース上の会議室でミーティングをする

  • 芸能人や有名人と会える

  • 自分で作成したコンテンツ(ゲームや空間、音楽、他多数)で収入を得る

挙げればキリがありませんが、現実とは別の生活空間が広がっているのです。

そして当然、そこではビジネスも積極的に行われています。


メタバース上のビジネス

メタバースの普及によって、現在さまざまなビジネスが試されています。
ここでは簡単にいくつか事例を紹介します。

GUCCI(グッチ)がデザインしたファッションをアバターに着せる

ファッションブランドのGUCCIは、さまざまなメタバースでビジネスを展開しています。メタバース内に出店されているGUCCIのお店に行けば、そこでアバターのファッションを購入できて、それをアバターに着せることができます。


バーチャル渋谷・原宿・大阪

日本発のメタバース「cluster」では渋谷区公認で、渋谷の街を再現したバーチャルスペースを展開。そこではスポーツ観戦やハロウイン、クリスマスなど、多くのイベントが開催されています。

さらにそこでは「BEAMS」などのショップが商品をイベント販売することがあり、
 ・メタバース内で商品を見る
 ・欲しい商品を購入して家に届けてもらう
など、現実とバーチャルを融合したビジネスも注目されました。


NIKEがメタバースでバーチャルパークを制作

スニーカーをはじめとしたスポーツブランドを展開するNIKE(ナイキ)は、「Roblox」というメタバース内で独自のバーチャルパークを作り、そこでスポーツを楽しめるようにしました。
さらにRoblox内で着用できるアバターファッションも購入することができます。



今後メタバースビジネスで必要とされる人材

現在、急速に発展を続けているメタバースでは、今後どのような人材が求められるか予測してみます。

①プログラマー・システムエンジニア

当然と言えば当然ですが、今後のIT発展、メタバースの発展にはプログラマーやシステムエンジニアは欠かせない存在です。


②デザイナー

デザイナーはメタバース内で大きな役割を担うことになります。

  • ファッションデザイン

  • 空間デザイン

  • キャラクターデザイン

  • 建造物

  • ゲームデザイン

  • 他多数

「デザイン」と名のつくものは、今後メタバース内で重要な立ち位置になることが予想されるでしょう。


③ゲーマー

ゲーマーとは、ゲームをしてお金を稼ぐ人のことです。現在でもプロゲーマーという職業は存在しますが、メタバースが発展していくと「eスポーツ」もより現実のスポーツに近い熱狂的なファンを生み出す可能性があります。

するとそこの選手として活躍する人材も必要になってくるでしょう。プロゲーマーだけでなく、アマの大会もメタバース内で開催されるようになれば、ゲーマー人口は大きく増えることになります。


④その他クリエイター

クリエイターとは、先ほどのデザイナーを含むメタバース内のさまざまなコンテンツを企画制作する人のことです。

  • ゲーム

  • イベント

  • テーマパーク(個人でも制作が可能)

  • 音楽関連

  • 芸術関連

  • ライター

  • 他、無限大

優秀なコンテンツは高値で売買される可能性があり、そのためコンテンツの企画ができる人材は重宝されるでしょう。


⑤スピーカー&インフルエンサー

テレビにはタレント・芸能人、ラジオにはラジオパーソナリティ、YouTubeにはYouTuberがいるように、今後はメタバース内にもインフルエンサーが生まれる可能性があります。

「メタバースの有名人と言えばあの人」というポジションを先駆けて手に入れることができれば、そこに多くの可能性を見出せるでしょう。
今後はメタバース内のタレントを起用する企業も増えてくるかもしれません。






今後メタバースが発展すれば、これら以外にも多くの雇用が生まれる可能性があります。

このような新市場でライターはどのような立ち位置になるのでしょうか?
メタバースが発展した世界で、ライターがどんな仕事を請け負うのか?
次章では将来を予想しながら、さまざまな働き方を考えていきます。


メタバース時代の「ライターの仕事」

メタバースが発展することで、将来的には新たな雇用が生み出されるでしょう。
ここからはクリエイティブになってメタバースでのライターの仕事を考えてみましょう。

コピーライティング

広告の文章を扱うコピーライターは、商品・サービスを販売する際に欠かせない職業です。
メタバース内でビジネスが展開されるなら、コピーライターも必要とされるでしょう。

しかし、現実世界でのコピーライターとは仕事内容が変化する可能性もあります。

これまで平面の画像を使って商品・サービスを紹介していたものが、メタバース内では、商品を立体的に映し出すバーチャルコンテンツを見せながら(または手に取ってもらいながら)説明する機会も出てくるでしょう。

オンラインショッピングから「バーチャルショッピング」へ移行するため、言葉の選び方もバーチャル向けに変えていく必要が出てくるに違いありません。

さらに「文章」による説明だけではなく、「音声」「映像」による広告が主流になることも考えられます。
「商品を手に取ったお客さんが、どこを見たときにどんな音声を聴かせるか?」
について模索して、文章を作っていく作業もあるかもしれません。


シナリオ制作(ゲーム・ドラマ・映画)

例えば、メタバース内ではさまざまなゲームコンテンツが発展することが予想されます。 

ゲームの種類によっては考え抜かれた

  • ストーリー構成

  • 登場キャラクターのセリフ

  • 物語背景

を重視する開発企業・個人も出てくるでしょう。そのため、利用者に感動や熱狂を与えられるシナリオライターは重宝される可能性があります。

また、ゲーム以外でも「メタバースドラマ・映画」が制作されるようになれば、プロ・アマのシナリオライターが活躍する未来もあるかもしれません。

ただし、メタバースゲームやメタバースドラマ・映画は、私たちが今現実で見ているゲーム・映画とは大きく違ってくることが考えられます。

例えば、これまでモニター越しに見ていた映画を、メタバースではその映像の中に視聴者が入ることが可能になります(登場人物の1人になれる可能性もあります)。

そうなった場合には360度の見せ方から逆算したシナリオ制作を求められるでしょう。


情報発信ライター

情報発信ライターは、メタバース内の情報をいち早くキャッチして発信していくライターです。今のWEBライターに近いものになると予想されます。

ただし、今後のウェブの発展を考えると、
・情報の新鮮さ
・価値
・真実性
・倫理性
・独自性
・リアル
がより評価されることも考えられます。

さらにメタバースという特殊な空間だからこそ、「見て読む情報」よりも
手にとって見ることができる立体的な情報
が主流になる可能性があります。

AI技術の発展で情報ライターの環境が激変?!

メタバースとは話が少しずれますが、近年「Chat GPT」のようにAIが文章や絵を作成することが可能となってきています。
以前から「ライターの仕事はAIに奪われる!」と言われていましたが、それが現実味を帯びてきました。

メタバースにしろウェブにしろ、ネット上にある情報をかき集めるだけのライターが生き残るのは難しくなってくるでしょう(ユーザーが質問したらすぐにAIが答えてくれるからです)。

情報ライターとして今後生きていくためには、実際の取材や体験ベースの「生きた」文章制作、オリジナルな情報発信が必須になってくると予想されます。

新メディアのライティング

情報ライターとは近いですが、さまざまなメディアで活躍するメディアライターの需要も出てくると予想されます。

もしかしたら新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・オンライン動画・ブログに代わる新たな「メタバースメディア」が生まれる可能性もあります。

今後メタバースの中でどのようなメディアが展開されるかはわかりませんが、

  • ニュース

  • エンタメ

など、そのメディアに沿ったさまざまなライティング作業が必要になってくるでしょう。参入する企業が増えれば、それだけライターの雇用も増えてくる可能性があります。


テクニカルライティング

現実でのテクニカルライターは、商品・サービス(主に家電製品)の使い方を説明書やマニュアルにまとめて、わかりやすく伝えるのが仕事です。

メタバース内でのテクニカルライターは、企業または個人が制作したコンテンツをわかりやすく伝える文章を作ることになるでしょう。

例えば、メタバースの中で独自に発展するゲームコンテンツがあれば、
・ゲームの目的やゴール
・操作説明
・注意点
などを説明する文、音声用のスクリプトを制作する作業が発生します。

今後はゲーム以外にもさまざまなコンテンツやイベントが生まれると考えると、
複雑な情報をわかりやすく整理して伝えるライティングスキル
は、かなり重要になると思われます。


bot用トークスクリプト制作

トークスクリプトとは、一般的にはコールセンターや営業職の人が、顧客対応の際にどのように話すかを体系化したマニュアルのようなものです。

今後、メタバース内では人ではないロボット(bot)のようなものが接客やコミュニケーションを担う場面も出てくる可能性があります。
そんなロボットに「何を言ってもらうか?」というセリフを考えるのがトークスクリプト制作です。

もちろんAI技術が発展すれば自己学習で言葉を選ぶことも可能かと思いますが、細かなニュアンスの違いや不足部分など、まだライターの力を借りる場面も出てくるでしょう。

またAIに関わる「プロンプトエンジニア」も広い意味ではライターにも関わってくるでしょう。AIに対する命令文を考える仕事もあるので、ライティングスキルと無関係ではなく、メタバース時代にも必要とされる職種かと思います。

講演・スピーチ用原稿制作

メタバース内では講演会なども積極的に開催されており、そこで知識・ノウハウの共有、エンターテイメントの発信が行われています。

  • ライフハック

  • 専門知識

  • 自己啓発

  • ビジネス

  • スタンダップコメディ

これが今後どのように発展していくかはわかりませんが、かなり大きな市場になると予想されています。メタバースによって移動の負担や会場のセッティング、顔出しなど、さまざまなコストが不要になるからです。

今でも生配信で講演やゲーム実況をしていますが、それに代わる新たな市場が展開されてくるでしょう。

このような講演には背後に講演者と相談しながら原稿を制作するライターがおり、市場が拡大するにつれてその需要も多くなると考えられます。


最後に〜メタバースは新たなライターの仕事を生み出す可能性大!〜

1979年。
ソニーは音楽の世界に革命を起こします。

「ソニーウォークマン」は、今まで特定の場所でしか聞けなかった音楽を「どこにでも持ち運べる音楽」にしました。
最初ソニーウォークマンで音楽を聴いている人は珍しかったのが、徐々に当たり前の光景になります。そして音楽ビジネスは大きな飛躍を可能にします。


1985年。
NTTが携帯電話の土台となる「ショルダーフォン101」のサービスを開始。

持ち運べる電話はその当時珍しかったのが、徐々に小型化が進んだこともあり、携帯を耳に当てて歩く人の姿も当たり前の光景になりました。どこからでも電話ができる通信の革命は、さまざまなビジネスを効率化していきます。


それからさらに技術発展が進み、メール機能やインターネットの高速化、スマートフォンの誕生により、私たちの生活環境はガラリと変わりました。しかし、そのどれもが、最初は珍しく、今は当たり前の光景へと変わっています。

メタバースに関しても、自分のアバターを持っているのが当たり前になってくるでしょう。

これまでがそうだったように、大衆文化に影響を与える技術発展は、新たなビジネスを生み出す発火剤となり得ます。そしてその時々で、私たちのようなライターの働き方にもバリエーションが増えました。

今後、メタバースが発展したら、私たちライターから何が失われ、何が求められるようになるのか、少し考える機会として本記事を参考していただたなら幸いです。

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