橋梁銘板・塗装記録表コレクション(3)呼塚跨道橋
(3)渋滞名所で活躍中?「呼塚(よばつか)跨道橋」(千葉県柏市)
前回に引き続き、今回も 千葉県柏市に架かる橋をご紹介します。国道16号と6号が交差する呼塚交差点にある道路橋「呼塚跨道橋 (よばつかこどうきょう) 」(柏立体交差高架橋)です。
呼塚跨道橋の地図(Google maps)
通常、こういった特集記事では「インスタ映えする橋!」とか、「一度は見てみたい絶景の橋!」とか、「土木賞受賞のスゴイ橋!」といったものを取り上げるかと思いますが、この連載では「塗装記録表を片っ端から集める」ことが目的となっております。
したがって、時には色味的に映えない橋も度々出て参ります。映える橋も“そのうち”登場しますので、どうかご了承ください。
3-1 渋滞の名所、呼塚交差点
「呼塚跨道橋」の架かる「呼塚交差点」は、知る人ぞ知る渋滞の名所です。「呼塚跨道橋」は、 そもそも 渋滞を緩和するために建設されたものではありますが、国土交通省が毎年発表する「年間・GW期間の渋滞ランキング」で、毎回と言っていいほどトップ3を獲得してきました。
また、(一社)日本損害保険協会が発表した平成29年の「ワースト交差点」ランキングでも、第4位の不名誉に輝いています。
こうした現状を打開すべく、呼塚交差点ではこれまでに繰り返し改良工事が行われてきましたが、変わらず渋滞と事故が多発。「呼塚」という地名も相まって心霊スポット扱いされている始末です…。
近隣に住む者としては、ぜひともさらに改良工事を進めて、決して心霊スポットではないことを証明していただきたいところです!
3-2 時代を感じさせる「呼塚跨道橋」の銘板
「呼塚跨道橋」(柏立体交差高架橋)の銘板です。
柏立体交差高架橋
1973年6月
関東地方建設局
道示(1972)1等橋
使用鋼材 SS41 SS41A.B?
製作 株式会社 ●(桜?)井鉄工所
JR東日本常磐線柏駅前に高島屋やそごうができたのと、ほぼ同じ頃にできた橋のようです。
3-3 塗料は関西ペイント、塗装会社は河野・平岩・山田
塗装記録表は次の通りです。同じ塗装会社の塗装記録が2種類ずつあります。特徴のある手書きのものから、シート状のものまでさまざまです。
塗装年月 1988年8月
塗 下塗 鉛系さび止めペイント JIS-K-5623 1種・1回塗
料 中塗 長油性フタル酸樹脂塗料中塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
名 上塗 長油性フタル酸樹脂塗料上塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
塗料会社名 関西ペイント㈱
施工者 株式会社河野塗装店
塗装面積 4,205m2
塗装年月 1988年8月
塗 下塗 鉛系さび止めペイント JIS-K-5623 1種・1回塗
料 中塗 長油性フタル酸樹脂塗料中塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
名 上塗 長油性フタル酸樹脂塗料上塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
塗料会社名 関西ペイント㈱
施工者 平岩塗装店㈱
塗装面積 4,205m2
塗装年月 1988年8月
塗 下塗 鉛系さび止めペイント JIS-K-5623 1種・1回塗
料 中塗 長油性フタル酸樹脂塗料中塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
名 上塗 長油性フタル酸樹脂塗料上塗M11-450 JIS-K-5516 2種・1回塗
塗料会社名 関西ペイント㈱
施工者 山田塗装㈱東京支店
塗装面積 2,751m2
下塗に使われていた「鉛系さび止めペイント」(亜酸化鉛さび止めペイント・JIS-K-5623)は、塗料・塗装業界全体の取り組みとして塗料中鉛の廃絶を目指した結果、現在は「鉛・クロムフリーさび止めペイント」(JIS K5674)にJIS規格が移行しています。
3-4 「塗装記録表コレクション」の裏ワザ!
実は今回、撮影した銘板や塗装記録表の一部に網が掛かっていまして(盗難防止?)、網の横の隙間からチラリと見えているものを編集しています。そういった関係で、掲載写真の大きさがバラバラになっています。
また、今回は夕方に撮影したこともあり、陽の当たる西側から撮影した写真が少しオレンジ色を帯びています。色を扱う塗装のコンテンツだけに、本来ならば写真の色味にもこだわらなければいけないのですが、 「 夕焼けに染まる塗装記録表」ということで、何卒ご了承ください。
次回は千葉県浦安市の「京葉江戸川橋梁」
次回は東京ディズニーシー上空に架かる「JR京葉線・江戸川第一橋梁」(千葉県浦安市/東京都江戸川区)の塗装記録表をご紹介したいと思います。