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【映画】おと・な・り

※この記事は映画レビューを含むため、ネタバレやあらすじが途中出てきますのでご注意ください。


恋愛要素    ★★★☆☆
面白さ     ★★★★☆
映像面     ★★★☆☆
2009年公開


お隣さんという近いようで遠い、不思議な関係

私はマンションで暮らしているけども、お隣さんとは特別な関係性もなく、どんな仕事をしている人なのか、どんな生活をしている人なのか、よくわからない状況で暮らしている。
たまに出会う時もあるけれど、挨拶を交わしたこともなく、お互い黙って部屋へと入っていく…といった調子。元々単身向けワンルームで暮らしているのもあるし、あまりプライベートに踏み込んでいいようなマンションでもない。ファミリー向けだとお互い子どもがいれば、何歳ですかぐらいの会話が生まれたり挨拶をする環境が生まれたりもあるが、単身者だと我関せずという状況にあると思う。ずっとおひとり様である状況なので、映画やドラマのようなお隣さんとの人間関係が出来たことはこれまで一度もない。

お隣さん、隣人というテーマはほんの少し憧れも混ざったテーマのようだと思う。綺麗な女性、かっこいい男性、ミステリアスな隣人、といった調子でお隣さんに描く夢や幻想がある。
今回レビューする作品も、お互いの顔を知らず 物音だけが交流のきっかけという感じで始まっていて まさに「隣人」という感じ。
映画の始まりは騒音で隣人に迷惑をかけてしまい、隣人も負けじと爆音で返す・という始まり。

マンション住まいだったら騒音トラブルに巻き込まれたなら一度はやりそうな騒音返し。騒音はなかなか深い問題だと思う。

私自身は気にしない方だったけど、母や妹は騒音が嫌いだったらしくよく愚痴をこぼすこともあった。
母や妹の名誉のために書いておくけど、決して器量が小さいということではなく夜中二時ぐらいに室内に廊下を走る音を響かせていたから。
あんまりに酷くて睡眠障害になってしまい、問題の家(隣人ではなく上下階だった)に話をしにいくと 真夜中は誰も起きておらず家族全員寝ています…という恐怖の解答が帰ってきた。
その家ではたびたび変なことが起こっていたらしく、まさか下の階に住む人からもクレームがくるとは…ということで後日お祓いをしたらしい。そのお祓いの効果があってか、物音はぱたりと止んだが、騒音が酷いときは下の階に住む私たち家族も影響を受けていて、廊下に突然水がたまる(水がある場所からは遠い変なところ)なども起こっていたのだが、上の階がお祓いをしてもらうとそれもオマケでぱったりと止んだ。
騒音トラブルの中で、特に印象的な出来事で これを超える展開はまだない。

そして劇中での肝心の恋愛面はというと、主人公たちが華やかに巡り合って距離がどんどん近寄る…という感じではなく、他人の恋愛騒動に巻き込まれたり、突然気に留めていない人から告白されて恋愛に巻き込まれていく感じで主人公たち自身は全く絡みがない状態が続く。
主人公たちはお互いが影のある感じの雰囲気の人物で見入ってしまいます。
そして各々の夢(仕事)について思い悩む…というストーリー展開。
そんな主人公たちがつながったのは一つの歌。
隣の家の壁からうっすら聞こえてくる歌に、隣人も合わせて同じ歌を歌う。
同じ歌を歌っていることに気が付く隣人。

お互いの顔は知らないし、会話をしたこともない。
何とも心の琴線に触れるような、小さな小さな繋がりからようやく始まるが、やがて田舎に帰って同窓会に偶然参加して…と後半はいきなり隣人との距離が詰まっていくという展開でした。

恋愛面は星3としたのは、恋愛映画のはずだけど映画の半分以上が主人公同士に接点のない状態が続きます。お互いの私生活が展開されて、やっとつながった恋愛要素は壁から聞こえた歌をきっかけということで、割と後半になります。
序盤早々に巡り合って、主人公同士の恋愛が始まって…という展開ではないので、少女漫画のような展開ではないため あえて星3としましたが、ラブラブな恋愛を見るにはちょっと気恥ずかしい…という人であれば、星5ぐらいのポテンシャルがあります。
自分たちの私生活を大事にしながら、夢に向かっていく。その中からゆっくりと始まる恋愛。きっともし両想いだとわかっていても夢のために即座にお互い離れ離れの生活だっただろうし、それがなんとも「THE 大人」という感じの恋愛で好感の作品でした。
恋愛面については評価が分かれそうな感じでありますが、個人的には星5のポテンシャルがある作品です。

あまり恋愛系の映画は見ない方で、耐性がない方だったのですがこの映画はすんなりと見れて雰囲気もあってよかったです。ゆっくりと家で過ごすときに見たい映画です。

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