れいこちゃんのTPS(ターニングポイントストーリーズ)
人生にはターニングポイントがつきもの。人生の選択で人は変わる。幸せへ向かうための一歩を、人はどのようにして歩みだしているのだろうか。そんな幸福へ歩みだすきっかけをご紹介します。とある元社長令嬢の物語。
少し前まで、順風満帆の人生だった。
祖父が事業家で私の父がそれを継いだ。輸入卸の会社である。会社は順調に業績を伸ばした。ビルやマンションなど家賃収入も見込め、「相続税、たいへんになるねえ」といった話がでてくるほどであった。三人兄弟で末娘の私は、何の不自由もなく生活をしてきた。
そんな時、叔父さんの事業が傾き始めた。祖父、父は叔父の事業を援助した。しかしながら少々の援助では焼け石に水で、叔父は自己破産。連帯保証人になっていた父の肩にすべての借金がしかかっていった。数々のビルやマンションを手放し、最後には両親の住む家も手放すこととなった。
そんな激動の時代に私は夫と出会った。
お付き合いをしていた頃は、社長令嬢であり、箱入り娘。それがあれよあれよという間に借金まみれの女になった。そんな私に夫は「家と結婚するわけじゃないから」と笑って結婚してくれた。
もちろん結婚なので、私の両親も家の事業の話を夫の両親に説明した。父も「娘に借金の責任がかからないようにしてある。この一連の債務の責任をとって、社長から引退し兄に後任を譲る。」そんな約束もしていた。夫の両親もだからこそ、「2人がよければ結婚したら」と言ってくれた。
あれから月日は流れ、私たち夫婦は子どもにも恵まれた。日々子育てに奔走する日々を送った。しかし夫は、父が社長をなかなか退任しないことなどから、「れいこちゃんの実家、信用できないね」と、口にすることもあった。もちろんそうだよね。あの大事な節目の日に、父は約束をしたことを実行していないのだから。
私自身も負い目があった。付き合い始めたころは社長の娘だったのに、いまは全くそうではない。夫の助けになるようなことしてあげられていない。夫婦なのでもちろんケンカもする。離婚したいと思った時もある。だけど踏みとどまり、ここまで来た。
現在はお陰様で、夫の仕事は順調で、楽しく暮らすことができている。
だけど、こころのどこかに謎の不安が潜んでる。
メンターの亀井さん(鴨さんからの紹介)に相談する機会があった。亀井さんは、犬飼ターボさんが考案された、人間心理学センターピースという講座の認定講師。犬飼ターボさんは、本も沢山出されている人だ。
お金のゆとりができてきたからこそ、相談できるようになった。亀井さんから「まだ、ひとに話してない闇は、何かある?」と聞かれた。
自分でも、心の中を探してみた。丁寧に探してみた。そこには、夫に捨てられるのではないか、家族として認めてもらってないのでは。そんな不安がこころの中央にある。だからこそ、心から笑えないのだ。
勇気を振り絞り、夫に訊いてみた。「私、家族として認められていないのかな。」夫は「そんなわけないやろ」と笑い飛ばしてくれた。夫婦で話もできた。夫婦とは、お金とは、たくさん考えた。そして夫婦関係も良くなった。
最近断捨離をした。私の服だけでなく夫の服も。お金を払って物を捨てるなんて、以前だったらもったいなくって考えられない行為。家の中の服が4分の1ぐらいになった。
家の中が見事にすっきりし、そしてまた一層こころが軽くなった。
子育ても一段落したので、そろそろ私も活動しようと思っている。好きな仕事シーターヒーリングの仕事を始めようとしている。出会った人たちがこころの荷物を捨て、心から笑えるようにね。