しげおにーさんのTPS(ターニングポイントストーリーズ)
人生には選択を迫られる時がある。人生の選択によって、その後の方向性が変わる。ひとは幸せに向かうために、どのように人生の選択をしているのだろうか。人生が好転した、とある社長のターニングポイント。
前厄の年に海運会社・社長に就任した。そして今年、令和2年は本厄の年。なので、門戸厄神にはお参りにも行った。関西では有名な厄除け神社だ。にもかかわらず、年明け早々に、会社のトラブルが立て続けに2件起こった。
1件目の安全にかかわるヒヤリハットが起こった時、社員全員に注意喚起を行った。安全配慮を徹底した。十分に『伝えた』。しかし、同じようなヒヤリハットがまた起こった。事故にはつながらず、備品の補修で終わったが、『何故だ』、『これではいかん』という思いが湧いてきた。
社長に就任する前は、外資系の花形ITのシステム会社でトレーナーとして働き、その後コンサルタント会社でコンサルタント勤務をこなしてきた。なので『伝える』技術は十分にあると思ってきた。にもかかわらず、現状は『伝わってはいない』のだ。
そんな時に見つけたのが、youtubeでの鴨さんの『話し方の学校』。伝達力について知るために、体験講座に参加。そして、話し方の学校に参加することにした。
学校に参加して初めて鴨さんから言われたのが、「始めは、話し方は教えません。まずは笑顔の投稿と、褒めワークです。」笑顔をfacebookに投稿し、そして出会った人を褒めるのだ。
「どういうことだ!」と文句を言いたくなった。『伝える』を学びに来たのに、教えないって、なんてことだ!
しかし、よく一緒になる、隣の席のチャレンジャーさん(ニックネーム)。若い人だけれど、本当に熱心に聞いているし、宿題もまじめにやっている。その姿勢に刺激を受けて、頑張ろうと思った。中でも頑張ったのが「褒めるワーク」。日々船員さんをホメホメ、褒めては投稿し、宿題を行っていると、船員さんたちから「船に来てください」、とお声がかかるようになった。船に乗って話を聞いていると次から次へ、出るわ出るはの問題点だらけ。「こんなこと、放置してたのか・・・。そりゃあ、いやになって船降りちゃうよね」、心からそう思った。そこから、船員さんたちの話を聞いて回る日々が始まった。
おかげさまで、いまは問題解決に奔走する日々を送っている。
例えば、ミーティングに遅刻してきた若い船員さんに「いいねえ~」っと声をかけた。後から聞いた話では、その時、怖かったのだそう。だけどそんなやり取りをきっかけに、船員さんたちから近寄って来てくれるようになった。今までと比べぐっと距離が近寄ってきた。
また例えば、船員さんたちから、怪我をしないための高級軍手を買ってほしいとの要望が上がってきた。安いものだと直ぐに消耗するし、船員の身を守るためには大切な軍手。だけど何せ高い。どうする?そうすると、スタッフからも「それぞれの船に、ニーズを確認してみましょう」の声が上がる。「それいいね。頼むよ」という話になる。そうなると、各船からの必要枚数が上がってくるようになった。こういった、日々の細やかな改善が、スムーズな安全対策につながってくる。
そう、これなんだ。この信頼関係が必要なのだ。そのためにはまず相手を承認し、関係性を作っていく。これこそ何より大事。関係性ができてくると、『伝える』よりも前に相手から、話してきてくれる。これこそが、笑顔と『褒めるワーク』の効果なのだ。
だから今の会社スローガンは、『めざせ!コミュニケーションNo1の船会社』。コミュニケーションにより仲間たちが一つながりに繋がって、大海原へ、いざ出航!
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