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【読書記録】俺ではない炎上

これは震えました!冒頭から、そういう方向から物語が進むのね!と感心しながら読んでいたのですが、見事にやられました。

どんな物語かというと、ミステリー好きならばあらすじから惹かれます。

外回り中の大帝ハウス大善支社営業部長・山縣泰介のもとに、支社長から緊急の電話が入った。
「とにかくすぐ戻れ。絶対に裏口から」
どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、大炎上しているらしい。
Twitterで犯行を自慢していたようだが、そのアカウントが泰介のものであると誤認されてしまったのだ。
誤解はすぐに解けるだろうと楽観視していたが、当該アカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として言い分を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。


ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられ、ともすると殺されそうになる中、泰介は必死の逃亡を続ける。

双葉書店

SNSでなりすましによる巧妙な罠。
SNSの話が真実となり、誰も本人のことを信じてくれないという辺りが今どき感満載ですね!

YouTuberなどのインフルエンサーでも、SNSにちょっとデマが出るだけで「えっ、そんな人だと思わなかった」とすぐに信じられてしまう世の中。だからこそリアリティーがありました。

それぞれの登場人物の視点で物語が進んでいくので、それぞれの心情や考えがわかっていくのですが・・・読みやすい!この人の視点でくるのか!と思いながら読んでいると、最後にまさかのトリックが隠されていました。


双葉書店公式サイトより

山縣泰介やばいやつじゃん!そりゃこんな風にされるわ
から始まり

待って、この人全然悪い人じゃないじゃん!むしろパワフルだし、バブル時代?を生きてきた人なんだな!という根性も感じられました。逃亡劇もなかなか、普通の人にはできない方法で逃げていくのが面白いです。

犯人じゃないということがわかっているのに、逃亡劇の行く末からページを捲る手が止まりませんでした。

何よりも、犯人が前半では全然わからなかったことも手伝い、

「待って、これもしかして犯人はどうでもいい、逃亡劇メインの話?」と思うほどでしたが、すっかり騙されてしまいました。


この人の作品、他にも色々読んでみようと思いました!

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