ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊

忘れもしない小学生のお正月、近くのゲームショップの初売りで僕は「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊」(以下「ポケダン」)を買った。
ポケモンの本筋以外のタイトルを買うのはこれが最初で最後であったのだが、それもそのはず当時は「第三世代」と呼ばれる、我々の年代に最も直撃していたRSE・FRLGの熱気も終盤にして「第四世代」の影がチラつき始めた頃だからだ。

「ポケダン」はポケモンコンテンツとしては珍しく、公式でポケモンが「話す」ゲームだった。
設定上は主人公は人間なのだが、ゲーム内ではポケモンしか出てこず、野生と野生でないポケモンの差には少し違和感がありつつも、これまでにないゲーム性に心が躍った。
そしてポケモンだけが登場するからこそ、本筋では味わえない、まるで御伽噺のようなストーリーも新鮮だった。
因みに僕はミズゴロウになった。

ストーリーはかなり綿密に作り込まれていて、元の人間に戻るにはどうすれば良いかを探しつつ、作中にあるキュウコン伝説という御伽噺の中に更に御伽噺がある格好も面白い。
「救助隊」という設定がややズレているような気もするが、当時はまだ本筋に登場していないルカリオはこの時点でどういった性のポケモンなのかもしっかり描かれていたのもメタ的にナイスなものだと思う。
伝説のポケモンたちとの衝突もあれば、和解もあったり、勘違いだったり、ポケモンの個性も様々で、キーパーソンならぬキーポケモンたるゲンガーの人間臭さは当時クソガキだった僕にズンとのしかかるものがあった。
ストーリークリア後の要素も非常に多く、更にストーリーが展開されたりしていくし、本筋では幻のポケモンも全員出演して仲間になれるというのも大きな魅力だった。

ゲームの難易度も非常に良くて、クリア後は99Fまであるダンジョンは幾つもあるし、セーブ禁止やアイテム縛り、特殊な制限のダンジョンも多くある。
最難関「きよらかなもり」はやり込み要素としても完璧で、多分今でも攻略wikiは度々更新されているのではなかろうか。
ゲームバランス自体はあまり良くないのだが、本筋では見向きもされないポケモンや技が「ポケダン」では強かったりして楽しかった。
一応は全ポケモンを仲間にするまでやり込み、次回作も出たらやるぞと思いながら、その続編を買う前にポケモンから離れてしまった。

コロコロコミックにて「ポケモン不思議のダンジョン ギンジの救助隊」という作品でコミカライズされている。
僕が唯一コロコロ作品で買った単行本である。
主人公・ギンジは額に傷のあるアチャモなのだが、その傷を見るとカブト丸を思い出す。
今ウワーナッツ~と思ったそこの君、インターネットというともだちエリアで僕と仲良くしようか。

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