\これだけは覚えておきたい/シャントの基本
皆さん、お疲れ様です。
本日は、血液透析を行うにあたって必要不可欠であるVA(バスキュラーアクセス)の一つであるシャントについて、簡単にですが纏めましたので是非とも、勉強や復習などの振り返りに活用してみて下さい!
この記事を読むとこんなことがわかります!
▶VAとは?
▶自己血管内シャント(AVF)
▶人工血管(AVG)
▶動脈表在化
▶VAとは?
まず、VAはシャントと非シャントの2つに大別されます。
シャントは現在の主流である内シャントと、昔の手法であった外シャントに分かれます(外シャント:橈骨動脈と前腕の静脈に、カニューレを留置し、2つを繋ぐ)
現在の主流となっている内シャントはAVF・AVGと呼ばれるものですが、これらについては後程記します。
次に、非シャントですがいわゆる、ルーメンカテーテルや後述する動脈表在化なんかがそれに当たります。
その他にも、上腕動脈や大腿静脈に直接穿刺したりしますが緊急時に透析を施行する時は、カテーテルを挿入するのが一番リスクが少ないです。
▶自己血管内シャント(AVF)とは?
一般的に【内シャント】と言えば、現場ではAVFの事を指すかなと感じますが、その理由は、シャントを作成するときの第一選択がこのAVFであるからかなと思います。
動脈と静脈を繋ぎ合わせるのですが、そもそもまず、どうしてシャントって必要なの?と患者さんに聞かれたり、透析の勉強を始めた時に疑問に持ったことはありませんか?
その理由は、身体中の毒素を4時間という短時間での透析で、綺麗にするためには大量の血液量が必要になりますが、通常の静脈からそれを確保するのは無理があるためです!
通常、橈骨動脈と橈側皮静脈を吻合血管として選択しますがこれが絶対とは限りません。
尺側で吻合したり、前腕部での作成が難しい時なんかは肘部で作成したりします。
AVFを作成する箇所は、いくつか候補があり1:タバチエール 2:前腕部 3:肘部 4:上腕部が主になります。
いきなり上腕部に作らず、初めは手首付近であるタバチエールで作れるかを確認して、そこから上へ上へと作る場所を探したり、閉塞した時に作り直します(手首や前腕では困難となれば、上腕が第一選択になります。いきなり上で作っちゃうと、作り直すときに作れる箇所がなくなってしまう)
▶人工血管(AVG)
現場ではグラフトと呼ばれますが、AVFでの作成が困難であると判断した時や、穿刺が難しい時などに選択されます。
生体にとっては異物であるため、AVFに比べて、閉塞や感染のリスクが高いのが欠点です。
グラフトの素材はePTFEとポリウレタンの2つが主流でありPTFEは移植後、すぐに穿刺する事は出来ないが、ポリウレタンは早期の穿刺が可能です。
AVGの一番の問題は、狭窄です。特に流出路の狭窄が原因となり閉塞するケースがほとんどです。
早い時はシャントPTAで言われる3か月持たないケースもありますが、最近では新たに市場に出たステントを留置する事で狭窄を防ぐことが出来るようになってきました(また、後日にでも)
では、このグラフトの狭窄あるいは閉塞を防止するにはどこに気を付ければよいのか?と思われるかなと。
一番、わかりやすいのは透析中の静脈圧をモニタリングすることです。
あれ、何か静脈圧ちょっと高くない??と感じたら直近の記録をさかのぼってください。
今日、たまたま高いだけなら穿刺場所が良くなかったのかな?と思いますが、経時的に高くなってるならシャントエコーで血管内を確認する必要がありますので、その辺りを意識してアセスメントできると良いかなと思います。
▶動脈表在化
AVFやAVGでの内シャントの作成が困難である時に選択される手法です。
頻回な穿刺トラブルで静脈が荒廃していたり、心機能が低い、AVGでの閉塞回数が多いなどが適応です。
深い所にある動脈を可能な限り、皮膚の下にまで持ち上げてきます。
メリット:心機能が低下している患者に使える・スチール症候群などが起きない
デメリット:動脈へ直接穿刺するため様々な合併症が考えられる・返血側の血管確保が課題・止血が難しい
選択部位は、上腕動脈や大腿動脈となりますがポピュラーなのは上腕動脈だと思います(私は上腕動脈しか経験ないですし、そもそも表在化している患者さんに出会ったのも、今の病院が初めてなので、出会わない人はとことん出会わないと思います。)
心機能の低下の目安としては心エコーでの駆出率が40%以下であると教科書的に記されていますので頭の隅に入れておくと良いでしょう。
▷終わりに
今回は、シャントについて簡単にですがまとめてみました。
まだまだ、吻合方法の違いによる特徴や管理方法など気になることは沢山あると思いますので別の記事でまとめていければと思います。
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