【実録】必要なのは"バズ"じゃない!eスポーツ大会同接が予算をかけずに7倍!?
どうもずーサンです!ちゃす!
今回は、ボクが担当している「#コンパス×ウェルプレイドリーグ」というゲームの大会の、マーケティング的なお話をします。
※このnoteを書いた時点で1,300万DLの対戦型スマホゲームです
■はじめに
今回お話するのは同接700だった大会シーンを2年をかけて同接5,000まで引き上げた話です。
前置きとして「バズは不要だ!」なんて言う訳じゃないです。
ボクにはバズを意図的に起こす才能が無いから、バズ以外で勝負するしかなかったって話です。
金額を積む大々的なプロモーションは行っていません。
ゲームプレイ人口が爆発的に伸びた訳でもないです(もちろん増えている)。
昔ある人に、「予算がかからなくて成果を上げられる人が一番優秀である」と言われた言葉は今でも心に残っています。
ボクはマーケティングの専門家でも何でも無いけれど、それ故に色んな人がパクれる施策であると思っています。
「誰にでも出来る。でも誰もやらない事。」
ボクら凡人が戦えるのはそこです。
eスポーツのという言葉すら知らずにこの業界に入ったボクが、この2年間どう考え、何をしてきたのかをお話出来ればと思います。
割と貴重な数値も公開しているので、是非参考にしていただければと思います。
■背景
ボクらウェルプレイドは、2019年から「ウェルプレイドリーグ」というWPの自社コンテンツを、公式大会として扱って貰える事になりました。
※#コンパスチームとのお付き合い自体はもう少し前からあります
#コンパス民の誰も「ウェルプレイド」を知らない所からのスタートです。
#コンパス2周年フェスで発表された時は、会場にいる全員が「ぽかーん」な状況だったのを覚えていますw
※ボクは現地で皆さんと同じようにフロアの最後方から見ていました
他社さんが前年にやっていた#コンパスの公式大会は同接700くらいが平均。そんな大会シーンをどう盛り上げていくか。
まぁ御託並べるよりも先に、結果を見せますね。
■同接の推移
これは、恐らく貴重な資料なんだと思いますw
※誰かに怒られるかな
#コンパス ×ウェルプレイドリーグがスタートしてから、Season2が終わるまでの同接の推移です。
ウェルプレイドリーグが始まる前にやっていたある大会の同接が平均700くらい。
随分伸びましたねw
では既に述べたように、"どうやって大きなプロモーション予算もかけずに数値を伸ばしていったのか?"について整理していきます。
集客において考える事は2つ。
「離脱」を減らす事と「流入」を増やす事。
この2つを整理していきます。
※なんかデブじゃね?
■離脱について
「離脱」というのは、リピートしないという事です。
「なんだかつまらないな」「飽きてきたな」「次は見なくて良いや」
離脱を防ぐ最大の方法は「顧客の満足度を向上させる事」です。
つまりは「商品のクオリティを上げる事」。
ラーメン屋であればもう一度食べたい美味しいラーメンを提供する。
美容院であれば綺麗なカラーリングや最高の居心地を提供する。
じゃあ、ゲームの大会では?
また参加したいと思える面白い大会ルールだったり。
また見たいと思えるワクワクする演出だったり。
こういった大会や配信のクオリティを上げる事が、リピーターを生み出す。
つまりは「離脱」を防ぐ最大の方法です。
穴の空いたバケツにどれだけ水を汲んでも溜まっていかないのと同じで。
まずは穴をしっかりと塞いで、こぼれていかないバケツを作ってから水(人)を集めます。
優先順位としては「離脱を防ぐ」が先。
言われれば「そんなの当たり前じゃん」って思うかも知れない。
けれどよくこんな勘違いが起こります。
「良いものを提供していれば自然と人が集まる」
そんな事ないです。
それは「たまたま」誰かに発見されて、「たまたま」その人に発信力があって、「たまたま」バズったとか。
そんな「たまたま」を待ち続けた所で何の保証もない。
来てくれればファンになってくれて、その後もリピーターになってくれる。
そうやって離脱を防ぐ土壌が出来たら、次は「流入」増やす番です。
■流入について
「流入」とは、どうやってここに人を連れてくるのかという事です。
今回で言えば、どうやって「大会出場者」と「大会視聴者」を連れて来るのか。
これについてはグダグダ語るよりも、実際にやってきた施策と狙いを端的に述べようと思います。
▼中の人の見える化(大会責任者ずーサンの顔出し)
正直これが一番重要だと思ってます。
「大会運営」ってどうしても無機質な存在になりがちですけど、今は人に信用がついてくる時代で、それは大会運営だって同じ。
「誰がこの大会を運営しているのか」をわかるようにしようと思いました。
そうすれば、何か大会に対して意見があった時にはずーサンに言えば聞いてくれるし、トラブルがあれば大会アカウントが謝罪するのではなく、ボクが頭を下げます。
そうやって「ウェルプレイドリーグ」に対する信用を得ていく。
人の顔が見えているというのは物凄く大事な事なんです。
▼ミラティブ配信
中の人の見える化の施策の一つで、ボクら大会運営チームによる#コンパスミラティブ配信を行っていました。
ウェルプレイドリーグを運営している3人でアリーナに挑む配信です。
そうする事で、中の人のキャラクターがわかってきます。
そして、本当に#コンパスを好きでやっているんだ、ビジネスライクにやっている訳じゃないんだってのが伝わります。
※今はコチラのチームもメンバーが変わったりしてやれてないけれど、楽しいからまたやりたいな...
▼力技の認知拡大キャンペーン
※サイト公開記念キャンペーン/ch登録キャンペーン
これはよくあるやつです。
とにかく知ってもらわないことには始まらないという事で、Twitterをフォロー/ch登録を条件に数を稼ぎました。
離脱の施策をしっかりと固めてさえいれば有効な施策です。
※そこがしっかりしていないと、キャンペーン後に外されてしまうので
▼チーム紹介動画
これは大会責任者であるずーサンが、ベスト4入りして配信まで辿り着いたプレイヤーをプレゼンして皆さんに紹介するという施策です。
「大会を見ない理由は何だ?」と考えた時に、「出場している人の事を知らないからじゃないか?知っていれば見るんじゃないか?」という話になり、少しでも事前に知って貰いたいという想いで始めました。
すると、以外にも選手側からも好評で「そこで紹介されたい!」というのが大会参加のモチベーションにもなっているみたいなのでわからないものですw
▼ファンアートの募集
出場チームのファンアートを描いてくれると、それを配信のセットに飾るという取り組みを始めました。
#コンパスというゲームには「イラスト」の文化もかなり根付いていて、ファンアートも当時から多かったので、何とかして絵師さんたちも大会シーンに巻き込めないかなと考えました。
提供してくれた方の名前はエンドロールに掲載しています。
また、必ず各イラストに一言運営からの感想を添える事にしています。
▼配信告知キャンペーン
※1位予想キャンペーン/#ツイートキャンペーン
1位になるチームを予想するキャンペーン。配信中に「#ウェルプレイドリーグ」をつけてコメントするとグッズが貰えるキャンペーン。
これらはよくある拡散型の告知手法ですね。
「ウェルプレ見たかったのに気付かなかった」という人を出来るだけ減らす為にも重要な施策です。
▼前回の大会参加者にDMを送っていった
出場するプレイヤーを少しでも増やす為に、前回大会に出場した各チームリーダー全員にTwitterのDMを1つ1つ送っていく施策をやった事もあります。
前回出ているという事は、少なからず大会に出る意欲はあるハズなので、「今回のエントリーに気付かなかった」なんて人が生まれないように、地道に送っていきました。
この作業は一晩中、朝までかかりましたが、これによって思い出したり出場してくれたチームもいたので良かったです。
▼選手のスター化
スポーツなんかがわかり易いですが、明確に知っている選手や応援しているチームがあると見たくなるじゃないですか。
#コンパスは他のゲームに比べて「顔出し」に対してかなりナーバスな界隈でした。
ただ、普段顔を隠しているから顔を出した時に過剰に反応するだけで、普段から出していれば何も言われなくなります。
顔を出すのが当たり前の世界にする為に、ボク自身も顔を出しているし、選手には一緒に動画に出演して貰ったり、取材に応じて貰ったりしてきました。
今では随分顔出しに対してケチがつかなくなってきました。
▼チーム応援PVの制作
ウェルプレイドリーグは約1年をかけたポイント形式の大会ですが、最後のステージに進出した4チームだけには、各チームの名シーンを編集したチーム応援PVを作成しています。
#コンパス民なら誰もが「カッコいい...!」と思えるようなプレイ集を作って、その凄さを皆に知って貰いたいからです。
#コンパスが上手い事が称賛される世界であって欲しいと思ってます。
※1年間参加してきてくれてありがとうの想いも込められています
※編集はボクがやっているので予算は0です
▼キャンペーン当選者へは手紙を書く
毎回色んなキャンペーンを行っていますが、グッズを送る際には必ずボクの直筆の手紙がついてきます。
「ただの当選」ではなく「人からの贈り物」になっていた方が温かいじゃないですか。
と言いつつ打算的な部分もあって、ボクは字が綺麗なので、高確率でTwitterに投稿して貰えますw
そうすると、「グッズ欲しい!」と少しでも思って貰えるし、Twitterに投稿した人のツイートをボクはリツイートするので、いいねが貰えてちょっと嬉しかったり。
もーちょいあったりするんですが、蛇足になりそうな部分はカットしています。
まぁ、色々やっていますねw
ただ、とにかく一番頭の「中の人の見える化」が一番重要だと思います。
コミュニティに受け入れてもらう事は凄く大事な事です。
その代わり、真摯さを欠けばあっという間に信用を失うし、常に皆に見られる事になります。
本気じゃないとバレるので、それ相応の覚悟が必要です。
※ビジネスライクで行くには無理な選択
■大事にしている事
最後に、ウェルプレイドリーグを運営している上で、大事にしている事を書き連ねておきます。
▼大会常連勢が「ウェルプレイドリーグが好き」という状態を作る
大会を支えているのは、まずは何と言っても選手です。
当たり前です。
サッカー選手が居なければサッカーは成立しない訳で、#コンパスプレイヤーが居なければ#コンパスの大会は成立しません。
大会と一番向き合っているプレイヤーは彼らなので、彼らを無視する訳にはいかない。
彼らの声をいつでも拾えるようにしておく事は凄く重要です。
▼出演者が「ウェルプレイドリーグが好き」という状態を作る
出演者は、一緒に大会配信を作り上げる仲間です。
出演者が心から楽しんでいる姿は画面越しに視聴者に伝わります。
出演者の方が「ウェルプレイドリーグを盛り上げたい!」と思ってくれれば百人力です。
なので、最大限の配慮はしつつ、積極的なコミュニケーションをとるように心がけています。
▼現場に入るスタッフが「この現場が楽しい」という状態を作る
スタッフがこの現場を好きでいると、改善提案が自然と湧き出てきます。
そして新しい取り組みやアイディアが生まれてきます。
「こうやったら面白くなりそう」「こうした方が良さそう」
良いコンテンツを作る上では、裏方のチームワークは絶対に必要なのです。
※ウェルプレイドリーグでは配信終わりに必ずボクがスタッフ皆にコンビニで1杯奢ります
▼ユーザーと積極的にコミュニケーションを図る
視聴者の声も凄く大事です。
何を面白いと感じて、何を面白くないと感じるのか。
そして、彼らがボクらの事を応援してくれるようになれば、彼らは友達にウェルプレイドリーグを勧めてくれるハズです。
それはボクらには届かない所に大会を届けてくれるという事です。
彼らの助力なしに、多くの人に大会を届ける事は不可能です。
▼大会当日までのプロモーションスケジュールを組む
ボクは必ず大会本番日までのプロモーションスケジュールを組みます。
なるべく多くの人に告知が届くように、「見たかったのに忘れてた」という人がなるべく生まれないように。
#コンパスの他の告知とかも入ってきますから、それとぶつからないように隙間を縫って汲んでいきます。
※他の大会と告知が被らないような配慮もして組んで行きます
■あとがたり
という事で。
とんでもない量を書いてきましたねw
5,000字だそうでヤバいww
ウェルプレイドリーグファンの人は「あ、こうやって大会運営されてるんだ」みたいに思っていただければ良きかなと。
※ここまで読めてる人凄いw
eスポーツ業界の人、或いは目指している人、集客に悩んでる人。
すぐに出来る事もあれば、出来ない事もあるだろうし、抽象的な説明もあれば具体的な説明もあったと思います。
パクれる部分からパクると良きかと思います。
「誰にでも出来る。でも誰もやらない事。」
凡人なりに頑張っていきましょう!
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