JAPAN HOUSE LONDON 展示Report2
2020年3月22日までJAPAN HOUSE London で開催中の「WOW: City Lights and Woodland Shade 都市の光、郷の灯」を紹介するシリーズ。第2回はタイトルの「Woodland Shade」の部分について。
「Woodland Shade 郷の灯(さとのあかり)」
こんにちは、WOWの佐藤です。展示会全体のプランニングと、POPPOエリア作品の制作をしました。
さて、プロジェクトのスタート時、JAPAN HOUSE London のキュレーションチームが着目したのはWOW作品の視点の多様性、特に都市と地方の両方の視点でした。議論を重ねて決定したタイトルは「City Lights and Woodland Shade」。地方を表す「Woodland Shade」は木漏れ日のような温かみのニュアンスで、対訳を「郷の灯(さとのあかり)」としました。影と光という相反する語が同じ感覚を表すのがなんだか不思議です。
City Lights エリアとWoodland Shade エリア
会場構成
Woodland Shade エリアは、2017年に山形県の「まなびあテラス」で行われたWOWの企画展「POPPO」が元になっています。ここで制作された東北地方の郷土玩具をモチーフにした3つの実験作品は、その後、山形ビエンナーレ2018 やMedia Ambition Tokyo 2019 などの展示でアップデートされてきました。今回の展示ではそれぞれの最新版が展示されています。
POPPO展と作品についてはこちら
https://www.w0w.co.jp/art/poppo
展示エリアでは、私たちのデジタルな作品だけではなくモチーフとなった郷土玩具の実物もあわせて展示しています。POPPOの3作品の目的は、伝統的な世界観の奥深さを新しい表現で見つめ直し、知ってもらうことです。展示物は実際に作中に登場するものを中心にセレクトしました。少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいですね。
会場はCGを使ってシミュレーションしながら構成していきました。今回のようにリモートで現地の機材屋さんや内装屋さんとコミュニケーションを取って進めていく場合は特にイメージ共有に便利です。
展示作品
入り口の東北と郷土玩具の説明の後に目に入る「YADORU」(インパクト!)は、作品で使用している「蔵王高湯系こけし」の生まれた地である山形県の130人余りが登場するプロジェクション作品。会場で写真を撮ってこけしに入り込むことができる体験版も設置しています。
マグネットパネルを貼ることで、「お鷹ぽっぽ」のモチーフとなる動物が現れる「ぽっぽの森」。マグネットパネルは山形の工芸の素材であるコシアブラの木を模しています。
タッチパネルを使って、こけしなどを製作する際の「ろくろ挽き」を体験することができる「ROKURO」。削り終わると自動的に色づけされて作品が後ろのギャラリーに並びます。この作品は毎回列ができるため2台に増やし、ギャラリーもそれにあわせて拡大しました。
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展示は折り返しを過ぎましたが、日本と変わらず多くの方に興味をもって体験していただけているようで安心しています。現地では、JAPAN HOUSE のスタッフの皆さんが熱心に細かく質問してくれ、来場者の方に説明してくださっているのがとても嬉しかったです。皆さん本当に好奇心旺盛で、元気で、楽しそう。本当に良い施設だと思います。機会があれば是非訪れてみてください。
お伝えしたいことは尽きませんが今回はこのあたりで。それでは。
「WOW: City Lights and Woodland Shade 都市の光、郷の灯」
場所:Japan House London
住所:101-111 Kensington High Street, London W8 5SA
期間:2019年11月21日〜2020年3月22日
時間:10:00-20:00(月〜土)、12:00-18:00(日〜祝)
入場:無料
https://www.w0w.co.jp/news/161
<Writing : Technical Director + Planner / Hiroki Sato>
<Photo(一部): JAPAN HOUSE LONDON>