WOW note

東京・仙台・ロンドン・サンフランシスコに拠点を置く、ビジュアルデザインスタジオ・WOW。 スタディやフィールドワーク・インタビュー・展覧会のレビュー・イベントの速報・実験的なプラットフォーム「wowlab」の記事などをお届けします。 https://www.w0w.co.jp/

WOW note

東京・仙台・ロンドン・サンフランシスコに拠点を置く、ビジュアルデザインスタジオ・WOW。 スタディやフィールドワーク・インタビュー・展覧会のレビュー・イベントの速報・実験的なプラットフォーム「wowlab」の記事などをお届けします。 https://www.w0w.co.jp/

マガジン

  • AR x Motion Graphics

    WOWが得意とするモーショングラフィックスとAR(拡張現実)を使った新しい作品の制作を開始しました。ARを使って、あらゆる環境をアートインスタレーション化することを目標としています。作品の公開は2020年6月下旬から7月上旬を予定しており、制作状況など随時WOW noteにて発信していきます。

  • Real-Time CG Study

    WOWスタッフによる Real-time CGを使ったスタディーを紹介します。

  • CGI Study with Houdini

    Visual Art Directorの高岸による、Houdiniを使ったCGスタディーを紹介します。

  • Japan House London展示レポート

    JAPAN HOUSE Londonで開催した展覧会「WOW: City Lights and Woodland Shade 都市の光、郷の灯」について、スタッフによる裏話などをご紹介。

最近の記事

滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.3 - 映像と照明の違い

こんにちは、WOWプロデューサーの安斉です。以前の記事(vol.1)では、自然光と電気の光についてお話しました。今回は、映像の光の性質に関して更に掘り下げ、映像の可能性を探求したいと思います。 明かりとしての光 / 情報としての光 私たちの生活に欠かせない電気の光は、2つの異なる性質を持っています。 1つ目は、明かりとしての性質 2つ目は、情報としての性質 「明かりとしての性質」は19世紀末エジソンの時代から照明として使用され、「情報としての性質」はマクルーハンが言う

    • 江﨑文武がWOWと繰り広げた、『儚さ』を纏う一夜限りのインスタレーションの舞台裏(後編)。

      構成・インタビュー・文 / 山本憲資(Sumally Founder & CEO) 楽譜に沿ったパフォーマンスと、即興演奏の組み合わせについて。 高岸:元々演奏をしていない時間はインターバルを設ける予定だったのですが、当日の来場者数が予定以上に増えてしまい、結局地下1Fにお客さんが随時入っている状態になって、文武さんはほぼずっと弾き続けていました。 江﨑:ゲストには一巡目に、今回制作した曲のメロディを自動演奏のピアノが楽譜通りに弾くのにあわせて、僕は伴奏、弦楽器の2人が

      • 江﨑文武がWOWと繰り広げた、『儚さ』を纏う一夜限りのインスタレーションの舞台裏(前編)。

        構成・インタビュー・文 / 山本憲資(Sumally Founder & CEO) 会場は運河に浮かんだ『船』。地下1Fにはアップライトピアノが2台。1台は自動演奏用で、もう一台は江﨑文武の演奏用。2台のピアノとあわせて、盟友のヴァイオリニストの常田俊太郎、チェリストの村岡苑子とともに、この日のために江﨑が作曲した曲をパフォーマンス。江﨑の弾く鍵盤の動きに連動して、一音一音に対応した気泡が生まれ壁に投影される。その泡が増幅しながら1Fに昇っていき、来場者が触れると気泡が割れ

        • 滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.2 - 光の連続性と離散性

          こんにちは、ビジュアルデザインスタジオWOWでプロデューサーを務めております安斉です。前回の記事では、デジタル化されたLEDの光をどうすれば自然光に近い状態に戻せるか?という試みについて話しました。今回の話は、その逆で、連続する自然現象を離散化する事で、自然現象の雰囲気のみを再現する試みについてお話します。 刻々と変化する光の集合体としての雲 今回のモーション・モダリティ展示の試みは、会場内の通路を、雲の中にいる雰囲気や木漏れ日の気配がある場になるような設計を行いました。

        • 滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.3 - 映像と照明の違い

        • 江﨑文武がWOWと繰り広げた、『儚さ』を纏う一夜限りのインスタレーションの舞台裏(後編)。

        • 江﨑文武がWOWと繰り広げた、『儚さ』を纏う一夜限りのインスタレーションの舞台裏(前編)。

        • 滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.2 - 光の連続性と離散性

        マガジン

        • AR x Motion Graphics
          7本
        • Real-Time CG Study
          7本
        • CGI Study with Houdini
          4本
        • Japan House London展示レポート
          3本

        記事

          滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.1 - 自然光と電気の光

          こんにちは。WOWプロデューサーの安斉です。普段は映像制作の案件に関わりながら、元々建築出身ということから、空間を豊かにするために「映像は建築や都市に対して何が可能か?」という問いを、常日頃考えてきました。 先週末から開催されている弊社25周年展覧会「Unlearning the Visuals(アンラーニング・ザ・ビジュアルズ)」にて、Motion Modality(モーション・モダリティ)という私が進めているプロジェクトの新作展示があり、今回はその制作背景や裏話を何回かに

          滑らかで柔らかな光の映像体を目指して vol.1 - 自然光と電気の光

          UNLEARN BEERができるまで

          こんにちは!デザイナーの加藤です。 今回は、WOWオリジナルビールプロジェクト「UNLEARN BEER」のことをお話していきたいと思います。 なぜWOWがビールをつくったのか WOWは、2022年10月15日(土)から10月30日(日)まで寺田倉庫E HALLにて、25周年展覧会「Unlearning the Visuals(アンラーニング・ザ・ビジュアルズ)」を開催いたします。この25周年展覧会のスペシャル感を出すために、WOWオリジナル飲料を配りたい!という思いつき

          UNLEARN BEERができるまで

          メタバース研究座談会 Vol.2 ゲーム&時空間デザイン篇

          参加メンバー Producer 安斉史人 / Visual Designer 金原朋哉 / Director 大賀頌太 / UI Designer 門田優(オンライン参加) 移動方法、時間の表現……メタバース独自のUXとは ——WOWメンバーのさまざまな視点から、メタバースを巡る状況と可能性を考える座談会。今回はUXにつながる空間や建築デザインなどを切り口に、お話をうかがいたいと思います。まずは一人ずつ、メタバースの注目事例や興味事項をお願いします。 安斉 今日の顔ぶ

          メタバース研究座談会 Vol.2 ゲーム&時空間デザイン篇

          メタバース研究座談会 Vol.1 音楽&スポーツ篇

          参加メンバー UI Director 森田考陽 / Technical Director 石鍋俊作 / Communication Planner 後藤萌 / UI Designer 小林真由(オンライン参加) “メタバース×音楽” 注目事例と現状の課題 ——各所で注目が高まるメタバースですが、今どんな状況になっていて、どんな可能性があるのか、それぞれの視点を交えて考えていきたいと思います。最初に、メタバース関連の注目事例についてリサーチをしてきた方、お一人ずつ発表をお

          メタバース研究座談会 Vol.1 音楽&スポーツ篇

          WOWは、この10年でどのように化けたのか?

          渋谷本社にWOWの3人のエグゼクティブ、高橋裕士、鹿野護、於保浩介が勢揃い。ファシリテーターとしてデザイン誌「AXIS」の編集長、上條昌宏を迎え、WOW magazine創刊200号を記念した特別鼎談が行われました。今年はWOWの創立25周年ですが、ちょうど10年前、15周年を迎えた年、この3人は一緒に「AXIS」の表紙を飾りました。 一方のWOWも、大きな変貌を遂げました。WOW magazine 200号では、鼎談の中からWOWの原点、進化、そして未来について語った部分

          WOWは、この10年でどのように化けたのか?

          「POEM」制作メンバー座談会 Vol.2 CG制作篇

          参加メンバー (左から): Creative Director 中路琢磨 / Visual Art Director 高岸寛 / Visual Designer 真栄城樹 / Visual Designer 久保池良一 2021年夏に発表されたWOWのオリジナルショートフィルム作品「POEM」。人類史のなかでも特異な造形性で知られる縄文土器にインスピレーションを得て、日本の深層に息づく精神性をビジュアライズした作品です。太古の人々と自然の関係、命の循環に想いを馳せて描き出さ

          「POEM」制作メンバー座談会 Vol.2 CG制作篇

          「POEM」制作メンバー座談会 Vol.1 コンセプト篇

          参加メンバー Creative Director 中路琢磨 / Art Director 工藤薫(オンライン参加) 2021年夏に発表されたWOWのオリジナルショートフィルム作品「POEM」。人類史のなかでも特異な造形性で知られる縄文土器にインスピレーションを得て、日本の深層に息づく精神性をビジュアライズした作品です。太古の人々と自然の関係、命の循環に想いを馳せて描き出された“縄文人の詩”は、どんなコンセプトのもとに、いかなるプロセスを経て完成を遂げたのか。 その秘密に迫

          「POEM」制作メンバー座談会 Vol.1 コンセプト篇

          WOW AR Project - Vol.07

          作品「The Peacock Moth」について 「The Peacock Moth」を制作したのは、CGデザイナー 蓬萊美咲とプログラマー中野雄太、サウンドデザイナー 畑中正人の3名です。 本コンテンツは、デザイナーの蓬莱がへルマン・ヘッセの短編小説「少年の日の思い出」からインスピレーションを受け、さまざまな蛾の美しい「カタチ」を模索して生まれた作品です。以下は最初期に蓬莱が描いたスケッチ。 本作品を実装する上で目標としたのは主に以下です。   ・ライティングと質感

          WOW AR Project - Vol.07

          WOW AR Project - Vol.06

          作品「Loop of Life」について 「Loop of Life」を制作したのは、UIUXデザイナー 加藤咲、プログラマー 阿部啓太、CGデザイナー 石井智子、サウンドデザイナー 畑中正人の4名です。2DモーショングラフィックスのAR化をテーマに制作をしました。 本作品を実装する上でのポイントを以下に紹介します。  ・2DベースでARコンテンツ制作  ・AfterEffectsで制作したアニメーションをUnityに実装   └ AirBnbが制作したAEプラグインを使

          WOW AR Project - Vol.06

          WOW AR Project - Vol.05

          作品「WOW PORTAL」について 「WOW PORTAL」を制作したのは、CGデザイナー 金原朋哉とプログラマー 阿部啓太、UIUXデザイナー 加藤咲、サウンドデザイナー 畑中正人の4名です。 本コンテンツの開発は、金原が提案した「2031年にWOWが量子化技術を進化させた空間転送を実現した」というストーリーをもとにスタートしました。以下は最初期に金原がデザインしたイメージ画像。 本作品を実装する上で重要視したポイントは以下2点、   ・上空から都市を見下ろす表現を

          WOW AR Project - Vol.05

          WOW AR Project - Vol.04

          作品「Betweener」について 「Betweener」を制作したのは、プログラマー 阿部啓太、サウンドデザイナー 長崎智宏の2名です。(※アプリ全体のUIデザインはUIUXデザイナー 加藤咲が担当しています) 作品のコンセプトとなったのは、現実と仮想の間を踊るダンサー。現実世界とネット上の仮想世界をシームレスに行き交い、楽しむ昨今のデジタルネイティブな人々を表現しています。 本作品を実装する上で重要となった演出のポイント3つを以下に紹介します。  ・カメラからテクス

          WOW AR Project - Vol.04

          WOW AR Project - Vol.03

          作品「EVERYDAY」について 「EVERYDAY」を製作したのは、CGデザイナー 松永昂史とプログラマー 阿部啓太、サウンドデザイナー 畑中正人の3名です。(※アプリ全体のUIデザインはUIUXデザイナー 加藤咲が担当しています) 作品のコンセプトは、「日常に溶け込むAR」。ファンタジーではなく、実際にスマホ越しで見えそうな身近な風景を拡張する作品を目指して制作されました。  ・目の前で起こりそうな風景の方がよりリアルでは?  ・描画だけでなくシチュエーションでリア

          WOW AR Project - Vol.03