呪われた女33
立川M生桃
蝦蟇仙人は、封印された祠から、出ることができて喜んでいた。
しかし。それを喜ばない一人の女がいた。
宴会も終わり。蝦蟇仙人は、自分の住む懐かしい家に帰ろうとした。
その途端。蝦蟇仙人の蝦蟇が、たけのこ婆の肩に飛び移ったのだ。
おい。そこのたけのこ婆。俺の蝦蟇をどうする気だ?
何をお前さん言ってるんだい?
どうにかしておくれ。 こんな重い蝦蟇が肩に乗っちゃ。何もできやしない。
おーぃ。蝦蟇よ。わしの元に来い。 懐かしい我が家に帰るぞ。
そう言った途端。
蝦蟇が女に背中の蝦蟇油を体を揺らしながら、飛び散らせたのだ。
すると女は、もう。あの住みかは、元々私の物。
返してもらったよ。 そう言った。
たけのこ婆は、そんな事よりも早く、たけのこの山を復活させたかった。
すると、たけのこ婆が徐々に、蝦蟇仙人のような姿に変化してしまった。
そして、蝦蟇仙人の方がたけのこ婆の姿になった。
女は、微笑した。
これで、蝦蟇仙人が家に帰っても何の効力もありゃしない。
そう言って、笑った。
たけのこ婆は、その姿に悲しんだ。
しかし。柘榴や桃の宝珠も手に入れてしまったのだ。
さて。これからどうしたら良いのか?
すると、役行者が、面白いことを言い出した。
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