呪われた女32
立川M生桃
たけのこ婆は、蝦蟇仙人と何か縁があるのだと感じた。
宴会が終わりそうな頃、若い女が現れた。
蝦蟇仙人が、とても嫌な顔をした。
たけのこ婆が、不思議に思い。聞いてみた。
あんた。ひょっとして、蝦蟇仙人の妖術にかかり、顔中がイボだらけになった。
それを役行者に助けてもらったのかい?
すると、若い女が、お前さん。馬鹿も休み休みにしておくれよ。
すると、蝦蟇仙人が話し始めた。
ある宴会の席で、綺麗な女がわしを見て、嫌がったんじゃ。
こんな風貌で、しかし。わしはその女に惚れた。
わしの持っている、あるときは柘榴。あるときは宝珠の様な桃。
柘榴は、子供を授け。桃は、財宝を授ける。不思議な果物じゃ。
それを綺麗な女が欲しがらなかった。何一つ興味を持たなかった。
それで、肩の蝦蟇を使い。イボ女にしたまでのことじゃ。
すると、そこの若い女が、イボ女を見て、わしに挑んで来たのじゃ。
わしは、そこの女に負けた。その女は、ただ者じゃ無い。
わしは、山頂の祠に封じ込められた。封じ込められた時の封印は、役行者の技じゃ。
蝦蟇仙人。お前さん。少しは反省したかい?
あの時の綺麗な女は、あの後、岩山から飛び降りて亡くなった。
それをこの山の精霊が可愛そうに思った。それで、この山に不思議なパワーが湧き出てきたんじゃないかい。
ええっ。それじゃ。この山がたけのこの山で大きな巨大なたけのこなのは、蝦蟇仙人のお陰かい?
馬鹿者。役行者が大笑いをした。
大体のことが、わかった。
それより。どうしてくれるんだい。この山を早く復活しておくれよ。
そう言って、たけのこ婆がせかした。
すると蝦蟇仙人がお前をもっとイボ婆にしてやろうか?
そして、この山から飛び降りてしまえ。
そうすると又山の精霊達が不思議なパワーを出すことじゃろう。
そう言って笑った。