呪われた女15
立川 M 生桃
突然、乞食の男が身の上話をはじめた。
たけのこ婆は、乞食の男の衣が黄金に輝き、それが、二匹の鬼に変わってしまい。それが眷属だと聞いて驚いた。
この乞食の男は、ただ者ではないと思い。詳しく聞いてみる事にした。
乞食の男の話では、美しい母親が病気になり、その母親がお寺にお参りに行った。お寺には、それは美しい蓮池があり、蓮の花を眺めていると、そこに、ガマ蛙が一匹どこからともなく現れた。すると今度は、大きな大蛇か現れて、蛙を一飲みしようと構えていた。美しい母親は、ガマ蛙に石を投げた。すると、その石がものの見事にガマ蛙に命中して死んでしまった。美しい母親が、ガマ蛙にばかり気を取られて、気がつくと大蛇の姿はどこにもなかった。
その日の夜から、美しい母親はガマ蛙の様な姿になり、もがき苦しみながら死んでいった。
それを見た、乞食の男は、美しい母親を哀れに思い、母親が成仏できない事を知り、供養する事にした。
蓮の花108本を集めて、お経を唱えた。来る日も来る日もその蓮池でお経をとなえていると100日目に、ある男の神が現れた。お前の母親は、この池の主である、ガマ蛙を殺した。お前の母親は今、地獄で苦しんでおる。お前の祈りなど、何の役にもたつものか。
乞食の男は、わしは、あんたが誰か知らん。ただ。1つ言わせてくれ。わしの母親は、ガマ蛙が大蛇に一飲みにされそうなので、逃がす為に石を投げた。殺すつもりなどない。
ただ。運悪く、ガマ蛙に当たってしまった。それだけの事じゃ。
あんたも神ならそれぐらいの事、わかるはずじゃ。
すると神が、そこまでお前が言うのなら、ガマ蛙108匹を捕まえてきて、放流すれば許してやろう。
お前の母親を地獄の世界から解き放し、成仏させてやろう。
乞食の男は、その神との約束通り、ガマ蛙を108匹生け捕りにして、蓮池に放した。
すると、今度は神が現れず、母親がなくなる前に話した大蛇が現れた。
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