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呪われた女 19
立川M生桃
たけのこ婆は、天狗に言われたその夜。夢を見た。
あの若い女が泣いているのだ。 若い女には、下半身に鱗のような痣があり、その醜さに泣いているのだ。
何度も何度も、その痣に薬草を塗って祈っている。
たけのこ婆は、若い女が可愛そうに見えた。
たけのこ婆には、痣を消す媚薬を持っていた。ガマ蛙の油だった。
たけのこ婆は、若い女に声をかけた。お前さん。あんた美しいと思ったら・・。そんな鱗のような痣があるのかい・・・。
そう話しかけた途端。若い女が、よくも見たね。私の秘密を・・・。
そう言って、短刀を持ち、たけのこ婆、目掛けて切りつけてきたのだ。
たけのこ婆は、たったっ助けて。そう言いながら目が覚めた。
恐ろしい。あたしゃ。あんな恐ろしい女に、会いに行きたきゃないよ。
そう言ってしばらく、身体が動けなかった。
それから、毎日。毎日。ガザガサと外で物音がする。
あまり気にしないでいると、布団の中から7匹の蛇がとぐろを巻いていた。
たけのこ婆も不思議に思い。若い女の事を考えるようになった。