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呪われた女 20
立川M生桃
たけのこ婆は、若い女の夢が頭から離れなかった。
これまで、どんな人生を歩んできたのか?
そして、はるか昔の事を思い出していた。気がついた頃には、既に婆であった。わたしゃぁ。なんで、たけのこ婆なんだ。たけのこの山に棲んで・・・。
私には、何か使命があるはずじゃ。 そうに違いない。
私には家族もない。既に親は亡くなっておる。私だけが、半妖怪になってしまった。私の使命は一体何だろうね。
来る日も来る日も、その事ばかり考えていた。
しばらくの間。仕事から離れよう。自分探しに出かけよう。
そう、たけのこ婆が思った瞬間。竹藪の精霊達が、たけのこの山からいなくなってしまった。
その途端。竹藪の竹が全て枯れてしまった。
たけのこ婆は、その竹藪を見て悲しくなった。何故なんだい?
わたしゃぁ。自分探しにも行けやしないのかい?
すると竹藪から無数の金色に光る小さな玉が、遠くへ飛んで行ってしまった。
すると、たけのこ婆は、力が抜けて、髪はビリビリに縮れて、しわくちゃの糞婆になってしまった。