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ITロードマップ2020 読了

やることやりたいことがオーバーフローして困っています。オットセイです。

今日は100億年ぶりくらいに実用書?技術書?を読んだのでそのブックレビューをば。ゼミから課された課題図書四冊がうちの一冊ですね。
こんなこと言ってたら秒で特定されそうですが、大学のキャンパスの写真とか普通にあげてるしもういいかなって。
こんなインターネットの路地裏も路地裏みたいなnoteに行きつく人いないでしょ。
見つかったら見つかったでそんときはそんときということで。ガハハ。

それでは感想に入っていきます。
野村総合研究所よりITロードマップ2020です。
近年成長し注目されるであろうIT技術についてまとめられており、その技術の普及や成長過程を5年後までロードマップで予測してくれるというもの。
ITビジネスを考える経営者向けの1冊となっているので、どの技術もビジネスに活かしやすいものが多く、現状どれだけビジネスに取り込まれているか・どう取り込まれていくかといった解説が大部分を占めます。

目次を紹介します。

第一章 ITロードマップとは
第二章 5年後の重要技術
第三章 複合的なITの活用による新サービスの可能性
第四章 デジタル時代のセキュリティ

このITロードマップは毎年出版されており、2020年で記念すべき15年目だそうです。めでたい。
一章では2020年と区切りのいい歳であることと15周年を記念して、10年版~17年版を振り返る項目がありました。
20年版から初めて読んだ僕にとってはありがたいですね。
七年間のおさらいで前提知識を得られるだけではなく、「タブレット端末やQR決済は想像以上に普及した」「AR・VR技術の進歩は予想より遅れている」など、過去の予測と現実の相違点が見えてくるのが面白かったですね。
技術の紹介だけではなく毎年5年後まで予測しているからならではと言えるでしょう。


二章からは本題の技術紹介に入っていきます。
具体的に例を挙げますと、今年から日本でも稼働し始めた「5G通信」や、ビットコインなど仮想通貨を代表とする「ブロックチェーン技術」なんかがイメージしやすいですかね。
ほとんど初めて聞くような技術の紹介がほとんどでしたし、聞いたことがある技術も名前を知っているだけで中身がまるで分からないとかザラですので、純粋に興味深く勉強になりました。

二章で特に興味をひかれたのがブレインテックの項目。
人間の脳の情報をビジネスに活かそうとする技術の総称なのですが、これが思っている以上に進んでいてですね。
つよつよ電気自動車米国企業として有名なテスラがNeuralinkというベンチャー企業を設立しました。
このNeuralinkで研究・開発されているのがBCI(Brain-computer Interface)
脳とコンピュータを直接つなぐための技術です。
凄くないですか?これ。SFの世界でしか考えられなかった脳に電極ぶっ刺して機械と繋がるという世界が割とすぐそこまで来てるかもしれないんですよ。
正直僕はテンション爆上がりしてます。
攻殻機動隊の電極化ですよ?BALDR SKYの脳チップですよ?鉄オルの阿頼耶識ですよ?

まあこの技術は倫理的な問題もあるし人間の脳もまだまだ謎だらけですから、今すぐにという話ではないんですけどね。
個人向けの脳波計の価格がかなりリーズナブルになったので、脳波から顧客の意図を読み取りビジネスに活かすというのが現実的なお話でした。
それでも、僕がジジイになるくらいにはBCIが確立されて仮想世界にダイブできる世界が来ているかもしれません。あちい。

興味がある方はNeuralinkの発表会を是非ご覧ください。
僕は英語分からないので雰囲気だけでワクワクしてましたが…


二章ではザ・新技術!といったものが多かったのに対し、三章は具体的なサービスや活用法があるようなものが多く、ここで紹介されているものはすぐそこに来ているような印象を受けました。
三章で面白かったのは情報銀行と信用スコアについて。
情報銀行は、個人情報を提供する代わりに金銭や何かしらの利益を享受できるサービスのことで。
信用スコアは、各サービスの利用状況や個人情報からスコアを捻出し、その数値が高ければ融資をスムーズに受けられたり良い待遇を受けられるというものです。
両方親和性が高いものですから、まとめて紹介されていました。

モノから情報の時代へと移り変わり、ビッグデータを抱えるGAFAを中心に回っているこの現代。人々が持つ情報を奪い合う時代が始まっています。
その象徴たるサービスが情報銀行でしょう。
日本でも一部小規模で始まっているようですが、情報提供の対価として貰えるのが、クーポンだったり初回特典だったりと正直イマイチ。
ですが、今年より三菱UFJ信託より提供される「DPRIME」という情報銀行では金銭のやり取りまで予定されているらしく注目が集まっています。
僕みたいなnoteにすべてを曝け出している人間はそもそも失う個人情報なんてありませんから、始まったらゴリゴリに利用したいもんです。
3サイズで焼肉が食えるいい時代が来るかもしれません。

続いて信用スコアですが、こちらは結構前から知っていました。
IT社会の実現に向けて突き進む中国では結構前から浸透していたので。
ただ、新しいIT技術!というよりかは、監視社会のディストピアの象徴という認識でしたけど。
普通に怖くないですか?人間に勝手に点数つけられてそれで回る社会って。
社会的弱者の人間としては恐ろしくてたまりません。そりゃ便利でしょうけど。
ただ、こちらは情報銀行とは違って日本でもかなり浸透し始めているみたいですね。LINEスコアとかYahoo!スコアとか。
こっちの方が身近になるのが早いのかなぁ。


四章では企業のDX化が進むうえで増大するデジタルビジネスリスクマネジメントとセキュリティについてまとめられていました。
こちらは新技術紹介というより方は、ITの進歩に伴いセキュリティはどうあるかといった話だったので、経営者に対する実務的な内容でしたね。
なんでそんなワクワクするような内容ではなかったです。ぼけ~と速読しちゃいました。
ただデジタルアイデンティティという概念は深かったですね。
ネット上に公開する個人情報のことなのですが、どこに対してどれだけ自分の個人情報を出すのかとか管理するのかといった話を見ていると、もうネットとリアルの境目がほぼなくなりつつあることを感じます。


あと、全体を通して思った感想が二つあります。
一つ目、横文字多すぎワロタ。
こんなカタカナだらけなの意識高い系だけだろってレベルで意味が分からん横文字もとい専門用語が多い。
IT技術について真面目に解説しようとするとこうなってしまうのでしょうか、各用語についてググりながらヒィヒィ読み進めてました。

二つ目、IT業界ホンマに人材足りてないんやなって。
本冊での技術紹介の流れとしては、
技術概要→事例紹介→ロードマップ解説→進歩に向けた課題
といったものなんですけれども。
どの技術の課題点でも人材不足が~人材の確保が~みたいなのが絶対入ってるんですよね。
技術の進歩に社会がついていけないだけではなく、多くの人間がついていけてない感あります。
ITに対して興味のない人にとって、IT技術は想像以上に先に進歩してますからね。この本を読んでて僕はそう思いました。


以上感想でした。
結論凄く良い本ですこれ。きっかけこそ課題図書という強制イベントでしたが読んでよかった。
技術紹介だけではなくその技術のその先まで書かれているのが他の技術書にはなかなかない強みがグレイト。
専門用語多く難しい部分もありますが、情報学科大学の必読書にしてもいいんじゃないですか?これ。
去年この本に出合っていれば随分技術に対する考え方やビジョンが変わっていたように思います。たった今変わりましたが。
毎年これ買っとけば技術の進歩に露骨に遅れることはなさそうです。
僕のようなビジネス利用にそこまで興味のない人間にとっては興味深い技術書ですし、経営者やIT企業で働く方にとっては具体的なサービス名やソリューションの紹介まであるので実用書になり得ます。

ただ、これと同じページ数の課題図書があと3冊の凝ってるの、結構やばい。

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ヲ
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