Xデザイン学校2022マスターコース#10(23/02/17)
2022年度のXデザイン学校 マスターコースを修了しました👏
遅くなってしまいましたが、成果発表を終えての振り返りと、全10回の講義で学んだことや印象に残っていることを書いていきます。
できるだけ早く、"体験できるプロトタイプ"を作る
優れたアイデアを考え、体験設計を行い、ビジネスモデルを構築しても、実際にプロトタイプを作って自らが体験してみないことには、何が良いのか(もしくは悪いのか)は分からず、形にしない限りは絵に描いた餅になってしまいます。また、課題発見と発想提案を繰り返すことで、サービスの解像度が上がり、品質を高め、大失敗するリスクを減らすことができます。
講義を通して、0からサービスを提案するところまではやり切れたが、アイデアの具体性やビジネス面の詳細を詰めきれておらず、アイデアの良し悪しよりも、提案とフィードバックを受けて改善するサイクルの短さの方が重要だと感じました。
頭の中で考えた問題を実際に観察し、発見した問題に対してアイデアを考え、それをプロトタイプに落とし込んで検証や実験すること(思考レベルと経験レベルを行き来する)で、より良い結果を得ることができます。これからの業務でも、迅速かつ柔軟に、簡単なプロトタイプを繰り返し体験してみることを心がけたいと思います。
ダークパターンを考える
最終発表後、「ダークパターンも考えないとダメだよ」というコメントをいただきました。ビジネスモデルの提案に関して、最後まで自分たちの中でモヤっとしていた部分があったので、おそらく先生も CVCA を見た瞬間にそれを感じ取ってコメントをしてくれたのかなと思います。
UXデザインでは、ユーザーにとって嬉しい体験を考えるため、つい自分たちに都合の良い解釈をしてしまいがちです。今回のビジネスモデルも「こうなると全員が幸せになるよね」と、全ステークホルダーにとって理想的なものになっていました。
サービスを考える際に、ユーザーの声を聞くことは重要ですが、恣意的に一部のニーズに着目するのではなく、物事をフラットに考えることが重要です。モヤっとした違和感を解消する方法の1つとして、今後はダークパターンも考慮するようにしたいと思います。
三方良しのデザインを行う
今回私たちのチームは、何かを便利にしたり、効率を上げて生産性を高めるようなサービスではなく、多くの人が見落としている社会問題を解決する、社会的に意義のあるサービスに取り組みました。
その一方で、社会課題を解決するサービスと同時にビジネス的に儲かる仕組みを両立させることの難しさを実感しました。
デザインの役割は、現在の問題を解決するだけでなく、未来のビジョンを提案することも重要になってきています。特に、今の時代では、問題解決だけでなく、社会に新しい意味を問うこと(新しい意味の創出)が強く求められています。
社会的な意義や意味について考えることがこれからますます重要になってくる中で、今回の課題を通して、ユーザー・企業・そして社会にとって三方良しのサービスデザインに挑戦できたことは良い経験になりました。
厚みのある学び
1年間の学びを通して、何かを学ぶには、自分で体験する以上に良い方法はないことを再認識することができました。
Xデザイン学校は失敗が許容されている場所なので、これまで試したことのないことに取り組んだり、とにかく楽しみながら学びたいと思っていました。
実際にXデザイン学校での学びは、UXデザインのプロセスや手法を座学で学ぶだけでなく、それを実践したり、チームメンバーと平日に集まって議論したり、懇親会で他の受講生と情報共有するなど、多面的で厚みのある学びを提供してくれたと思います。
大人になってからでも、自分自身ができない・分からないことを晒して学ぶことができる場所があるということは素晴らしいことだと思います。また、UXデザインという目指しても目指しても終わりのない道を歩くことの楽しさに気づくこともできました。
何かをやってみる→やってみたことを振り返る→教訓を引き出して、また次に向かっていく、という思考のサイクルを持つこと。そして、様々なことを包括的に学び、体験することを今後も続けていきたいです。
最後になりますが、先生、マスターコースの皆さま、同じチームの皆さまには大変感謝しています。
1年間、本当にありがとうございました!